- はじめに
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『「キミが歌手になってみたいとか、絵描きをやってみたい」とか何を言うかわからないけど、パパは絶対にそれを否定しない。キミは歌手はなれないとか、絵描きにはなれないとか、僕は絶対に言うつもりはない。だけどなれるかどうかはすごく厳しい世界だってことは確か。だからチャレンジをした上でこれは厳しい仕事のやり方、これは誰もが狙っているけれど難しい、ということを考えながらやるって言う事。大事なのはこれしかできないっていうことじゃなくて誰しもがどの職業を選ぶこともできるし、並行してやることもできるって言うこと。そして自分にどれが向いているのかっていうのを少しずつ見極めながら、自分のかける時間をバランス配分していくっていうことが大事なわけ。お金という大事なものを「獲得する力」を手に入れるっていうことがすごく大事なの』。
- 2021年7月入会の成田です。ビジネス系ライターをしています。1.20-22のHRで、中田さんが娘さんにお話しした「お金の話」をPGメンバーにもお披露目いただきました。とてもとても教養が蓄積されており、そして、娘さんとの洗練された会話に感動しました。
- これは、「活字にして整理して残したい」と思い、コラムとして掲載させていただきます(運営の皆さん、もしマズかったら消しますのでご指摘ください)。ここでは、勝手ながら、中田さん=パパ、娘さん=キミ、と表記しています。(サムネは、末永浩さんが購買部で販売されている「切り抜き」を購入し、ご本人了解のもと利用させていただきました)。
- 「労働」、「事業」、「投資」。お金の作り方はこの3つ
- 娘が「あつ森」をやっています。「集まれ動物の森」ですね。昨日こんなやりとりがあったんです。
キミ:あつ森にね、不思議な「カブ」があるのよ
パパ:あー「カブ」。それって野菜の「カブ」?
キミ:そうそう。でもそれね。買うとお金が増えるのよ。儲かるのよ。
パパ:ん???その「カブ」って、買ったらお金が儲かるってどういうこと?
キミ:例えば、100円とかで買って、違う曜日になると、500円とかで売れるの。それを10個とか かっておくと、凄い儲かると思わない?
パパ:それ野菜の「カブ」なの?
キミ:そうそう野菜の「カブ」なの。
パパ:それ、現実にもある株だよ。
キミ:あーそれ知ってる株価とかの「カブ」でしょ。
パパ:知ってんだ!
- お金の作り方は3つある
パパ: 質問します。お金の作り方っていうのがあるわけ。3つあるんだけど。なんだと思う。
キミ:1個目は「投資」!
パパ:投資から来た!でも最初にお金を欲しいなぁと思ったらみんな最初に何する?
キミ:アルバイト?
パパ:そうだよね。それが最初だと思う。思いつくのは、これは「労働」ってやつだね。これはお金を1時間働いたら1000円もらえるとか。そういうものだよね。それのもっといいやつが「正規雇用」。アルバイトじゃなくて、会社に就職して20万円/月もらえますとか30万円/月もらえますとかみたいなこと。アルバイトは週何回入れる?火水木入れます、みたいな。6時間入ったら時給千円換算で6000円。3日入れるから、3×6,000円=18,000円で、それが4週あるから72,000円/月が手に入るよね。週三回6時間ずつ働いたら。みたいなのがアルバイト。
一方、土日以外は朝から晩まで会社で働くので、30万円/月くださいとか。そういうのが就職=「正規雇用」みたいな感じ。まぁどちらにせよこれ「労働」ってやつ。 「労働」と株を買う「投資」。それ以外にもう1個あるんだけど、それ何だと思う?
キミ:モノを売るってやつ?虫を捕まえて売るみたいな。
パパ:それだよ!モノを作ったり取ったりしてそれを売るっていう行為。これが「商売」とか「事業」って言われるやつ。この「労働」、「事業」、「投資」っていうお金の作り方が世界にあるっていうこと。大切なのは日本の教育ではほとんどの人が『お金の作り方は「労働」しかない』と思っているところが問題なの。これが何で問題なのかっていうのを、パパ今から言うね。
キミ:うんうん。何で?
