みなさんこんにちは。
2020年6月入会、アリスカーナ所属の野中まさし(じゃんす)と申します。
今日のホームルームのお話しを聞いて、
10年以上前ですが、北京でバー経営に挑戦したことを思い出してワクワクしました。
いろいろ大変でしたが、つまるところ「コンセプト」と「価格戦略」が大事と思いました。
当時の経験を3つのフェーズに分けてお話させていただきます。
第1フェーズ(失敗) 勢いのみで始める
コンセプト 「なし」
価格戦略 「なし」
→失敗
当時2006年頃でしたが、五輪や万博を控えた中国はイケイケムードで、世界からも一攫千金を狙う若者が集まっていました。僕は普通の会社員でしたが、周囲がそんな雰囲気だと「バスに乗り遅れるな」的な気分になり、数ある投資話のひとつ「小規模飲食店経営」に乗りました。
仲が良い華僑の友達からの誘いだったので、その友達と何かやってみたいという気持ちも大きかったです。
スナックが売りに出されいたので、居抜きで始めました。
業務形態も特に定めず、小規模飲食店でした。
勢いで始めたので、すぐに行き詰りました。
第二フェーズ(失敗) ロシア人襲来
コンセプト 「みんなでわいわい」
価格戦略 「定額制」
→失敗
第一フェーズで失敗しながらも、団体客は利益率が高いというデータは取れました。
なので、コンセプトを「みんなでわいわい」にして、入場料128元(1500円くらい)の定額制にしました。
日本に一時帰国した時に、ファミレスに行きました。
「ドリンクバーはまだ中国で普及してないな、、」と気づき導入しようと決めました。
さらに、お酒で導入しようと思い、自分でカクテルが作れるように、ウォッカ、ジン、カンパリ等の酒類と割るためのジュース類を逆さに設置しました。バーテンダーを雇えていなかったので、これはいいアイデアだと思いました。
客数は一気に増えました。
でもなぜか赤字です。ウォッカの購入量が異様に多いことに気づきます。
そういえば、最近はロシア人の団体客が多い。
そして、ロシア人はウォッカを割らずにそのまま飲みます。しかも強い。
ロシア人コミュニティで「あの店、ウォッカ飲み放題だぞ」と広まったようです。
この案も失敗しました。
この頃長男が生まれたばかりで、日本にいる妻子に毎月仕送りをしていました。
本業の給料は店の従業員の給料と、妻子への送金でほぼ消えました。
しかも毎月カラオケ設備が故障したり、何かしらの想定外出費がありました。
常に、自転車操業でショートするかのぎりぎりで結構追い込まれました。
第三フェーズ(成功)天空の城
コンセプト 「天空の城」
価格戦略 「高価格」
→成功
このフェーズでお店の強みを真剣に考えました。
高層ビルの上層階にあり、夜景が見えることをもっと強調しようと思い「天空の城」というコンセプトにしました。運よく優秀なバーテンダーが来てくれることになったので、業態をバーにしました。
店内の環境もコンセプトに応じて一気に変えました。
夜景を強調するために、入口から天井から床まで隠れるベルベットカーテンを設置しました。店内には縦長の大きな水槽を設置しました。
店内に入り、暗いルートを抜けると、一気に素晴らしい夜景と、そこを泳ぐ綺麗な魚たちが見られるという演出です。
ただし、水槽は1万元(13万円くらい)で購入したものの、イメージでは床下から天井まで広がる予定が、半分は設備であまり見栄えがしませんでした。さらに、メンテナンスがとっても大変なので、撤去することにしました。
それでもベルベットカーテンと夜景で十分コンセプトは実現できました。
2008年8月8日、北京オリンピックの開会式でした。
この日だけは、店をフルオープンにしてパブリックビューイングをしました。
世界中の人々が自分の店に集って、開会式を観ている光景を観るのは非常に感慨深いものがありました。
その後帰国が決まり、店は清算しました。
+10万円くらいでほぼトントンでした。自分が費やした時間を考えると赤字ですが、その後ビジネススクールに入ったときに、本業よりもこの経験の方が評価されたので、人生何がプラスに働くかはわからないなと思いました。
また、今年の2月くらいにこの内容で配信をしました。
https://www.facebook.com/jiangsi.nonaka/videos/3943605668985180
当時、メンバーの伊藤 郁磨さん(いっくん)がCARESSを、米澤研二さん(へいちょー)がラーメン屋を開店するための挑戦を始めたころで、応援したいと思い配信しました。
いまやCARESSはPROGRESSメンバーに大人気ですし、へいちょーさんのお店オープンも目前です。これからも応援していきたいです。
思い出話にお付き合いいただきありがとうございました。
@PROGRESSnonaka