こんにちはー!
COVID-19病棟勤務、中川美加です。
東京では連日感染者数が1000人を超えてくる今日この頃ですが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか。
オリンピックだCOVID-19だと、不安を煽られがちな昨今ですが、知ることが判断の第一歩、ということで、職場での現状を今回はお伝えしようかな、と思います。
これまでとの違い、今回の第5波の特徴です。
1.若い人の症状化が多い
これまでは60代以上、糖尿病、肥満など、リスクが高いと言われる方の入院が多かったのですが、今回は20代から40代と、若い方の入院が多いです。さらに生後3ヵ月~2歳、3歳と、乳幼児の発症、入院が何件もあるのも、これまでにはなかったことです。これまでは親御さんが発症して、子どもは無症状だったり陰性だったりしたけど、濃厚接触者で誰にも面倒を見てもらえず、やむなく親御さんと同室に入院させる、という感じでしたが、今回はお子さん自身が症状があることが多く、これまでとの違いを感じてます。ワクチンが打てない、まだあまり打たれてない年代が多いのかもしれません。これまではまあ子供は感染してもほとんど発症しないし、と、ちょっと油断できていた部分があるかもしれませんが、そこは少しだけ見直せたらいいな、と思います。
2.入院してからも症状が進む
今まででも具合が悪い人はさらに具合が悪くなっていましたが、今回は軽症と重症化する人が、最初はあまり違いがない感じで、1~3日で酸素が必要→準人工呼吸器(ネーザルハイフロー)に進むことが多いです。どんどん使うから、もう残り院内に3台しかない!ただ若いからか、管を入れてほんとうの人工呼吸器、まではいかずに回復できることが多いです。なので入院しないで自宅やホテル待機の方も、油断しないでちゃんと症状が回復するまで、いざというときの連絡手順を把握しておいた方がいいです。
3.怒りっぽい
こだわりの強い患者さんや、ストレスをぶつけてくる患者さんが多くなりました。これは若くてストレスを強く感じることもあるでしょうが、それより治療の第一選択にステロイド治療があることで、不眠や抑うつや易怒性が出てる気がします。なのでもし友人や家族がCOVID-19で入院していて電話等で怒っていても、本来のその人の状態ではないんだな、って思ってあげてください。
そしてイギリス株の時、途中で増え過ぎて入院患者を隔離できなくなって、国の方針として一般のCOVID-19患者さんと同室になったことは皆さまご存知でしたでしょうか。
今、デルタ株もほぼその状況になっています。「あと二週間で日本でもデルタ株が席巻する」と先週言われていたので、オリンピックとほぼ同時に、日本のCOVID-19はデルタ株メインになるようです。
もともとコロナ風邪はどんどん変化するものでした。なのでこれからも色々な株が出てくると予想されます。
COVID-19が消滅する世界はおそらく来ないでしょう。ワクチンで重症化が抑えられた時点で、COVID-19と共存する社会になることがゴールなのかな、と思います。