・ぼくの家の電気のスイッチは、
床から1メートルの高さについている。
これは一般的な高さより少し低い。
3年前に中古の家を買って、リノベーションをしたとき、
低くしてもらうようお願いをしたのだけど、
どうしてそんなことをしたのかと言うと、
エレベーターに乗ったり、バスに乗ったりしていると、
よく小さい子が自分でボタンを押したがる、
あの感じがなんとも言えず好きだったからだ。
ぼくも小さいころ、エレベーターのボタンを押すのが好きだった。
好奇心からなのか、なんなのか、なぜか一番に押したくなる。
意味はない。
一番に押したことで、なにか良いことがおこるわけでもない。
だけど、親に先に押されたりしたときには、
むすっとすねて困らせたりもしていた。
ぼくが押したかったのに!、と
意味もなくを親をワルモノ扱いして。
今、3才になったばかりの息子は家に帰ると
背伸びをしてなんとか手が届くそのスイッチに
一生懸命に手をのばして、
自分で電気をパチパチとつけて回っている。
ただそれだけの小さな遊びが
少し彼を楽しませているのだとしたら、
ぼくとしては本望だ。
きのうも息子は寝る前に、
先に電気を消したぼくをワルモノにしてきた。
電気のスイッチを先に押しただけなのに、
もう、パパのこと知らないだから!ぼくおこってるんだから!
なんて言うもんだから、こまったものである。
ぷんすかすねる彼に、ごめんごめん、と謝りながら、
ぼくは心の中では、でもその気持ちもわかるなあ、と
にやにや笑っていた。
今日もありがとうございました。
では、また。
(このイラストは、コヴァさんが書いてくれました。コヴァさん、ありがとうございます)