みなさん、こんにちわ。
2021年1月入会の鈴木リカです。
私は元細胞生物学の研究者で、現在はお酒のお仕事をしています。
自分のアウトプットという側面が強いので、読んでいただけるだけでとてもありがたいです。お気軽にご覧ください。
■ひやおろしとは
「ひやおろし」と聞いて、酒ワードだとはわかるという方は多いのではないでしょうか。一方で、その意味は?と聞かれたら?
私の整頓も兼ねて、まとめてみました。
9月頃発売されるお酒
(吟醸酒、などとは異なり)この基準を満たさないとひやおろしと言えない、というものはありません。
この時期に出てくるお酒に対し広く使われがちなのが実態です。
一種の季節イベントというか、ボジョレーヌーボーみたいな感じでしょうか。
厳密には、夏を越えた生詰酒
ただし本来は、【加熱殺菌して貯蔵しておいたお酒をそのまま瓶詰めして出荷したもの】を指しています。
「それって普通じゃね?」と思いますよね。では
【火入れして貯蔵しておいたお酒を生詰して出荷したもの】
と言ったらどうでしょう?
実はお酒は、品質安定のため、①出来上がった時と②瓶詰めする時に加熱殺菌(=火入れ)するのが一般的です。
ただし、加熱の回数が多いほど、温度が高いほど、時間が長いほど、元々の味や香りの鮮やかさは薄れてしまいます。
このため、加熱の回数を減らしたり、なくしたりする場合があります。このうち、②瓶詰するときの加熱をなくしたお酒が「生詰め」で、ひやおろしはこのカテゴリーに入ります。
■秋あがりとの違い
一方で、「秋あがり」という言い方もあります。これもこの時期のお酒ラベルによく書いてありますが、これは【秋に味が乗って仕上がった】という意味で、厳密にはひやおろしの意味とは異なります。
ひやおろしはお酒のタイプ、秋あがりは状態なので、実際はひやおろしが秋あがりであることもありそうですね。
■どんな味?
つらつらと書いてしまいましたが、いちばん重要なのはこれですよね。
「美味いんかい」
これについては、正直好みが分かれるかなと思います。
火入れしているとはいえ夏の間貯蔵し、味を乗せているタイプですので、フレッシュさはあまりありません。
香りや味も華やかというよりは、落ちつき、ふくよかになってコクのあるような感じになってきます。
キラキラスタイリッシュ系ではなく、いわゆる「お酒っぽい」と感じる酒かもしれません。
ただしその分お食事とは合わせやすく、冷酒以外にも常温、お燗など幅広い楽しみ方ができるお酒でもあります。
■おわりに
いかがでしたでしょうか?
公共性が低くて恐縮ですが、PGのやさしさに甘えてもう少し続けたいなと思っています。
内容的にも同様なものはたくさん流通しており、正直内容としての新規性はないですが、「あのお酒の人が書いたのねー!」と気軽に読んでいただければ幸いです。
質問や書いてほしいテーマがあればいつでもどうぞ!
また、Instagramではお酒や料理とのペアリングについて発信しています。知ってる銘柄を増やせること間違いなしなので、ぜひフォロー下さい(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた!