私の中の性悪説が、希望に変わる時

執筆者 | 21/10/14 (木) | コラム

 

2020年12月入会、メキシコ在住Kyoko Hernandez(キョーキータ)です。

特別な出来事があり、初投稿させて頂きます。

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夜は丑満時。

3人の、全く脈絡のないメンバー同士の、ラウンジ内での話し。

「今まで200人くらい話しましたかね〜」

「に、200人?!?!?!」

そう。ラウンジが大好きだという彼は、すでに大勢の人と話したらしい。

老若男女、色んな人と話して、色んなことを学んだのだとか。

「話しかけるの、勇気要りませんか?」

「いや、最初の一歩だけですよ。」

最初の一歩かぁ・・・

たくさんの人と話すことで、謙虚になった、と言う彼の言葉が印象的だった。

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思えば、PROGRESSに入会して以来、色々な葛藤があった。

元々臆病者かつ、人を信用するのに、時間を要する私は、長いこと、居場所が見当たらず、それでもHRだけは、欠かさず聞くことを日課にしていた。

だからあの時、「自分から発信しないと、誰にも知ってもらえないですよね。」と言う中田さんの言葉がなかったら、未だにあそこに、留まり続けていたかもしれない。

 

■自己紹介動画を出すこと。

■HRで、おはようを発してみること。

■コメントすること。

■HRに、zoom参加すること

■Twitterアカウントを作ること

■初めての部活

■初のT V配信

■初めての合同懇親会

 

他の人にとっては、大したことではないことも、自分の辞書にはないことを、クリアするのは決して簡単ではなかったし、それでも、少しずつ前に進み、遂には昨日、自分と同じ海外在住メンバーさんに、実際会うことができた。我ながら、ここまでよく頑張ったなと思う。

正直なところPROGRESSは、私にとって、お花畑的空間だった。

 

後進国に暮らすと、突発的な不都合や、治安やインフラの問題、災難など、色んなことが、しょっちゅう身の上に降りかかる。

そして時には、現実生活から振り落とされないように、必死で身体を張ること、皆さんが、楽しそうに雑談するのを傍に、なんで自分はこんな目に、と思うこともあれば、サロンの中の世界が眩し過ぎて、近寄れないこともある。

 

そんな折、「カンクンに行くのですが、お会いしませんか?」と、顔なじみのメンバーさんにお誘い頂いて、二つ返事で答えたくも、現実世界の問題と重なって、残念ながらお詫びした。

こんなボロボロの中、明るい気持ちで、人には会えないな・・

 

でも幾日かして、こうも思った。

せっかく、遠いところからここまで来てくれるのに。ここで会いにいかなかったら、私、きっと後で後悔する。

再び連絡したのは、彼の出発の前夜。

”やっぱり、ちょっとだけお目にかかってもいいですか?”

更には不躾ながらも、もし台所に、日本食で余っているものがあったら、持ってきて頂けないかと頼んでみた。(こちらで入る日本食材は、非常に限られている)

 

そして約束の当日、時間の少し前に指定のホテルを訪れた。

気持ちは、決して晴れやかなものとは言い難かったけど、ご挨拶だけしたら、きっと心も落ち着くだろう、と自分に言い聞かせつつ。

けれど、ロビーに入って間も無く、声を掛けられた時、ずっと沈んでいた気持ちは、一気に吹っ飛んだ。

 

”あーーーーっ!!!!”

 

まるで、長いこと会えなかった旧友に会えたかのように、駆け寄って、ハグしたい気持ちを抑えるのに精一杯だった。

コンピューターの画面越しに、いつも見ていて、人柄もよくわかっていて、だから、そこにあったのは、本当に会えた、喜びと興奮だけ。

まさかこんなにも、メンバーさんと会うことが、嬉しく感じられるなんて、自分でも全く想像していなかった。

 

ただただ、嬉しくてありがたくて、その後はご家族の皆さんも共に、朗らかな時を過ごし、時々マスクが息苦しくて、だけど、今日の日のことを、私は一生忘れないだろうなと感じつつ、仕事が差し迫ってたところで、名残惜しい気持ちを残して、その場を後にした。

最初の予定時間を、遥かに超えていた。

 

思えば、パンデミックが始まって以来、他所から来た日本人に会ったのは、今回初めてのこと。 

勇気を振り絞って会いに来て、本当によかった。

バスの中から、広がる青空を、眺めるともなく眺めながら、ふと、頂いた袋・・”大したものではなくて・・”と、何度も彼の奥さんが恐縮されていたので、中身を確認することもなく、そのままバッグに入れたのだが、それをふと開けたところで、目を疑った。

 

中には、お願いした、さんまの蒲焼ー長い間食べたかったーが3つ。(3つも!)

そして、小倉あんの徳大缶がひとつ。

 

”え??あんこ・・・・???”

 

さんまの蒲焼は確かに頼んだけれど、どうして、あんこがあるのか、頭の中にハテナが並んだ。私、好きって話したことあったっけ??

何はともあれ、全く予期しなかった、自分の好物を頂いた幸せで、気持ちは益々浮き足立ち、午後のクラスは、全く腑抜けの状態だった。

 

さて、どうして私があんこを頂いたのか。

それはラウンジで、カンクン行きを話した時、そこに居合わせた別のメンバーさんが、彼女はあんこが好きだから、持っていってあげて、と、言ってくれたらしい。

Twitterでは、私たちのリアルな出会いに、たくさんの人から、いいねやコメントを頂いた。

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いつからだろう?日本を離れて以来、色んな出来事に遭遇し、常にサバイバルモードでいるうちに、心は、すっかり性悪説に、取り憑かれていた。

だけど、青空の下を走るバスの中で、袋の中身を見た時に、自分の心が、ぐにゃりと揺らぐ音を聞いたのだ。何かが自分の中で、変わった瞬間だった。

 

PROGRESSでは、みんな温かくて、親切で、まるで夢心地の世界だ。

でも現実は違う。

ずっとそう思ってた。

 

だけど、私は今、ふと立ち止まっている。

それは、果たして本当なのだろうか?

こちらが現実で、向こう側が夢の世界って、誰が決めたんだろう?

それを決めるのは、自分の心じゃないかって。

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人の心の本質は愛だ、と、冒頭の彼は話してくれた。

こんな世知辛い世の中だからこそ、本当は皆、他者に温かい気持ちを送り、親切にする機会を求めているんじゃないかって。

 

少し前、夢の中で、私はこんな風に気が付いた。

「あぁ、私達は、中田さんの思い描く世界の、登場人物の一人一人なんだな」って。

 

私たちの旅はまだまだ続く。

たくさんのことがこれからも待ち受けていて、私たちは、それを一つ一つ乗り越えていくんだろう。今までもそうだったように。手と手を取って。

 

PROGRESS、前進すること、進歩すること、向上すること、そして成長すること。

これからも、皆さんと共に。

ありがとう。

執筆者 | 21/10/14 (木) | コラム


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