パパ:儲かり方が違うんです。「労働」が1番儲からないんです。その次は何かわかる?
その次は「事業」です。その次が「投資」なんです。じゃあ、なぜ儲かる「投資」をみんなができないのかも含めてこれから説明するね。
- 「労働」が一番儲からない理由
パパ:この前お年玉もらったじゃない。おばあちゃんから2000円もらったよね。で、君は折り紙を作るのが得意じゃない。鶴を折ったりして、学校に持っていったら、みんな喜んでくれたよね。それで、学園祭みたいなプチ学園祭で、それをみんなにプレゼントしたり、学校で配られたコインと交換するみたいなことやったじゃん。
キミ:そうそうそう。なんか商品を出してくださいって言われて。学校の学園祭のコインと交換して。自分で売ったコインを、他の人の商品を買うのに使えるっていう。そういう会だった。
パパ:そうそうそう。つまり君は鶴を売ったんだよ。じゃあここで調べたい。折り紙ワンセットいくらでしょう?
アマゾンで調べてみようよ。はい。60枚で600円。つまり1枚10円なんだよね。ここで面白いのは、この紙は、1枚10円で手に入るんだけど。これを君が折るでしょ。鶴にするでしょ。それでさぁ30円で売ったら儲かると思わない?
キミ:確かに!
パパ:10円で買って30円で売れば20円儲かるよね。しかもそれが何枚入ってる?これ60枚だよ。じゃぁ掛け算この前やったよね。60枚 ×儲けの20円=1200円儲かっちゃうんです。なんと折り紙を折るだけで、1200円もかちゃうんですよ。じゃあここで、弟に目をつけてみよう。自分で折るのが面倒になったときに、弟に折り方を教えるから、追ってこの場所で売ってよと。つまり君は学校という売る場所がある。そして、折り紙を欲しいって言っているも人いる。
折り紙を折るのを手伝ってくれたら、200円あげるよって言ったら弟がやるかやらないかって言うとやりそうじゃない?少なくとも、折るのは、30分とかできるかもしれないけど、売るのは3時間とかかかるかもしれないね。その売る時間面倒くさいなと。その間折っていればもっと売れるとしたら。売るのだけ手伝ってもらって、折るのは私やるからっていうよね。ここで立って、「鶴ありまーす」っていうだけ。そしたらどうなる?君はその間もっと鶴折れるわけ。にもかかわらず、得か損かでいうと、1000円(1200円-200円)得してんのよ。はいじゃあ鶴を取る商売を始めた君と、鶴を売るお手伝いをしている弟とは、どっちが儲かるでしょう?
キミ:私!
パパ:そうだよね。絶対に商売をやってる人の方が儲かるからお手伝いをしてもらってるんだよね。 儲かるよりも給料を払う事はありえないからね。で、お手伝いさんと、君が同じ儲けだったら雇わないよね。自分の方が儲かるから雇うんだよね。
「労働」と言うのは、お手伝いなんです。会社に就職するというのは、その商売をやっていている人のお手伝いグループなんです。お手伝いをやってる人はお手伝いをさせている人より儲からないのです。これが世界の仕組みです。まずこれをわかってください。
はい。じゃあ商売やったほうが得なのって思うよね。でもリスクがあるんだ。クラスに、昨日は60個売れた鶴は、みんなは翌日の買いたいかというと、急に飽きちゃって、昨日売れた鶴が、今日は全然売れなかったらどうなる?折り紙代600円とお手伝い代の200円=800円がまるまる損をするんです。つまり儲かる大きさは大きいけれど、損をする確率可能性もあるっていうのが、商売人なんですよ。
それでも、弟は必ず200円手に入れることができるんですよ。安定してますね。ということは、損をするぐらいなら、安定して200円が欲しい。そっちのほうが得じゃないかって今ちょっと思いました?
