私が教育の世界で20年過ごす中で、【いじめ】に関わってきた経験をシェアさせていただきます。何か1つでも、皆様の参考になる部分があれば嬉しいです。
①原因 ②予防 ③対応 ④苛めっ子の指導 ⑤苛められっ子の指導
①~⑤までを1項目ずつ投稿させていただきます。
__________________________________________
①【いじめ】の原因
__________________________________________
中学生になるまでに9割以上の子供が【いじめ】を経験します。【いじめる】方も9割、【いじめられる】方も9割です。経験しない方が少数派です。
【いじめ】は良くないことだと、みんな知っています。
知っているのに、全然無くならないのはなぜでしょう?
雷の被害を防ぐには、その原因が電流だと知り、研究を進め【高い鉄柱を建てればよい】と分かるように、【いじめ】を防ぐにも、まず、その原因を知る必要があります。
【いじめ】は、多くの生物が絶滅したのに、人類が生き延びるために必要だった習性の1つです。
【いじめ】はドーパミンが脳内に分泌する快感を感じる行動の1つです。
えっ! 何だって! おかしいよ!
ありえない!【いじめ】が快感だなんて!
そう思われる方も多いと思います。
ですが、これは科学的に根拠のある紛れもない真実です。
なぜ【いじめ】が脳内に快を感じるドーパミンを、分泌させるようになったのかも分かっています。
私たちは、他の動物と比較しても、かなり弱いですよね。
走るのもそんなに速くないですし、戦っても強くないです。
クマと戦って勝てる人は少ないですね。中にはいるかもしれませんが、それは格闘技の達人だけで、もし勝ったら大ニュースになって、何百年も語り継がれることでしょう。多くの人は、クマよりも、トラよりも弱いです。
なのに、地球で我々だけが70億にも繁殖してきたのは、集団で行動することによって、1対1では到底かなわない大型の動物から身を守ったり、食料を得るための狩りや、農業を営んだりする中で社会を形成してきたからです。
弱い我々が生き延びるのに、どうしても必要なことは、社会性だったのです。
今日はちょっと具合が悪いと仮病をつかって怠け、狩りの危険に身をさらさない者や、寝込んで農作業をしない者が現れた場合、そのままにしておいたのでは、次々にさぼる者が現れて集団が滅亡します。
ですので、そういうズルイ者が現れたときには、【制裁】を加えて、集団から排除する必要が出てきます。
集団が生き延びる為にどうしても必要な【制裁】という行動なのですが、それには【反撃】というリスクが付きまといます。集団にとってはメリットがあっても、個人的にはデメリットしかない行動をとる勇敢な者に対して、ご褒美として備わったのが、ドーパミンの脳内分泌という快をもたらす報酬なのです。
本来、集団を守るために、何万年もかかって進化してきた【制裁(快感)】行動なのですが、たびたび誤った判断により、正当な理由がなくても発動してしまう場合があり、【制裁】行動が発動してしまうと、ドーパミンが分泌してしまうため、行動にブレーキをかけることが難しくなり、その行動が繰り返され、エスカレートしていくのが、【いじめ】という現象です。
実は、人に褒められることでもドーパミンは分泌します。
【褒められる機会が多い子供】はドーパミンが頻繁に分泌されるので【いじめ】る傾向が低く、もし一度その快感を味わってしまっても、繰り返されないケースが多いですが、【褒められる機会が少ない子供】は【いじめ】が常習化しやすい傾向があります。
一定の頻度でたばこに含まれるニコチンにさらされ続けた脳は、やめたくても、やめられない依存症になって禁煙がとても難しくなるように、ドーパミンにも同じ性質があるため、
【いじめ】が常習化してから【苛めっ子】を指導するのは、初期の段階で発見してあげて、指導するのに比べ、本人にも、指導者にも何倍もの時間や労力が必要になりますし、その過程での精神的ストレスも大きくなります。
ですので早期発見がとても大切になります。
次回は、未然に防いだり、早期発見することができる仕組み
②【いじめ】の予防▼ です。
https://pgpub.space/11520/
2021.6月 jony