今回の価格設定に必要だったひとつだけのこと

執筆者 | 21/07/26 (月) | コラム

今回の価格設定に必要だったひとつだけのこと

こんにちは。今日のPROGRESSは一段と盛り上がっていましたね。CARL VON LINNÉの価格設定で様々な意見が飛び交いました。

私からはCVLの価格に関しては特に言及しませんが、今日は「今回の価格設定に必要なシンプルなひとつだけのこと」と題して、どうして今回のような大立ち回りが起きたのか?を考察するコラムです。

本コラムは価格の提案をするわけでも、特別な答えを出すわけでもありません。
ただ純粋に、これから何かを販売したり制作する方のヒントになればと思っております。

 

実は価格設定も利益率も関係ない

今回の件ではHRから廊下や配信まで、様々な意見が飛び交いました。

安すぎるくらいだから、もっと価格を上げてもいい
正直手が出ないし、悲しい思いをしてしまった

どちらの方のお気持ちも分かります。
期待を裏切られてしまった気持ちになる方もいるでしょうし、ブランドとしてもっと格式高く、クリエイターに還元したいと思っている方もいるでしょう。

結果としては、現在のところは、価格を押さえつつ完全受注生産で進めていく方向になっているようです。

しかし、実は今回の件はここまで議論されているほど複雑ではなくて、必要なのはたった一つだけだったのではないかと思うのです。

 

必要だったのは心の準備

結論から入りましたが、きっと必要だったのは適切な価格設定よりも「心の準備」だったのではないかと思っています。

つまり、CVLをいくらで販売する想定だったのかを事前に伝えられていれば、最初からその価格帯の服であると理解し、心の準備が出来たと思うのです。

きっと幸福洗脳のTシャツが1万円で驚く人はもういません。
それは幸福洗脳は高価格帯の商品であると事前情報で理解しているからです。
いわゆる世間のハイブランド商品も同様でしょう。

しかし、今回は価格帯が伏せられた状態で、「皆が着られる一体感」「高品質を出来るだけ安く」「原価率が高いから利益ギリギリ」などの情報が先に浸透していました。
それにより、CVLの価格は「安価ないしは高価ではない」と、共通の認識でありながら、その実は「人により異なる価値観」で思いを募らせていったのです。

だからこそ、価格発表が想像と異なった瞬間、想像より高くてショックを受けてしまったり、想像より安いと称賛や心配の声が生まれたりと、意見も二分されてしまったのだと感じました。

 

販売価格は事前に目安を提示しておく

「お求めやすい価格で」と言われたコートは、8万円、4万円、1万円、その人の思うお求めやすさを基準に想像してしまいます。
それは金銭的に余裕があるないだけでなく、服にかける費用の価値観でも同じことです。

「通常であれば2万円くらいのTシャツを、今少しでも安くできるように頑張ってます」
「普段だったら10万円クラスのクオリティのコートを、お求めやすく作っています」
と、実際の数字を出して説明出来ていれば、まさか10万円のコートを1~2万円で買えると思う人はいなかったでしょう。

価格の決定は最も難しく最後まで調整する部分。そんな簡単に伝えられないものであるとも理解はしています。
ただ、CVLは「原価率も公表する」というコンセプトゆえ、逆に原価の時点で原価をお知らせしてしまっても違和感のない、奇跡的なブランドです。

もちろん発表時に「手が届かない」という声も上がることでしょう。
なんならその時点で火炎瓶を投げつけられ、傷つくこともあると思います。

それでも、事前に知っていれば「その服のために頑張ろう」と思ったり「普段の私の価格帯とは違うな」と理解できたり、または「手が届かない」の声が早期に可視化されたことで新たな戦略を考える時間も作れたりと、製作者にも販売者にも購入者にも優しい取り組みにスマートに調整できたのではと思うのです。

その証拠に、今回特に価格に理解を示していた層には、幸福洗脳やAND WOOLで村松さんのニットの価格帯を知っている方が多かったです。
その方々は、村松さんの最高品質のニットの素晴らしさと共に、価格帯を理解して「心の準備」が出来ている状態だったのではないでしょうか。

 

販売までまだまだ時間がある 

今回は一つの大きなうねりとなりましたが、CVLがまだ始まる前のブランドです。
そして「続けること」が勝利条件の一つであるCVLが、今回限りで完全に販売が終わるわけではないと、私は思っています。

ここから販売までの期間は、まだまだ修正が繰り返されるでしょう。
そして、その都度皆さんの反応が、このブランドに大きく影響を与えるはずです。

素直な気持ちを持つことはとても大切。無理をしないことも大切。
これらの全ての流れが、他では体験できない極上のエンターテインメントで、他では出来ない体験をしながらブランド創出の一環を担っているのです。

私は、PROGRESS全員がCVLを共に作っているメンバーだと思っています。
今回ショックだった人も、本当の悩みを打ち明けてくれたことが嬉しかった人も、もっと応援したい人も、皆が仲間です。

だからこそ全員が、発信は「ポジティブであるか」を再度見直しながら、一つ前のコアバリュー「批判より提案を、心配より応援を」をぜひ思い出したいですね。

ご覧いただきありがとうございました。

 

最後に、常に私が心がけていることを会員限定で記しておきます。
短い文となりますが、ご興味ある方は覗いてみてください。

サロンメンバーはお客さんではない

私は常にPGとお金の挑戦を繰り返してきました。
先日のクラファンもそうですし、PUBLICそのものも、まさにそうです。

そんな私が常に心掛けていることは、「サロンメンバーをお客様と思わないこと」です。
もちろん、少なからず報酬をくださっている時点で、今この記事を読んでいる方は皆様お客様であることは間違いありません。

しかし私は、頂戴する報酬に対してあくまで「これからの発展をメンバーの皆が応援してくれている」のだと思うようにしています。
そうすることで、お客様の言うことは絶対!という義務感や心理的な負担を減らし、継続的に期待に応えたいという活力が沸いてくるのです。

そして、これは逆説的に「サロンメンバーを販売対象と思ってはいけない」という自戒でもあります。

きっと、メンバーをターゲットに見据えて自分のビジネスを前に進める方法もあるのだとは思います。
でも、これまでの経験上メンバーを狙ったアピールは、すぐに見透かされてしまうし、長期的な成功にはつながらないと理解しています。

私はメンバーとはいつでも対等に、お客様として観察して気遣ってというより、ただ純粋に友達になり、信頼できる仲間でいたい。

そして、PROGRESSに対しても、CVLに対しても、私は自分自身のこともお客様だと思ったことはありません。

CVLを作り上げているのは、中田さんであり、村松さんであり、CVL制作チームのみなさんであることは間違いありません。
ですが、私たちだって、「ブランド名を共に決め」「ロゴを皆で出し合い」「経過に対してリアクションをし続ける」という、他の誰にもできない重要な役割を果たしているのです。

だからこそ、お客様としてメリットデメリットで判断するのではなく、どのような状況であっても「自分に出来ることはあるかな?」という視線を持っていたいと思っています。

自分も、相手も、どちらもお客様ではない。ともに前に進む仲間である。
そう思うと、いろんな見え方が変わってくるのではないかと、今はそう思います。

これからのCVLの発展を願って。

 

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

執筆者 | 21/07/26 (月) | コラム


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