【来たるインバウンド爆発に備えて】

執筆者 | 21/07/11 (日) | コラム

いらっしゃいませ。
シンガポールの鮨屋、木村ともおです。

今日のHRであっちゃんも言っていたように、
安い日本へ外国人が殺到する未来はほぼ確実に来ます。

シンガポールのお客さんたちも今か今かと待ちかねていて、すでに年末の飛行機を抑え始めている人たちがいるのが現状です。

そしてそのゴールドラッシュは前回の中国からの爆買いインバウンドの比ではなくなりそうなニオイがしています。

今回のは規模が違うのをヒリヒリと肌で感じる。
みんなストレスの発散場所を求めている。

そしてこのコロナ禍を生き延びた業態のスペシャリスト達が対応に当たることになるので取りこぼしも少なくなると推測できます。

これが短期で終わるのか、長期につなげられるのかは日本次第。

ところで、
ゴールドラッシュ時に最も強く、最も儲かる商売は…?

いつかの授業であっちゃんが言っていたように、実はゴールドを掘りに行く人ではなく、
ゴールドを掘りに行く人が使うツールに目をつけるビジネス。

掘りに行くのはギャンブルで、それを支えるのが商人であり商売。
金を掘るにはツルハシや長靴が必要。
金が出るところに移動するにはインフラと宿泊施設が必要。

これは、一世代前の話。
それらは既に仕組みが出来上がっている。
考えるべきは、そのツルハシや長靴、インフラや宿泊施設が必要とするのは何か?

それは、情報だ。

私の最も得意とする飲食店経営からの例えが一番わかりやすく伝えられると思うので、それを書かせてください。出来れば皆さんから違う目線でのアドバイスをいただけたら嬉しいです。

ただ書くだけでは説得力がないと思うので、私の経歴を簡単に説明させていただきます。

鮨板前暦25年目(日本で15年、シンガポールで10年)
鮨店経営6年目(開業18ヶ月目でミシェラン一つ星獲得、現在まで維持)
焼肉店経営4年目
新店舗立ち上げ経験6店舗+相談多数

飲食店経営だけでいうと大体年商4億円ちょっとくらいの規模の会社の社長です。
ビジネスパートナーに二人のシンガポール人がいます。

普段は嫌がられることが多いのでここまで自分で開示しないのですが、
今回は書いてることに説得力を持たせるために。

私なんか比べ物にならない経営者の方たちがここにはいるので言いやすいのもあります。
シンガポールにくるちょっと前くらいからFBを始めているので、
もし裏を取りたい場合はFBで調べてみてください。

 

さて今。

飲食店で必須となっているのが予約管理システム。
古くは手書きの顧客台帳であったもの。

日本でいうとトレタとか、一休.com、Chope等のシステム。

シンガポールではそれが進化し、店のお金の動きからお客さんの好みや注文パターン、在庫の管理から会計、従業員のスケジュール管理まで全て一括でこなすシステムが生まれている。

このシステムの導入がなぜ進んだのか?
一番の理由は何とドタキャンが多いから。

たいていの場合、システムに払う手数料の方が高すぎて導入が遅れる。

飲食店の純利益率というのは、一般的に言うと売り上げの10%を超えたら超優良。
平均で見ると6〜8%くらいなものであるのは意外と知られていない事実。

さらに驚くべきことに、ITインフラを導入している店もしてない店もこの数字は変わらない。

例えば、ITインフラを導入してない現金商売の店が(多少極端だが、鮨屋には意外に多かった)

カード会社に3%
銀行手数料に2%
予約システムに3%

これを払うとどうなるか?

当然、利益が0%になる。
これが、個人店主たちがITシステムを導入したくない理由だ。

数字だけ見るとまさしくその通りなのだが、
機会損失や合理化による仕事時間の短縮を考えられる個人経営者というのはなかなかいない。

そこに投資できる余裕がないということもある。

今までの形態で来てくれていた本当の意味での常連さんたちに余計な費用を払わせてしまうという罪悪感も馬鹿にならない。彼らはそんなシステムなんて無くても店に来て笑顔を運んでくれるのだから。

本当の意味で全体のモラルが上がっているのならば、実は前金を取るような予約システムは必要ない。

ここで考えてみたいのが、どんな状況ならばこのシステムを入れても良いと個人経営者が考えるかどうかだ。

最も大きいのは手数料。
現在、手数料は競争が始まり落ち始めているがこれは予定調和の範囲。

ここにProgress的考え方、つまり5,000円位だったものが980円になる意味を理解できさらに実行できる経営者がこの業界に現れたとき、一気に仕組みが変わって行く。

理解できるとは、このシステムで集められる情報を武器になると確信し、他の商売で「しがらみ無し」に生かせる人だ。

つまり、中田敦彦だ。

横道にそれるが、
仮に電子漫画書籍が一冊100円になったらどうなるか?

