2021年12月13日のHRであっちゃんがゲームでたとえ話をしていたけど、失礼ながら「ゲームのことをわかってない」のがバレバレな感じ(笑)でしたので、そんなあっちゃんに最近のゲーム事情を知ってもらいたいと思って筆を執ってみました。
HRでのたとえ話を修正させていただくとすると、とこんな感じでしょうか?
中田敦彦はプラットフォームなのでプレイステーションみたいなもの。
藤森慎吾はソフトウェアなのでファイナルファンタジーみたいなもの。
スプラトゥーンはSwitchでしか遊べないので……。
僕自身はゲーム業界のプロでもなんでもなくて、あっちゃんと同様に20年くらいゲームから遠ざかっていた素人のおっさんなのですが、逆に最近のゲーム事情に追いつけ!とばかりに色々調べていたので、調査報告を兼ねてまとめたものです。間違っているところや不足があればツイッターなどでコメントいただけると幸いです。
修正:パズドラはガンホーでした。ミクシィが作ってるのはモンスト。めーさん(@PROGRESSme_)ありがとう!
今すぐはじめるなら?
結論ファースト。いますぐとりあえずやってみたいという方へ。というか隔離期間中で暇なあっちゃんへ。あまりゲームが得意でない人でも雰囲気を体験するためにおすすめのプランです。
Switchでスプラトゥーン2
予算4.5万円。
- Switch本体(Liteや有機ELモデルがあるけど、通常版がオススメ)
- スプラトゥーン2
- Switch Proコントローラ
あっちゃんがたまにつぶやくタイトルが「スプラトゥーン」なので(それしか知らない?)。操作の仕方もちゃんと最初にチュートリアルで教えてくれるので入りやすいかなーと。
激しいゲームはちょっとなぁという方は「あつまれどうぶつの森」を。
スマホでパズドラ
無料だし、本当に今すぐ始められます。ガチャやコラボなど、いまどきの課金市場を体験できるかと思います。オンラインXENOの課金モデルを思いついたりするかもしれません(笑)。(やったことないので無責任発言です★)
かわいいのが好きな方にはツムツムを。
プラットフォーム
狭義にはゲーム機本体(ハード/ハードウェア)のこと。昔でいうとファミコンやセガサターン。今もそういった「ゲーム専用機」はもちろん残っているけど、台数で言うと圧倒的に「スマートフォン」がブッちぎっているため単純なプレイ人口で言うとスマホゲームが優位。だけど市場規模はまだまだゲーム専用機の人気タイトルが圧倒的にデカイ。
実はハードの違いを吸収するゲームエンジンというものがあって、1つのゲームエンジンで開発すると(性能が許す限り)すべてのハードで動かすことができるので、人気タイトルはハードが違っても遊べることが多い。
また、1つのゲームタイトル内でミニゲームを作ったり、メタバースのような空間を作ったりできるものがあって、ゲームタイトルそのものがプラットフォームになってきている感もあり、昔ほど一言で「プラットフォームはこういうの」と括りにくくなっている。
プレイステーション (PS4 1.2億台/PS5 0.1億台)
今世界で一番売れているのがプレイステーション。デファクトスタンダード。20万円クラスのゲーミングPC並に高性能なグラフィックエンジンを搭載していて超キレイ(なぜこの値段で売れるのかマジでわからないと開発に関わっているソニーの友人が言ってた)。20年12月にPS5が出たけど、いまだに品薄でヨドバシでも抽選販売が継続中。
XBOX (XBOXOne0.5億台/XBox Series X/S 400万台)
マイクロソフトの専用機。プレイステーションと似たような世界観で、共通で遊べるタイトルも多い。
Windows
パソコンゲームと聞くとマニア向けなイメージだけど(実際にそうだけど)プラットフォームとしてはXBOXとほぼ同じ(Windowsでゲームを開こうとするとXBOXの文字が出てきます)。
プレステ、XBOX、Windowは世界観が近く、共通で遊べるタイトルも多い、1つの大きなグループのようなイメージ。(ただし、PSやXBOXのようなバリバリゲームで遊ぶには専用のグラフィックカードを積んだ「ゲーミングPC」が必要)
macも同様にゲームプラットフォームだけどゲーム専用機があるわけでもなく、メジャーではない感じです。
Nintendo Switch (0.9億台)
完全に独自路線を走っているのがSwitch。人気タイトルはほぼSwitch専用ソフト。ハードウェア性能を追求するよりも、みんなで楽しく遊べることがコンセプト。マリオ、ポケモン、スプラトゥーン、どうぶつの森などNintendo発のコンテンツが強すぎる。かわいいキャラが多いのもあって、女性や子供に人気。
