(注:この記事はネタバレを含みます。)
今日は、あっちゃんが最近のHRでPROGRESSのメンバーに観るように勧めている韓国ドラマの「イカゲーム」についてコラムを書きたいと思います。
現在世界中を席捲している問題作の「イカゲーム」ですが、私はエピソード1の全話を観ました。最初はあまりにも残酷で凄惨な映像に若干の拒否反応を覚えましたが、好奇心が勝って再度観始めると、そのまま勢いで最後まで観ることができました。
ざっくりあらすじを紹介しますと、謎の集団が韓国中で借金苦にあえいでいる人々を集めて命懸けのゲームをさせ、生き残った者に脱落した参加者1人当たり1億ウォンの賞金を与えるというものです。456人の参加者がいたので、勝者は455億ウォン(約44億円)を手に入れられるという訳です。
ただの仁義なき殺し合いのドラマかと思いきや、参加者の中には自分の命を気に入ったほかの参加者に譲ろうとする者も現れます。主人公は、イカゲームに参加する前にお金を奪われたスリの女性とイカゲームで出くわし、無論最初はギスギスした関係になるのですが、ゲームを一緒にクリアしていきながら理解し合うようになり、最後の方には主人公は女性の命を助けようとします。
人は重い借金を抱えると、他人の命を奪ってまでお金を得ようとするものなのか、それとも、人はそのような極限状態の中で、誰かのために自分の命を犠牲にできるのか、という大きな命題がこのドラマには込められています。
私も今年、投資詐欺の被害に遭ったので、登場人物の立場が他人事とは思えませんでした。
また、このドラマには、もう一つの大切な伏線が込められています。それは、高齢者の存在の価値について社会に問うているということです。
イカゲームには、謎のおじいちゃんが登場します。このおじいちゃんは、自分が脳腫瘍があるので、認知症になっていると主人公に打ち明けます。そして、途中のゲームで主人公と一対一で対決する時に、ビー玉の数が偶数か奇数か当てる時、自分がどちらを言ったか分からなくなったフリをします。主人公はおじいちゃんを騙して勝とうとしますが、おじいちゃんのビー玉が残り1個になった時に、1個対19個で一発勝負しようとおじいちゃんに持ち掛けられますが、主人公は「それはずるい」と言います。おじいちゃんはその時、主人公に、「では私に嘘をついたのはずるくないのかね?」と尋ねます。認知症のおじいちゃんを騙して勝ち残ろうとした主人公は、良心の呵責に襲われます。
結局、おじいちゃんはイカゲームの最高統率者であったことが後に判明するのですが、亡くなる直前に勝ち残った主人公を呼び、みんなで子供の頃の遊びができて楽しかったと言います。そして、貧しい者と裕福な者との共通点は、両方共が楽しくないということだという名言を遺してこの世を去ります。
このおじいちゃんが黒幕だと知った後にもう一度このドラマを見返すと、おじいちゃんはそれぞれの場面でどうしてそれぞれの決断をしたのか、色々考えさせられて面白いです。
世代間の断絶と貧富の差という社会問題を織り交ぜたストーリーには、深みを感じました。(私は無謀にも朝のHRの時間の前に最終話を我慢できずに観て、号泣してしまったために、その日のHRではZoomに入れなくなってしまいました。)
しかし、このイカゲームは、世界中の子供たちに負の影響も及ぼしています。イギリスやベルギーなどでは、イカゲームの過激な遊びを真似したり、いじめを助長したりしているという社会問題が起きていて、自治体が子供たちの視聴を禁止するという事態になっています。
日本でも、小学生が観るのは不適切と考える保護者が多いですが、私の長男の小学校の友達や、私の英語の生徒の小学生の友達の中にも、観ている子もいると聞きました。私の長男も観たがったので、無下に禁止しても良くないのではと思って、観ることを禁止しませんでした。
私の判断が正しかったかどうかは分かりません。私は立派な親ではないし、正直不安です。少なくとも長男には、学校でイカゲームを観たという話を友達に余りしないように言ってあります。それを理由に友達の保護者が長男との交友を禁止することを恐れたからです。
YouTubeやTikTokでもイカゲームを取り扱ったパロディ動画が流行っているので、親子で一緒に観ることもあります。イカゲームは親子のコミュニケーションの要素の一つにもなっています。
かく言う私も、メタバースのSecond Lifeでイカゲームができると知り、久しぶりにSecond LifeのSIMで動画を撮影して編集してYouTubeに投稿しました。PROGRESSの皆さんにもご覧いただければ幸いです。