【ビジネスの現場は勉強7:実践3】

執筆者 | 21/05/18 (火) | コラム

 
 
 
現場を任せるタイプの経営をしていると、
やる気はあるけど放っておくと変な方向に行く人と、
新しい領域でも堅実に結果を出す人の違いが出てくる。
 
この違いはなんだろう、と考えたときに
「勉強と実践が両方できるかだ」
と分かってくる。
 
 
世の中にはたくさん本があって、
成功した人が「自分はなぜ成功したか」を語ってくれる。
君でもできる!と言ってくれる。
成功譚は勇気をくれる。
 
でも世の中の事業の9割は失敗する。
その失敗談にこそ、たくさんの学びがある。
成功譚だけではダメだ。
 
ただ失敗談ばかり聞いていると成功経験のない人は
「自分なんてどうせできない」と感じてしまう。
結構な割合の人がここで止まってしまう気がする。
失敗談だけでもダメだ。
 
 
つまり、少ししか勉強しない人は2つに分かれる。
成功譚を少し読んで勇気だけある人。
失敗談を少し読んで行動できなくなる人。
 
ビジネスで必要な勉強は
「成功と失敗の間にある、運以外の何か」
を掴むことだ。
成功譚か失敗談だけでは、そこに辿り着けない。
 
両方を擦り合わせると自然と仮説が生まれてくる。
 
 
そして、その辿り着いた「運以外の何か」は不変的な真実なのか、
それが自分の業界でも通じる法則なのか、
仮説を現場で実験できて初めて血肉になる。
 
実践がないと、ここが抜ける。
せっかくの知識が机上の空論や世迷い言になる。
だから権限や裁量がない状態で
ビジネス本を読みまくるのを成功者は勧めない。
 
大体の成功者はこう言う。
 
まず現場にフルコミットして信頼と権限を得ろ。
権限を得ることがゴールではなく、そこからが本番。
そこからさらに勉強しまくれ。
 
 
自分の実験や「聞いた話」だけでできることは
本当に限られている。
 
時代が変わり続けているなら、尚更だ。
 
時代を経ても変わらないものと、
一時のブームと、不可逆な変化。
それを少しでも正確に捉えるには学ぶしかない。
そして、権限や裁量を手にした人だけが、
その知識を血肉を変える権利を手にする。
 
 
部下を大切にすることと
立場とセットで手にする「チャンス」を大切にすることはイコールだと思う。
 
この血肉を得る権利を無駄にすることは、
それを与えた上司だけではなく
部下も含めた職場全体を大切にしないこととイコールだ。
 
立場や地位は、上司が与えてくれるように感じるかもしれないが、
本当は「部下」が与えてくれるものだ。
 
嫌な上司からは逃げていい。
嫌な取引先はさっさと切っていい。

でも、献身的な部下から逃げる癖は絶対につけてはいけない。

 
 
#公開書簡
この文章は新しく管理職を任せる社員のことを思いながら書いた文章です。

執筆者 | 21/05/18 (火) | コラム


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