②【いじめ】の予防

執筆者 | 21/06/03 (木) | コラム

教育の世界で20年過ごす中で【いじめ】に関わってきた経験をシェアさせていただきます。何か1つでも参考になる部分があれば嬉しいです。

①原因 ②予防 ③対応 ④苛めっ子の指導 ⑤苛められっ子の指導 に分けて投稿いたします。

__________________

②【いじめ】の予防

__________________

①【いじめ】の原因https://pgpub.space/11406/

 でお話しした通り

【いじめ】は、わかっちゃいるけど、やめられない快感を感じる行為です。

「苛めちゃダメ」と考えながら「苛めている」のです。

普通の人がクマと戦っても勝てないように、

「苛めちゃダメ」の気持ちは「苛めたい」気持ちに勝てないのです。

「起きていたい」気持ちが「眠りたい」気持ちに勝てないように、
「食べちゃダメ」という気持ちが「食べたい」気持ちに勝てないようにです。

「苛めたい」気持ちは「眠りたい」「食べたい」と同じように、生命維持・種族保存のための本能の領域にある強い欲求なので、頭でダメ、ダメ、ダメと考えても普通の人は抑えることができないのです。

インドの山奥で修業した僧侶ならできるのでしょうが、私たち凡人には無理です。

これが【いじめ】が無くならない原因です。

いったい、どうしたら「苛めちゃダメ」という気持ちを強く持ち、「苛めたい」気持ちに打ち勝つことができるのでしょうか? インドの山奥で何年も座禅を組んで修業しますか?

実は凡人のまま、今すぐに勝つ方法があります。

クマと戦って勝つ方法と同じです!

そう、皆で力を合わせて勝つのです。集団を守るために身に付いた「制裁(快感)」欲求は、集団の力でならコントロールできます。

どうしたら、集団の力を結集して、強い相手に勝てるのか?

それは、「1人の力では勝てないこと」と「皆でなら勝てること」を知り「苛めちゃダメ」と思う仲間たちでチームを作ることです。

「苛めたい」×1「苛めちゃダメ」×5

というわけです。

【いじめ】は火事に似ています。

いったん火が付いたら、放っておくと、どんどん燃え広がってしまいます。燃えにくい材料で建物を建てることなどで、件数は昔より減りましたが、火事はどうしても起きてしまいます。

ですので、消防署1700か所・消防士16万人以上が、常に待機していて、火事の際には瞬時に駆けつけます。専業の消防士の他にも町の消防団がありますし、消防車がサイレンを鳴らせば、赤信号でも走り続けられるように、他の車は道を譲ります。【消防を呼ぶには119番】と小学生でも知っていますし、通話料は0円です。消火器の設置が法律で定められ、日本で年間に約400万本生産され、【消火器の使い方】で検索すれば、わかりやすい動画もあります。

火事は起きてはダメなことです。だから0を目指します。

ですが、毎年400万本の消火器、が必要なくらい、火災が発生します。

【いじめ】は起きてはダメなことです。だから0を目指します。

ですが、【いじめ】は火事の件数の何十倍も起こってしまうので、【いじめ防止チーム】は、もっと、たくさん必要です。学校の先生やスクールカウンセラーだけでは足りません。

子供も大人もみんなで協力して、「苛めたい」気持ちが「苛めちゃダメ」という気持ちより大きくなった人に、早く気付いて、助けてあげなければなりません。

【いじめの火】が小さいうちなら、周りの数人でも消すことができますが、なるべく早くみんなに伝えます。「苛めたい」気持ちが大きくなって困っている人を、絶対に救うためです!

【苛めっ子】を救えば、【いじめられっ子】も救われます。

【苛めっ子】は表面化せずに常習化してしまった場合、人生のどこかで、強い制裁を受ける原因となり、【苛められっ子】だった人よりも、自殺者が多いという追跡データもあるそうです。

そして、何より、素早い連携ができるチームがある環境では、【いじめ抑止効果】が高まり、【いじめ】は起こりにくくなります。

今までのお話は、【いじめの火】がついてしまった場合の早期発見、早期消火という発想でしたが、そもそも【いじめの火】がつかないで済む方法はないのでしょうか?

実は、あります。

【いじめ】とは何なのか、疑似体験するという方法です。実際にあった【いじめ物語】の実写やアニメ動画を作って、それを見た感想を互いに語りあったり、台本を作って、【苛めっ子役】、【いじめられっ子役】、【みんなに知らせる役】、【止める役】を交代で演じていき、それぞれの立場で感じた感想を語り合うことです。アニメでしたら声優になって交代で演じるのでもOKです。

このような疑似体験をした子供のグループは、そうでないグループよりも、その後に起こる【いじめ】の確率が下がりますし、【いじめ】が起こってしまった場合でも、スムーズな“初期消火”が可能になります。火災に備えて消火訓練が義務付けられているように、【いじめの火】の消火訓練も、もっと行われるようになった方がいいと、私は思います。

▼【いじめ】対策の動画の1例です

https://youtu.be/9_Kw7oHeQSw

このような動画は、見るだけでも効果がありますが、クラスの生徒で順番に声優をやった方が、より効果があります。

今回は、【いじめ】の【予防】や【早期発見】の重要性についてお話ししてきました。
次回は、③【いじめの対応】についてお話しいたします。

①【いじめ】の原因https://pgpub.space/11406/

執筆者 | 21/06/03 (木) | コラム


308 ビュー
2いいね!
読み込み中...