こんにちは。2020年入会の坂田です。
福岡出身、神奈川在住。
ITエンジニアをしながら、創作で舞踊をやっていたりします。
クラスはアリスカーナ、部活は殺陣同好会、コスプレ部、アニ研などで楽しんでいます。
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2021年5月25日、ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」のPROGRESS内公開での授業が行われた。
私は会社のオンライン会議の後、Zoom観覧に入り、30分程度遅れて授業を受け始めた。
「カラマーゾフの兄弟」は非常に難解なストーリーで、どろどろの人間模様から始まったと思ったら、やはりどろどろとしたラブストーリーが始まり、痴情のもつれと金銭問題から殺人事件が勃発したりと忙しいストーリーだ。
ストーリーの詳細は授業やYoutube大学を見ていただくとして、私はこの本を読んだのは中学時代の頃、思春期の一番多感な時期だった。
授業を聞きながら、すっかり消えかけていたストーリーを思い返していると、イワンとアレクセイの神についての激しい討論の場面に移った。
「俺はな、神を受け入れないわけじゃないんだ。むしろ神にいて欲しい。だがどうしても納得いかないことがある。」
イワンが語る凄惨な描写が続く。
「神はなぜ今すぐ目の前にきて人々を救わないのか」
怒りと共にイワンの話は進む。
「キリスト教では最後に全ての人々が復活して、あらゆる罪が救われる。
だが、俺は救われなくていい」
衝撃が走った。
子供の頃、私は宗教が厳しい家庭に育った。
大人になり、今は神や仏がどうであれ、自分が胸を張って楽しく生きればいいだけなんだ。
もし神や仏がいても、恥じない生き方をしていれば、どんな生まれでも、どんな宗教を信じていても問題ない、と今は心から思える。
自身が源であり、自分の行動、感じ方が世の中を変えていける。そう思える。
だから今は毎日が楽しい。
だが、中学時代、思春期の私はそう思えなかった。
宗教行事を押し付けられ、宗教を大事にするくせに家族のことは後回し、そんな生き方をする大人たちに反発し、まさにイワンの言うような思いをそのまま抱いていた。
作者のドストエフスキーは非常に闇を抱えた人物だったと伝えられる。
政治活動をし、逮捕され、強制労働を経験した、その心の闇が、葛藤がその全てが「カラマーゾフの兄弟」の登場人物に反映されている。
ラストは割愛するが、決して救いのあるストーリーではない。
だが、登場人物の中にはゾシマ長老のような人物がおり、殺人事件の後も結局、兄弟は有罪となったドミートリィを救う為に行動する。
誰しも思春期の頃、なぜ生きているのか、どう生きるのか悩み、苦悩したことがあると思う。
誰の中にもアレクセイが、イワンが、ドミートリィがいる。
やろうと思えば誰もがゾシマ長老のように生きることもできる。
中学の多感な時代にこの物語に出会い、感銘を受け、大人になった今、PROGRESSでまたその物語に再開したことには非常に意味があると思えた。
人は何者にでもなれる。いつからでも。
まさにその通りで、今は思春期の頃あんなに苦しく思い悩んでいたことも忘れ、家族の仲もいい。
これも全て、自身の行動が決めてきたこと。
何でもできるわけじゃない。でも、生き方は自分で選ぶことができる。
2時間以上の大作だが、ぜひ授業を受けて欲しい。
https://www.facebook.com/100010227541892/videos/1489915028026068/
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なかなか宗教は日本ではなじみがないですが、それでも宗教で葛藤している方は日本にもいます。
小さなころから宗教に厳しい家庭に育ったことで、今はむしろよかったと思います。
大人になって、自宅を離れてからは宗教なんて縁のない生活を送っていますが、小さな頃の経験のおかげで、宗教や哲学を深く学び、考えることができたのは今は宝だと思っております。
中学時代に1万冊以上の本を読みました。
大部分のストーリーはすでに忘れていますが、要所要所私の考えの礎になっていて、それが今の人生を形作っていると感じます。
本は豊かです。
難解なストーリーですが、授業を受けていいなと思ったらぜひ本も読んでみてください。
2021年5月25日 坂田 進