出たての頃のプレステとセガサターンのコンセプトが今のプレステとSwitchと真逆で、当時はハード性能に走ったセガサターンが滅び、今はハード性能に走っているプレステが世界を席巻しているというのも興味深い現象。
スマホ(14億台/年 笑)
台数はぶっちぎり。もともと無料のプラットフォームなので無料ゲームが多く、アプリ内課金≒ガチャで回収しようとするビジネスモデルが主流。バリバリのアクションゲームは操作がしにくいので流行らないけどフォートナイトなど人気タイトルが動いたりもする。
昔はゲームボーイやPS Vitaといった「携帯ゲーム専用機」というのがあったけど、スマホの台頭で絶滅に追いやられた模様。
ゲームジャンル
どんなゲームで遊べるの?と調べたり聞いたりするのに知っておきたいのがゲームジャンル。用語解説してみます。
MMO RPG
Massively Multiplayer Online「超大人数オンライン」の略。昔はRPGといえばひとりで遊ぶものだったけど、オンラインの世界に入って世界中のプレイヤーと同時に冒険するゲーム。冒険して敵を倒して宝をゲットするだけでなく、集めたアイテムを売ったり、素材を集めてアイテムを作って売ったりと「市場」が出来上がっていて、リアルにオンラインの世界で「生活」している人もいる(生活費を稼いでいる)。すでに出来上がっているメタバース。
FPS/TPS
銃を片手にフィールドを歩いてプレイヤー同士で殺し合うゲーム。いわゆるEスポーツの世界で主流なのはこれ。字面だけ見ると野蛮なイメージだけど、スプラトゥーンもTPS。世界観次第ってこと。
FPS(First Person Shooting)とTPS(Third Person Shooting)は視点が違うだけで、やっていることは同じ。
クラフト
闘ったり競い合ったりするんじゃなくて、自分だけの世界をつくっていく箱庭系ゲーム。マインクラフトやどうぶつの森が人気。
パズル
スマホゲームの主流。1画面で、モノを動かしてクリアする。短時間で報酬と快感が得られる依存性の高いゲームジャンル(笑)
ガチャ
ランダムに手に入るアイテムを集めて、そのアイテムを多く持っているほど有利に進められるゲームの総称。ゲームジャンルとは違って課金モデルだけど「ガチャゲー」でひとくくりにされることが多い。きっと「おまけつきお菓子」みたいなものでメインのゲームよりガチャ要素が主体だからだと思う。
法規制されるほど依存性が高い。
個人的には否定的なのでコメントも否定的です。好きな人いたらすみません……。
人気タイトル
ファイナルファンタジー14
スクウェア・エニックス。ファイナルファンタジーシリーズの多くはひとりでプレイする昔ながらのRPGだけど、14はマルチプレイヤータイプ。「素材を集めてアイテムを作って売る」という生活できるゲームといえばとりあえずこれ。PS4/5、XBOX、Windowsで遊べる。
フォートナイト
エピックゲームズ。基本はTPSで、100人のプレイヤーが最後の一人になるまでマシンガンを片手に殺し合うバトルロイヤルゲーム。洋ゲー(海外のゲームのこと)の中では比較的キャラクタがかわいい。社会現象になっていて、いつもニュースを賑わすくらいプレイ人口が多い。自分で世界を作れるクラフト要素やメタバースのような遊び方もできて、米津玄師がオンラインライブを開催したことで有名に。
課金すると強くなるゲームが多い中、どれだけ課金しても一切プレイに影響しない(見た目が変わるだけ)という珍しいビジネスモデル。
マインクラフト
マイクロソフト。自分で世界を作るクラフト系の主力。自由度がむちゃくちゃ高い(らしい。すみませんやったことなくて)。ロブロックスという似たゲームが流行りつつあって、こっちはゲームそのものも作れるさらに自由度の高いゲーム。
スプラトゥーン
任天堂。Switchの人気ゲーム。マシンガンで殺し合う野蛮なTPSを、戦闘員をかわいいイカさんに、銃をインクのはいった水鉄砲に変えて外見をかわいくしただけで、中身は完全に殺し合い(笑)。女性や子供にも人気。1プレイが最長で5分程度とサクッと遊べるのも魅力。Switchの対戦ゲームと言うとスマッシュブラザーズのほうがユーザー数は多いと思うけど一般層の知名度はスプラトゥーンのほうが高いかも(キャラグッズも多く見かけるし)。
あつまれどうぶつの森
任天堂。Switchの人気ゲーム。無人島に家を建てて家具を並べて箱庭生活をする。素材やデザインを作って公開する。友達を呼んでパーティをする…。「なにもないから、なんでもできる」がコピーになるほど、本当に何も目的がない(クリア要素がない)かわいいだけのゲームなのに無限に時間を吸い取られる。
パズドラ/ツムツム
