風炉(ふろ)と炉(ろ)

執筆者 | 22/01/30 (日) | コラム

こんにちは!キャシーです。本日(1/30)のHRを聞いて、茶道の「”ふろ”と”ろ”」って何?」と思われた方もいらっしゃるかと思うので、簡単なお話を書いていこうと思います。

 あいかわらず、こんなこという人も居るんだなぁ、ぐらいに思っておいてくださいね。

風炉と炉とは

 風炉と炉は、いずれもお湯を沸かす釜を火にかけるために使用するものです。

 炉は、畳に備え付けられた囲炉裏で、11月から4月までの炉のお点前で使用されます。

 風炉は、畳に備え付けではない鉄製や土製の炉であり、初夏の5月から10月いっぱいまで使用されます。

 炉が寒い季節に部屋を温めようとしているのに対し、風炉は客から遠い位置に火元を持ってくることで、少しでも涼しくしようという思いなのですね。

(写真があればわかりやすかったのですが、手ごろなものが見つかりませんでした。申し訳ないです。)

型があるから型破り

 「コクーン歌舞伎」や「平成中村座」など、実に型破りな芸風で知られた18代目中村勘三郎さん。彼の一番有名な言葉が「型があるから型破り。型がなければ、それは形なし」というものです。

 もちろん、歌舞伎についてお話されたものですが、全ての学問や芸事に通ずるところがあるなあ、と思っています。

 伝統に守られた型はとても魅力的で奥深く、尊敬してしまいますよね。それらを学ばずになんとなく「これは無意味」「これはかっこよくない」と切り捨ててしまうと、何も分かってないやつに成りさがってしまいます。まずは、型を知るところから始めなければなりませんね。

 ただし、時代とともに価値観や倫理観は変容しますから、それに合わせた型破りも現れます。

茶道も時代とともに変わっている

 茶道も、時代に合わせてすこしづつ決まり事に変化が見られます。例えば、茶花(お茶席で飾るお花)にも「禁花」といい、茶席に相応しくないとされるものがありますが、これも時代によって変化しています。かつては、河骨(こうほね)は、根が人骨に似ているという理由で避けられていましたが、現在は使用しても構いません。身近に人骨を見る機会の少ない現代社会において、禁忌の理由がそぐわなくなったからだと考えられます。これもある種の型破りなのかもしれません。

 ただ、匂いの強い沈丁花(じんちょうげ)や毒のある深山樒(みやましきび)などは、いまも相応しくないとされています。なるほど、お茶の味わいを損なったり気分を下げるようなお花は飾れないわけで、これらは現代においても同じ感覚です。

 型を破るにしても、理由を知ってから対応することが肝要ですね。HRで話題に上がったJ-POP寿司屋が美味しく感じられないのは、こう言ったところに理由があるのかもと思いました。

まとめ

 さて、風炉と炉のお話に戻りますが、茶花のように今後時代が変化していくなかでその使用のあり方が変わることも十分ありうるわけです。

 年中温暖な気候のシンガポールで部屋を温める炉を使うのはいかがなものか、と思った時、後世に残る大イノベーションが起きるかもしれないですね!

ではまた・:*+.(( °ω° ))/.:+

執筆者 | 22/01/30 (日) | コラム


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