みなさん、こんにちわ。
2021年1月入会の鈴木リカです。
私は元細胞生物学の研究者で、現在はお酒のお仕事をしています。
先月末から自分のアウトプットも兼ねてお酒コラムにトライしています。
今週はきき酒をテーマにしており、今日は昨日に引き続き「見た目」について小ネタを書きます。
■色以外に見ること①:さえ
お酒の見た目については、色以外にも着目すべきポイントがいくつかあります。
まずは「さえ」です。漢字で書くと「冴え」となり、「透き通っていること」を意味します。にごり酒など意図的にデザインしている場合を除き、透き通っている=冴えがよいことは、見た目もよく雑味もないと期待できるので、好意的に評価されます。
またここで重要なのは、色が透明であることではない、ということです。以前書いたようにお酒には(薄さの程度はあれ)黄色ベースの色があるのが自然です。ほぼ無色の場合もありますが、これは処理をして色成分を取り除いているのです。
特に新酒の場合は黄緑色っぽい色をしており、このようなお酒で冴えが良いことを「青冴え」と言います。若くて透き通っている証として、良い意味の言葉です(とはいえ実際はあまり使いませんが…)。
■色以外に見ること②:てり
「さえ」がいわゆる「透明感のあるキレイな」を意味するのに対し、「艶めく」を意味するのが「てり」という言葉です。どちらかというと色がついてきている段階ではあるけれど、それがくすんではおらず輝いているように見える場合に使います。
■そのほか気を付けること
ここでカンの良い方はお気づきになったかもしれませんが、逆に良くないのは「くすんだ」「(不自然に)にごった」「ぼやっとした」状態です。これらは作業工程で本来取り除くはずだったものに由来することが多く、存在することで香りや味にも悪影響を与える可能性があるため、好まれません。
つまり「透明感のある、艶めく」「くすみのないクリアな」「明るく輝く」見た目が良いということです。人間の肌と同じですね。(笑)
またこれを見やすくするために工夫されたのが「蛇の目ちょこ」です。
おそらく「おちょこ」と言って一番初めにイメージするであろう、あの青い線の入ったものが蛇の目ちょこです。
あの青と白のコントラストがあることにより、色やさえ、てりなどを見やすくしているのです。もし今度蛇の目ちょこでお酒を飲むことがあれば、ぜひ中をのぞいてから飲んでみてください。
■おわりに
いかがでしたでしょうか?
すこし良いお店でお酒を頂くとき、この話を思い出して「さえ」「てり」に着目してみて頂けたら幸いです。
今後はより関心が高い(であろう)香りなどについても書いてみたいと思います。
きき酒に限らず、質問や書いてほしいテーマがあればいつでもどうぞ!
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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