「3」と「4」の間にある大きな壁

執筆者 | 21/09/11 (土) | コラム

こんにちは。2021年1月入会の久保はるるです。

突然ですが、PROGRESSでは、クラスや部活動、同期会などでZoom交流会が頻繁に行われていますよね。

オンライン上でいろいろなメンバーとお話できて楽しいですし、その中から気の合う友人が見つかることも多いでしょう。

ですが、何を隠そうワタクシ、このZoom交流会があまり得意ではありません。というよりも、大人数での雑談がとても苦手なのです。

自分が会話をリードする自信もなければ、変なタイミングで変なことを言って薄くスベったらどうしようという不安、かといって、一言も喋らず周りに気を遣わせるのも嫌だなぁ……。

そんなことをぐるぐる考えながら時間を過ごすので、交流会終わりでぐったりしていることもしばしば(人の話を聞くのは楽しいんですよ!!!!)。

こんな面倒なことを考えているのは自分だけだと思っていたのですが、あるとき面白い本を見つけました。

タイトルは「なぜ僕は、4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか」。

この表題を見たとき、「あれ、意外と同じことを悩んでいる人って多い?」と少し嬉しみを感じたことを覚えています。

今回は、この本に書いてあった内容を踏まえ、私が実践している「4人以上の交流会で会話をスムーズにさせる3つの準備運動」をご紹介します。

前提条件と勝利条件

本コラムは、雑談力をあげる、聞く力をつけると言った趣旨の内容ではありません。多分読んでもコミュ力自体は上がりません。それはまた別の機会に考えて書いてみようと思います。

今回は、話をすること自体にはそこまで抵抗感はないし、みんなと交流したいけれど、「大人数での会話の波にうまく乗れない」と悩む人のヒントになるようなお話です。

勝利条件としては、このコラムを読んで実践した人が

  • 4人以上のZoom交流会でスムーズに会話が始められる
  • 話を振られたときに自分が思った通りの言葉が出てくるようになる
  • 今よりももっと素直にメンバーとの交流を楽しめるようになる

というところかなと思います。

4人以上の場で途端に会話量が減る理由

1対1でのコミュニケーションであれば割とスムーズにできる。

これが一人増えて3人になってもまあ大丈夫。

しかし、なぜか4人になると一気に会話のハードルが上がってくる。

自分はコミュ障かもしれない。いや、絶対そうだ。とりあえず寝て嫌なことは忘れよう。

私はいつもそう思っていました。

しかし、どうやらこの原因は、私が口べただからでも、聞き上手じゃないからというわけでもないようなのです。なんでも、主な原因は人が増えることで脳がパニック状態になっていることなのだとか。

人間の脳というのは、常にたくさんの情報を処理しています。選択肢が増え、その処理が追いつかなくなると脳がストレスを感じ、面倒になったりシャットアウトしたりしてしまうのだそうです。

例えば、PROGRESSのメッセンジャーグループでも、3人のグループなら気楽に返せるけど、4人になった途端「連絡がいっぱいくるな」となんとなく面倒に感じ、誰かが返すだろうと既読スルー、そのうちにひっそりミュートしてしまったことはありませんか。

Zoom交流会でも、3人のブレイクアウトルームだとわいわいしゃべれていたのに、4人の部屋だと急に緊張感が走る。本体に戻り大人数になったら急にシーンとした雰囲気になっている、など身に覚えはありませんか。

日頃の連絡手段も、メールとFBメッセンジャー、LINEぐらいまではなんとか追えるけど、そこにTwitter DMやらChatworkやらSlackやらが入ってくると、チェックするのが急に大変になり「あ”〜!!!めんどくさい!一本化してくれ!」と思いませんでしょうか。

個人差はあるものの、人間の脳は3人までのコミュニケーションはうまく処理できるけれど、4人になると処理能力を超えストレスを感じてしまう人が多いそうです。

それでは、4人以上のグループで話をする機会に、どうすれば今よりもっと楽しむことができるのでしょうか。

「会話脳」の肩はあったまっていますか?

