もう10年前近くになりますがアメリカに1年ほど滞在した後、帰国前に南米のペルー、アルゼンチンを一人旅しました。昨日今日のHRのお話や廊下でのやり取りを見ていて、ペルーのストライキの日に出会ったアメリカ人女性のことを思い出しました。
大分前の話だし、1年しかいなかったアメリカについて多くを知るわけではないのであくまでも私の体験と感じたことなのですが、考えを整理するためにもその時の話をコラムに投稿させていただきたいと思います。
カルチャーショック連続のペルーの旅
ペルーは以前からとても行きたかった国でインカで少しだけスペイン語を学んでからバスを乗り継ぎドミトリーに泊り歩いたバックパッカーの旅の途中。プーノの街に滞在していた時のこと。チチカカ湖の島への1日観光ツアーに申し込みをしていたのですが、前夜になって急に「明日はストライキで全てが休みになります」と伝えられました。
休みになるって本当に全部で、交通、お店、観光ツアーまで全部が一日クローズ。旅の予定もあるので抗議したいところだったのですが、ツアー会社の人からも「これがペルーです」と言われて納得するしかなく。。。旅中飛行機や高速バスとか遅れるどころか動かないこともたびたびだったので慣れてもきていました。
その日の朝、バスなども全て運行していない大通りでローカルの方たちが始めたことはなんとネットを道の真ん中に張ってバレーボール。
何てのんきな人達なんだろう・・・と驚いたのと同時に何かこういうのも悪くないなあと思わされました。
そんな中、一人旅中のアメリカ人中年女性に出会い一日やることがない私達はホテルでお茶をしながら色々話をして暇つぶしをしました。
アメリカ人女性との話
お名前も忘れてしまったのですが、当時50代初めくらいの人当たりの良い白人女性でした。色々お話をする中で、ペルーの旅でびっくりしたラティーノの国民性の話になり、(ドミトリーでは明け方まで大騒ぎだったり深夜バスで夜中大音量で皆歌っていたり。。)その流れでアジア系、ラテン系など人種の話になったところ。
その方は相手が一人旅日本人女子だったこともあってか、「人種の話はしてはいけないのは分かっているの、でも本音ではね…」
「黒人とか白人とか口に出してはいけないのだけど、やっぱり黒人は気性が荒い人が多いと思う。それは私の経験で感じたことで、私は自分の娘は黒人とは結婚してほしくない」と率直に語ってくれました。
グループの傾向と人間を分類分けすることへの注意
なるほど。。と思ってその話は終わったのですが、その後またやっちまったなあと反省しました。そういう話題自体本当はしてはいけなかった。
というのも、アメリカでは人種の話はたとえ悪意がなかろうがポジティブな内容でもタブーで、無知な私は最初の頃平気で軽口をしてしまい、何度かたしなめられたのでした。
その時お話した方はとても親切で優しい方でした。普段はその手の話題は絶対にしないのだと思います。
多分皆、人種や国によって性格に傾向があることは承知でそれを分類分けして特徴を言語化することは楽しいし盛り上がります。きっと普段抱えているフラストレーションが分類分けすることでシンプルになって納得感があるからなのかな、と。
白人とか黒人とか、アメリカ人とか、アジア系とかラティーノとか日本人とか中国人とかデータ上で傾向分けは絶対にできると思うのですが、他民族国家でマイノリティへの差別の歴史のあるアメリカではたくさんの人がその分類分けに傷つき声を上げ続けた結果、話をしないことに違和感は感じる人はいてもその手の話題はタブーな雰囲気になったのがその当時(今はもっと変わっていると思います)
昨日今日のお話を聞いていてジェンダーの話もそれに近くて、今は過渡期なのかなと思いました。
分からなくても知る努力をすることが大事
マジョリティとして生きていると知らずにいることが多く、日本で暮らしていると日本人であることがマジョリティすぎて人種差別を実感することがないので悪気なく良かれと思って面白おかしく人種の話をしてしまうこともありますが今は私達もそれはいけないことだということが少しずつ浸透してきている気がします。
それと同じようにジェンダーやその他いろいろな多様性というものについて、知らない自分を自覚してひとつひとつ学び知る努力をすることしかないのかな、と思いました。
シンプルでわかりやすいことも大切ですが、人間って複雑で全然分かりやすくないんですよね。。難しいけど向き合い続けるしかないのですね。
マイノリティが口をつぐんで我慢をするのではなく、このようなことが話題にあがるPGは本当に学びのあるコミュニティだと思います。