はい。じゃあこのお手伝いをしている労働の人の落とし穴ってなんだ?
キミ:給料が上がらないってこと?
パパ:いやそれはもちろんそうだよね。だけど、もっと大きな落とし穴があるよ。給料が上がらないのは、さっきいったように、お手伝いをしてしている人よりも儲からないっていうのに似てるよね。
そうじゃなくて、今言ってない落とし穴は何?
キミ:分かんないなあ・・・
パパ:じゃあシミュレーションして。昨日は売れたお折り紙が今日は売れなかった。でもお手伝い代を払った。じゃあ次の日にはお手伝いを雇うかなあ?
キミ:雇わない。売れなかったから。
パパ:そうだよね。これは確実に売れるって思ったから、お手伝いを雇ったても得がでると思った。だけど、売れるかどうか分からないんだったら、お手伝いを雇っている余裕は無いから、お手伝いさんにはバイバイして、自分で売り始めないか?
キミ:売り始める・・
パパ:そう。お手伝いをするって事はいつクビになるかってわからないってこと。自分が仕事を続けるか、続けないか。商売人は、選ぶことができるけど、労働者は誰かのタイミングで仕事を失うっていうリスクを持っているんです。安定しているように見えて、ものすごく不安定だと思わない?リスクですね、怖いですね。
キミ:それぞれの良さと悪さがあるってこと?
パパ:そのとおり。その通りだよ。労働者には労働者の良さ、そして悪さ。商売人には商売人の良さそして悪さがあるってこと。はい。ここまで来て、さっきの株の説明をしてない。そうだよね。パパ全然株についてしゃべってないよね。ここで行くよ。じゃあ、これだ。ここから面白いよ。
君が折り紙を折ったら、学校で売れるってなったとする。仕入値が600円で3倍で売る。1800円で売る。原価率3割だから儲けが1200円。1200円でのうち200円がバイト代の弟に払うから1000円儲かる。という商売をやろうとするわけだ。ところが、君の手持ちが今600円ないとしたら面白くない?
仮に、君が100円しか持ってないわけよ。でもあと500円あれば1000円入ってくるんですってなったときに、パパが500円あげるからそれやってみればとなったときに、パパの500円を上げるって言う行為、それが「投資」なんです。パパが500円あげるでしょ。そのかわり儲かったら、君は100円分、パパは500円分の儲け。つまり君の5倍もらうよって契約になるわけ。5倍出しているから。
それでもやった方が良くない?なんでかって言うと、君は、商売をやるためのお金が足りないけれど、パパのお金をもらうことで、儲けることができる。パパに利益を渡したとしても得するよね。だったらお金もらって商売をやろう。これが出資を受けて商売をするってことなんだよ。
そして投資家はこれ何が得だと思う?どうして、自分で商売をしないかと思う?パパは君みたいな人を5人みつければ言いわけ。私は折り紙売ります、私は料理を作ります。私は手品をします手品を見せたら人からいくら儲かるから家から手品グッズを買いたいです。
じゃぁ手品グッズを買うお金をあげるので手品をして儲かったら何割かください。料理を作る食材を買うお金をあげるので、料理を売って儲かったら何割くださいということになっていけば、パパはたくさんの人を応援して儲かるから。1人で商売やると大変でしょ。折り紙を作んなきゃいけないから。でも、折り紙を作っている時間、他の商売を応援できるから、私はさらに儲けることができるんです。しかも商売をやる人にどれぐらい出資するかでもっと儲けることができることができますよね。パーセンテージの割合ですから。でもパパのリスク何?
キミ:儲からないこと?
パパ:そう!君が生の折り紙が売れなかった日、パパは1番損をします。 1番損をしてるのが折り紙代を出したパパ。損をしたのは時間を使った君。損をしなかったのはお手伝い代をもらった弟。だけど弟は翌日にはクビになります。この3つ。1番儲かるのは「投資家」。次は「商売人」。その次は「労働者」って言う図式なんだ.
