食の神様 外宮さんのこと
こんにちは。フラーシア所属の、上村静香と申します。
今日のホームルームは食のお話で、とてもわくわくしながら拝見しました。それで、私の住む三重県にある、伊勢神宮・外宮(げくう)のことを紹介したいな、と思いましたので、初めてコラムを書きます。
どうして紹介したいかというと、「神様のお食事を作る」という神事があって、それが1500年以上、毎日欠かさず続けられているからなんです。
伊勢神宮は正式にはただ「神宮」と言って、内宮(ないくう)と外宮(げくう)の2つのお宮の総称です。
このうち内宮は天照大御神(あまてらすおおみかみ)をおまつりしており、その前には飲食店や土産物店が並ぶ、おはらい町があります。赤福本店があるのはおはらい町で、テレビ等でよく取り上げられるのは内宮の方です。
一方外宮は豊受大御神(とようけのおおみかみ)をおまつりしていて、内宮ほど有名ではないのですが、私たち地元民からは「げくさん」「げくうさん」と呼ばれ、親しまれています。
実はこの豊受大御神が、食の神様なんです。天照さんが先に伊勢に来られて、天照さんのお食事をつかさどる神様として、天照さんが豊受さんをお呼びになったのが、外宮さんの由来です。
外宮さんの神域には御饌殿(みけでん)という場所があり、そこで毎日、天照さんをはじめとした神様たちのお食事が作られます。
材料は、神宮御園(じんぐうみその)と呼ばれる神宮の畑で採れたお米や野菜や果物、伊勢志摩の各所で採られた海産物などが使われます。お塩も神宮で作っているんですよ。
お食事は朝と夕方の2回。古来の道具で火を起こすところからはじめて、調理し、運ぶ。この神事を「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」と言って、神宮の神事の中でも一番回数の多い神事となっています。
神様のお食事作りは、1500年以上、毎日欠かさず行われています。嵐が来ても、戦のさなかでも、変わらず毎日2回、朝と夕方に。
淡々と、丁寧に作られる、日々の食事。それが神宮の大切な神事になっていることと、日本の作法「いただきます」「ごちそうさま」は、つながっていると感じます。
外宮さんはなにも言わないけれど、その行為自体が、心を打ちませんか?
カール・フォン・リンネのお食事版、どうなるかな。外宮さんのお膝元から、応援しています。