脳の処理能力について、少しだけ専門的な話をしましょう。

準備運動もせずに激しいスポーツをすれば、ケガをするリスクが高まります。人とのコミュニケーションも同じこと。

しばらく人と話をしていないと、いざ話そうとしてもうまく言葉が出てこなくなることってありますよね。これは、会話をつかさどる脳の部分が電源オフ状態になっていることが原因です。

「会話脳」が寝ているのに、「さて、何の話をしよう」と話の内容ばかり考え、まごまごしていても、一向に話せるようにはなりません。話し方を学ぼうが、雑談力の本を読もうが、脳が話そうとしていなければ言葉は出てこないのです。

まずは、会話脳のスイッチを入れ、いつでも口から言葉が出せるスタンバイ状態にもっていくことが重要です。

会話脳のスイッチはどこにある?

会話中に主に働いているのは、脳の前の方に位置する「前頭葉」という部分です。前頭葉の中にある「ブローカ野」が口や手を動かすアウトプットを担当します。そして、脳の左横の方にある「ウェルニッケ野」が、人の言葉を認識し、話の意図を理解するインプットを担当します。

このブローカ野(喋る)とウェルニッケ野(聞く)が相互に働くことで会話が進んでいきます。これがコミュニケーションにおける脳の処理能力の正体です。

脳は、刺激することで活性化し、パフォーマンスが上がることがわかっています。交流会でなかなかうまく立ち回れないと思ったときには、脳に血を巡らせて前頭葉(ブローカ野)の活動を活発化させ、すぐに言葉が出る状態にもっていくことを意識してみてください。

交流会前にやると効果的な3つのこと

前置きが長くなりましたが、ここからいよいよ実践編です。

私が実際に行っている脳の準備体操は以下の3つです。

  • 手のひらをグーパーグーパー
  • 指回し
  • コーヒーを飲む

手のひらをグーパーグーパー

手のひらには多くのツボがあり、刺激することで瞬間的に脳の血流量を上げることができます。

やり方は簡単。1秒間に2回ぐらいの少し早めのスピードで30〜60秒間、握ったり開いたりを繰り返します。手を握るときは、強めの力で、爪を立てて手のひらに刺激を送るよう意識してみてください。

気合いを入れてやりすぎると脳に疲労感を与え逆効果になってしまうので、頑張らなくて大丈夫です。疲れたらやめてくださいね。

指回し

両手の指をくっつけてドームのような形を作ります。他の指はくっつけたまま親指だけ離し、親指同士が触れないよう前回りに10回、後ろ回りに10回クルクル回します。終わったら人差し指、中指、薬指、小指と順番に前後10回ずつ回していきます。

上記2つは、交流会前または、「あれ、全然会話が盛り上がってないぞ」というときにこっそりできるので、ぜひやってみてください。

コーヒーを飲む

コーヒーに含まれるカフェインは、中枢神経を刺激して、集中力を高めます。またリラックス効果もあるので、緊張をほぐしたいときにも最適です。

カフェインは血流に乗り約30分で脳に到達しますので、交流会”前”に飲んでおくとより効果的ですよ。ただし、カフェインには眠気を抑える効果もあるので、夜遅い時間に飲むときには注意が必要です。

さいごに

交流会でどうにも本領発揮できないな…とモヤモヤしている方がいましたら、ぜひ今回ご紹介した脳の準備運動を試してみてください。

さらにこれは、交流会だけでなくプレゼンや会議の前にも使えますので、覚えておくとどこかで役に立つかもしれません。

さいごに、今後どこかの交流会で私を見かけたあかつきには、「この人、始まる前に指回してきたな」と心の中で思っても、どうか暖かい目で見てやってくださいね。

それでは、また。

はるるでした。


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