- お金、時間、アイデア。それぞれに必要なものが違う
パパ:全員がじゃあ良い投資家になると思う?
キミ:そうか!パパはお金をたくさん持ってなきゃいけないんだ!
パパ:その通り!投資家に必要なのはお金なんです。お金がないと投資はできないんです。その次。商売に必要なのはアイディアです。つまり、折り紙を売ったら儲かる。手品を見せたら儲かる。料理を作ったら儲かる。これらは、アイディアです。アイディアがないと商売を始められないんです。これをやったら儲かるなっていうのが見えてて、それを自分で買うか、買ってもらうかしなきゃいけないので、アイディアがないといけないです。
では、「労働者」に必要なものは?「時間」です。なぜかというと、半日いたらもらえる。半日頑張れば成果にかかわらずもらえるっていうことなんで時間です。アイデアがないのなら、まずは時間を使う。誰しもが持っているのは時間です。時間は、 最も貴重なものです。なのでなるべく時間を使わずにお金を儲けるには投資家になれなきゃいけない。投資家はすでにお金を持っているんですよね。
お金があるって言うスタート地点の人少ないので、まずは労働者をやるか商売をやるかなんですよ。パパがオススメなのはアイディアが浮かばないのであればまずは労働すること。そして労働をやっている合間にアイディアが浮かんだらちょっとずつ商売をやること。さっきの折り紙のミスというのは、折り紙を全部買って全部鶴にした大変だけどまずは1枚だけ鶴を折るのよ。
で、売ってみるわけ。でそれが30円で売れたら、次は40円で売ってみるとか。鶴が売れ売れないんだったら、残ってる59枚で違うものを折ってみるわけ。そして、 ちょっとずつ売って、これは売れるな。この額で売れるなとなったら、初めて折り紙をたくさん買って弟を呼ぶんです。それまでは1人でちょっとずつやるわけ。それまではパパのお手伝いして、お小遣いをもらって、折り紙を買うお金を集めて、それで折り紙を1枚ずつ買ってちょっとずつ始めてそれでうまくいくってなったらその時初めてアイディアが生まれる。
パパは吉本興業って言うところで労働者をしたわけです。そこでずっと自分の時間を売っていたわけ。ところがパパは吉本興業やめるよね。それはどうやって止めたかって言うとちょっとづつパパは少しずつ少しずつ自分のビジネスを始めたわけ。YouTube。オンラインサロン。物販。ちょっとずつ始めた。そして、それが給料を追い抜いた時にやめたんですパパは投資をちょっとずつやっています。今は商売が1番儲かってるでしょう。でもそれが逆転したときにパパは商売をしなくなってもいいんです。 そうなったらどうするか。好きなことができます。君はお金が欲しい?
キミ:私はまだ子供だからいらないかな。
パパ:確かにそういう考え方はある。でもお金のない人生っていうのはとっても大変なんです。何をするにもお金が大事だし。病気になっても。何かを食べる時にも。誰かを助けるのも。全部お金が必要だから。お金はすごく大事なの。そのお金の作り方っていうものが3種類あって、それは難しさにレベルの違いがある。そして必要なものも違って、少しずつ階段を上っていくって言う事さえ覚えておいてくれれば今日はいいから。もう遅いから寝よう。
【まとめ】
大事なのは労働者が良くないとか商売人が良くないとかと言うことじゃない。そうではなくて、誰しもそのフェーズによってできることが違うしやるべきことが違うし難しさも違うしリスクも違うと言うこと。
それぞれのフェーズがどういう風になってるのかを理解して自分を理解し、何をすべきかっていうを把握すること。それが分からないとひたすらバイト情報誌とかを見続けるって言うことになる。あなたのもっているリソースを活かせば、「労働」ではなく、「事業」ができるかもしれないのです。