まず、海賊版がほぼ淘汰される。
実は誰もが海賊版に対する罪悪感を持っている。
ではなぜ使うのか?元版がお手軽に手に入らないからだ。

そして作者の印税収入は間に出版社を挟まなければ現在とあまり変わらない。
しかも世界的に購買者は間違いなく激増する。

経営者レベルの誰もが気づいているが、しがらみがあるのでできないこと。
しかし、確実にその未来はやってくる。

これができるのも、混沌を泳ぐ中田敦彦だ。

 

コホン。

二番目の障害は使いやすさだ。
ここで大事なのがプラットフォームを携帯とタブレットに絞ること。
わざわざデバイスを買うというのは、個人経営者にとってはいろいろな意味でハードルが高い。

今あるもので、できるようになる。
これが大事だ。

操作が直感的でわかるようないわゆるApple的な説明書いらずの使いやすさが望ましい。
これは既にそういうものが海外で開発されているので、それに倣えば問題はなくなる。
そしてこれを肌で感じている人が率先して指導するべきだ。それができるのは誰だろう?

やはり、蒼の舵を取る中田敦彦だ。

 

コホンコホン。

 

三番目に大事なこと、それは可能性を見せることだ。
この予約管理システム、同じプログラムの作り方で様々な汎用性を見せる。

一つ。
在庫管理。

例えばバーコードやQRコードと携帯でとった写真とを紐付けておけば新人が入ってきたとしても一目瞭然。
さらに、このお酒の在庫が三本以下になった時に自動的に酒問屋に発注をかけるシステムも簡単に付けれる。

店が一つの時はこれなしでも普通の店員ができる仕事。
しかし多店舗展開をした時の威力たるや想像を絶する時間削減効果を生む。
「棚卸し」という作業をしなくても済むのだ。

二つ。
従業員の出退勤表。

フルタイム社員からアルバイトまで、設定ができればあとで管理者が二重チェックをする必要が無くなる。今の携帯は顔認証ができるのだから。
会計担当にとって使いやすい計算結果の出力フォーマットさえ用意しておけばやはり一目瞭然。
さらに時間帯効率や人材費用対売上などのデータも簡単に取れるようになる。

三つ。
売上報告。

日本の個人店主はいまだに、レシートを出力してそれをまとめ、会計士に渡すという前時代的な手法が非常に多い。
このシステムを入れさえすればそんなことをする必要が全く無くなる。
ましてや、会計士が使うフォーマットをあらかじめ用意し、会計士の欲しい状態でデータを渡すことができる。

これをすると、まず不正防止にもなるし圧倒的な時間短縮にもなる。
シンガポールは国主導でこれを導入し初めていて、税金徴税の透明化と簡易化を実現している。

 

ここで難しいのが、システムの使い勝手のフィードバックとその修正だ。

しかし、
Progressの人材と関係性、
適度な第三者目線の環境、
人的ブロックチェーン
ともいえるここの仕組みならばこれも圧倒的なスピードでブラッシュアップが進む。

これはここProgressでしか出来ないことだ。

実は既に一回自分で試してみたのだが、いろいろなしがらみと忖度が秒で現れたので今ではないと思い保留していたアイデア。
一つ問題点を挙げるとすれば、以前のWinWinWiiinで起きた観覧者が半分女子高生だったような、中田さん知ってるんじゃなかったの的なコミニュケーションの齟齬を無くすシステム作りが必要となる。

中田敦彦は一回やった過ちは繰り返しそうもない。
うむ。誰がなんと言おうと、何度でも私が言う。

やはり中田敦彦以外でこれを導入できるヒューマンを私は知らない。

 

さて。
ではこれを導入できた時に得られる利について考えよう。

一番大きいのがビックデータの取得。
何せ、問屋の動き、流通の動き、店舗の売り上げの動き、つまり国の動きが丸裸になるのだ。
この情報をもとに、飲食店展開をするのも良いだろう。問屋を始めるのも良いだろう。
株式投資にだって応用できる。

つまり、このシステム販売自体で稼がなくても良いわけだ。
サッカーチームを作ってカジノでボロ儲けできる仕組みと近い。

どうしても先行投資型の商売ではあるが、
これも今となってはやり方がある。
クラファンの仕組みとは本当に恐ろしい。
最強の盾と矛になり得るが諸刃の剣でもある。
騙そうと思えばいくらでも騙せるからだ。

しかし、Progressメンバーはこのあたりの知識も一般の人よりはある。
だからこそ、ここでしかできないのだ。

そしてIT系人材、頭の柔らかい生産者と経営者、何より一番大事なことである新しくて面白いもの好きな人が集まっているコミニュティがここProgress。
自分で「損をしたくないから取る方法」では無く、
皆で「楽しみながら参加できてビジネスの成功率も上げる」

これを主導できるパーフェクトヒューマンは誰?
そう、中田敦彦!頂のシリウス!!

 

私の一番の願いは、飲食店に関係している全ての人の労働環境と報酬を良くすること。
私の世界は狭い。だが、全てにつながっている。
25年間の職人仕事を通して、それを感じ始めたのは最近のこと。

 

あっちゃん、フルネームを連呼してしまい失礼しました!

衣食住の中で、食に於ける普遍的情報管理システムを生み出す日本でタイミングはここしかないと強くお伝えしたい。

さぁ、はじめよう。はじめたい。はじめるべきだ!
みなさまの参加、お待ちしております。

 

11/07/2021

鮨来村 店主

木村共男

執筆者 | 21/07/11 (日) | コラム


128 ビュー
10いいね!
読み込み中...