ガンホー/LINE+ディズニー。スマホ用パズルゲームの2大巨頭。パズドラはアイテムガチャが課金対象でないとクリアがしんどくなってくる感じ。ツムツムは短時間で多くプレイしたりキャラクタを手に入れたりするのに課金があるけど課金しないと遊べないという感じではないようです。(あまり詳しくない……)
ポケモンGO
ナイアンテック+任天堂。スマホで社会現象を起こしたゲームと言えばこれ。もともとはグーグルのスタートアップ。「ゲームばっかりやってないで外で遊んできなさい」といいたくなるところを「外に行きたくなるゲームを作ろう」という発想で始まった「Ingress」というゲームがベース。
ゲームと社会
ゲーム配信とEスポーツ
昔と今の大きな違いは「プロゲーマー」の存在。なんとか食っていますというレベルじゃなくて並のプロスポーツ選手より稼ぐ。日本のトッププレイヤーで年収1億。世界だと6億。平均400万。Youtubeの配信で稼いでいるイメージだけど、賞金の出る大会もあって、賞金総額100億なんていうとんでもない規模の大会も。
こうなってくるとなりたい人も増えるわけで、ゲーム専門学校にはゲームのやり方を教えるプロゲーマー養成学科があったりする。昔はゲーム学校といえば作る人を育てていたので時代の大変革を感じざるを得ない。
Eスポーツという言葉をよく聞くけど、サッカーゲームをしているということではなくて(そういうEスポーツもあるけど)、FPSで殺し合いをしていることが多い(笑)。
NFTとメタバース
授業でも「NFTやメタバースが来る!」とあったけど、ゲームの世界でははるか昔からすでにできあがっている(とひろゆきさんも主張してる)。NFTも「プラットフォームを問わず、世界共通で唯一性と所有権が担保できる」と言われているが、プラットフォームがあれば、NFTがやろうとしていることはかんたんにできる。NFTやメタバースの世界は、ゲーム業界が牽引しているってこと。
またこの「プラットフォームとして世界を獲る」ことが非常に強い戦略で、プレイヤー数トップクラスを誇るフォートナイトはGoogleとAppleにアプリ課金を理由に戦争を仕掛け、Google Playからは完全に独立し、iOSでは現在遊べなくなっている。立場が逆転しているってこと。
日本と世界
日本は人口が多いのでガラパゴス化しやすいのは他の業界でも言われていることだけど、そのガラパゴスの強みを活かせている珍しい業界。世界3大のプラットフォームの2つは日本発。
対してコンテンツはイニシアチブを執りきれている感じでもなく、世界のビッグタイトルはアメリカやヨーロッパ初のものも多い。
コンテンツがやや弱い日本にとって、プラットフォームの優位を脅かすスマホが脅威。とくに任天堂が何年か前に「スマホはやらない」と発言していて出遅れている感(任天堂は課金ゲームを否定している)。
大人と子供
破産するまでいくらでも課金できる大人と違って、資金は限られるが時間は無限にある子どもの世界では流行るゲームは微妙に違う。特に「Switchを買ってもらえるか否か」で1つの分断が、「スマホを持っているか」でもう1つの分断がある。Switchがある子供の間ではどうぶつの森とスプラトゥーンが圧倒的な人気で、スマホゲームだとフォートナイトが人気。
フォートナイトはいじめやかつあげ問題に発展しやすいようで、名指しで制限を促すプリントがまわってくることもあるんだとか。
昔は「学校でゲームなんて言語道断」と言われたけど、今は高校になると「Eスポーツ部」があるところも。
社会問題
ゲームがときどき事件の槍玉に挙げられるが、昔も今も、ゲームに限った特別な悪影響が…いう話はなくて、どれも「別にその話って、ゲームじゃなくても、他の遊びやSNSに置き換えても言えるのでは?」といったことが多いのは変わらない感じ(ボク個人の意見です)。
日本で法規制にまで発展しているのは、1つはガチャルールを規制する「景品表示法」。ガチャでしか手に入らないアイテムや、ガチャの当選率を誤認させるルールを規制。これは、そもそもガチャはギャンブルと同じように脳内麻薬が分泌されるため依存性が高いので、それ自体を規制しようという動きの一端。
もう1つは香川県の「ゲーム規制条例」で18歳未満は1日60分、時間を夜9時または10時までにしろというルール。20年4月に施行。特に罰則はなく実効性は無い。ネット民からは冷ややかに見られている。
おまけ
廊下やラウンジで「ゲームやってます!」というと、「僕も私もやってます。いっしょにやりましょう!」ということが時々あります。けど、時々しか無いのが意外というのが正直なところ。もっとユーザーいますよね?隠れてこっそりやってるんですか? もっとオープンに一緒に遊べる感じになったらいいなーと思います。