今回は右翼的と思われて炎上するタイプの著名人です。ですが、自分から「右翼です」と名乗っている人はいません。あくまでも他人から、「右翼め!!」とか、「差別だぞ!!」とか、批判を受けるという人々です。
つるの剛士氏。
あのニコニコした爽やかな好青年にしか見えないつるの氏が、どうしたことか、Twitterでは度々、炎上し、一部では蛇蝎のごとく嫌われているのです。
いったい、つるの氏は何を発言したのか? 有名な炎上は、家庭菜園のパクチーが盗難にあい、その考えうる犯人像として「外国人」であるという内容をツイートしたものです。
これが、「外国人差別だ!!」と大炎上。この、「外国人差別をしている!!」という批判は度々、出てきます。外国の方の日本語の発音、発声が不器用だった事を、やや茶化してしまったかのようなツイートとかもあります。
ですが、「なんだ、その程度か」という感じがあるじゃないですか? でも、この程度のだからこそ、一般的な市政の庶民感覚の中にしみ込んだ「右翼的な感覚」を、左派は過敏なまでに危険視するわけです(因みに、右傾化というのは「傾く」と「化」が同様の意味なので重言)。
大家族を大切にしているパパという雰囲気も、古い家父長制を連想させてしまうんですね。でも、要はこのような、つるの剛士氏的な生活態度への根強い憎悪感こそが、左派、リベラル派の典型にも見えます。
「反知性主義」という言葉がありまして、本来はアカデミズムが独断専行し過ぎることへの抑制を促す為にあった言葉だと思うんですが、ちょっとここ数年、旧態依然として変わらない、勉強しない人々への軽蔑的な使われ方をしていて、それが、結果として「憎しみを煽って」しまいかねない負の側面を抱えているように感じます。
百田尚樹氏。
つるの剛士氏に比べたら、もっとずっと過激な発言をします。つるの氏は別に他人を攻撃したりしませんが、百田氏はガンガン名指しで攻撃します。本人がベストセラー作家なので、自分への批判は売名行為でやっているんだろ!! と批判者へ攻撃的に反論するのですが、『残酷な天使のテーゼ』の作詞家・及川眠子氏にもその反撃をしてしまい、「私が売名?」と、鼻で笑われたこともあります
百田氏は『探偵ナイトスクープ』の構成作家から、50歳で小説家デビューしました。デビュー作の『永遠の0』は空前絶後のミリオンセラーになり、その後もヒット作をコンスタントに出しています。
ですが、この攻撃的なツイートが原因なのか、同業者の作家からはとても嫌われていて、SF作家の北野勇作氏は「文章がダメ」だから最後まで読まなかったとツイートするし、三島由紀夫賞候補にもなった盛田隆二氏とも大喧嘩。
津原泰水氏は百田氏の『日本国紀』を批判した為、幻冬舎文庫から出る予定だった自作がボツになり、それが公になって幻冬舎の見城徹社長にも批判が集中し、責任をとるために社長はTwitterから去ったりしました。
百田氏は、「売れないクセに作家を名乗るな」と、マウントをあからさまに取るという態度を示します。右翼的として批判されがちな人々の典型的なパターンかもしれないですね。「資本主義なのだから、売れている作家に価値がある」という定義。因みに、『永遠の0』は確かにデビュー作なので、文章は拙い部分も多いですが、私は『夢を売る男』『モンスター』は十分に傑作と呼べる作品だと思う。ここでも、個々のイデオロギーが邪魔をして作品ごとに冷静に判断をするという行為が蔑ろになっているのではないでしょうかねえ。どうでしょうか? まあ、批判はされても仕方ない場合も多いですがね。
はい、今回はこの二人でお仕舞いです。たった二人です。しかも、つるの剛士氏は別に「右派ならでは」というほどの発言はしていません。百田尚樹氏が過激といっても三島由紀夫に比べたらどうでしょうか? しかも、三島のように物理的に犯罪を犯したわけでもないのに、三島に比べられて、「三島由紀夫を見習え」と言いかねない左派もいます。
他には高須クリニックの高須克弥社長とかいますが、言論人ではないし割愛です。
Twitterには、右翼的なアカウントは沢山あるんです。でも、ほとんどが匿名ハンドルネームのTwitter専用のカウントです。まさに「ネトウヨ」は無限のアカウントがいるんですね。そして、百田尚樹氏の大ファンです。百田氏と敵対関係にある左派のところには、バッタの大群のようにネトウヨ・アカウントが集まり、匿名を良いことに罵詈雑言、脅迫の類まで含めてコメントで攻撃を仕掛けます。
こうしたネトウヨ・アカウントはちょっと人として、美しくないです。ダメです。
ですが、ネトウヨでも、Twitterで有名になって書籍を出した人もいます。とは言え、一方では、そもそもの著名人、言論人となると、右派の中でも、積極的にTwitterで目立とうとする人は少ないと思います。
つるの剛士氏はそもそも無自覚なのだし、百田尚樹氏は自覚的に「愛国者」だと名乗っていますが、Twitterでの活動は例外的だと思います。『応仁の乱』がベストセラーになった学者の呉座 勇一氏も炎上しましたが「鍵垢」ですからね。
左派、リベラル派がTwitter上で「正義の為に声を大にして訴える」事に比べて、右派の本流は、あまり目立とうとはしていないと思えるのです。本屋さんで愛国本、嫌韓本はたくさん売っているのに、です。極端な話、書籍の中から探せば、メンタリストDaiGo氏レベル以上の問題発言なんか、たくさん見つかると思いますよ。
また、右派的に思われて批判を受ける側に共通するのは、やはり家父長的、排外主義的、に少なからず見える、という辺りですかねえ? 「俺の方が売れている」というのは、いかにも虚しいですが、、、。
さて、このシリーズは左派、右派の戦いだけでは終わりません。
ある意味では、もっと過激な、
オタクVSフェミニスト編へとつづきます!!