この手の調査が好きなので、勝手にフルーツ大福市場調査。
【2021】フルーツ大福お薦め8選!(https://aumo.jp/articles/1389304)に載ってるお店の運営会社を帝国データバンクで調べました。
企業概要のみなので1件500円。個人利用なので信用情報は手に入らず。
せっかくお金払ってデータとったので、シェアしたいと思います。
データがあったのは、『弁才天(愛知)』、『養老軒(岐阜)』、『仁々木(京都)』の3社。
ざっくり市場規模自体は30~40億円くらいでしょうか。
どことも「冷蔵販売」で賞味期限は、到着後当日か翌日までです。
おすすめサイト上で「冷凍販売」をしているのは1社『仁々木』だけ。
以下、詳細。
市場調査詳細
名称 | 設立 | 従業員数 | 資本金 | 売上高 | 当期純利益 |
弁才天 | 令和1年 | 10名 | 9百万 | 5.6億 | 1.5億 |
養老軒 | 昭和22年 | 35名 | 3百万 | 8.7億 | データ無 |
仁々木 | 平成22年 | 52名 | 1千万 | 13.6億 | 1.5千万 |
※売上高、当期純利益は令和3年度のもの
弁才天は、3年前に設立された会社。FCのロイヤルティー収入メインなんでしょうね。もしかすると直営店は本店だけかもしれませんね。FCの見本用に。従業員数も10名と少なく、当期純利益は1.5億円。ビジネスを売る今どきの会社の印象を受けました。
養老軒は、データがあるなかで最も老舗の昭和22年。デパートに出品しているので、店舗数の割に売上高の規模が8.7億円。利益情報無しですが、当期純利益で10%程度はあると予想。
仁々木は、滋賀県に製造工場を持つ、この中で一番大きな会社。唯一、冷凍販売の技術を持つ。
当期純利益率が1.1%と低調ですが、おそらくコロナで贈答品需要が減ったため。贈答品市場で固定費の大きいメーカーは軒並み同じような打撃を受けています。前年の令和2年決算は△7.4千万と比べれば回復の最中といったところ。
この中でどれを目指すかというと『弁才天』なんだろうけど、ブランディングの真っ向勝負になりそう。
でも売りに出されている和菓子屋は、養老軒や仁々木の系統なんだろうなぁ。
それにしても、あっちゃんの嗅覚すごいね。
数ある中で、弁才天を見逃さないとは。
それとこんな記事も
「ホットペッパーグルメ外食総研」の『今後食べてみたいおやつ以上食事未満の軽食』アンケート調査(2021年6月18日)
1位は「フルーツ大福」45.5%
2位が「マリトッツォ」45.2%
3位が「フルーツサンド」43.0%
https://lab.kutikomi.com/news/2021/06/18/rikuru-to-ga-kon/
こわっ!こわっ!!
何このトレンド嗅覚。
感想
けっこう先行企業が足場固めし終わった感じ。贈答品市場っぽいから市場の急拡大もあまりないのかなぁ。ブランディング戦略をどう打ち出せるか。
それと気になったのが、どこも海外に出してませんね。
冷凍もやってないし。難しいのかな。
贈答品なんだし、シンガポールの富裕層向けに輸出した方が売上取れそうなのにね。
シンガポールの後も、マレーシア、フィリピンとこれから市場育ってくるし。
東南アジアで当ててから、『南国フルーツ大福』とかいって逆輸入されないかな。
僕が住んでいる京都の宇治市でも、地元じゃ誰も知らない茶メーカーを、アメリカ向けの茶葉輸出会社に再生してました。
海外に売るんだったら、輸出の仕組みを作れば手離れよさそうだしね。
考え得る「あっちゃんの失敗シナリオ」としては
①あっちゃんの宣伝効果に生産体制が追い付かない
②あっちゃんの宣伝に依存しすぎてて、事業売却後も宣伝しなければならない
があるかなぁ。
まぁ、売れてさえいれば何かしら解決できるだろうけど。
徒然、思いつくままに書いてしまいました。
昨今じゃビジネスデザイナーなんて肩書もでてきました。
糸井さんじゃないけど、ビジネスもアートです!
ここまで、読んでくださった方ありがとうございました!
おまけ 会社の数字の見方
①利益の見方
会社は普通、原価、人件費、家賃、経費の4つを日々支払っています。
売上からこの4つを引いたものが、営業利益です。
この営業利益の中から、借入利息と税金を支払います。
これが、純利益(税引後当期純利益)です。
この純利益(あれば減価償却費も足す)の中から借入の返済をします。
純利益が黒字でも、返済額に満たないと黒字倒産します。
②利益率の見方
普通のお店屋さんで、営業利益率10%は優秀です。
ここから利息と税金を差し引いた純利益率は、単純に5%と思っといて大丈夫です。
傾向として、大企業になればなるほど利益率は落ちていきます(固定費の割合が上がるから)、逆に中小企業の利益率が20%を超えても、まぁ不思議ではありません。
まぁ、10%いかなくても中小企業で営業利益が黒字なら、だいぶ頑張っていると思います。
③従業員数の見方
従業員1名で年間売上高1000万、年間営業利益100万、これで営業利益率10%の優良企業になります。
なので、従業員10名なら年間売上1億、営業利益1000万、純利益500万。
これで毎年500万返済できるので、債務金額と見比べて何年で返済できるのか考える。
返済原資が足りない場合、リストラしなくてはならない。
人数を減らしても売上が維持できるとするなら、1名あたり人件費は400万(社会保険等含む)
1名減らせば営業利益は400万増える、税金も増えるので純利益は200万増える。
これで500万+200万で700万の返済原資確保。
④純資産のマイナスとは
中小企業で金になる資産なんて不動産のみ。
決算書に載るのは、工場用地の土地しかないと思う。(担保の住宅は決算書には載らない)
つまり純資産マイナスとは、土地売っても借金が残るということ。
ならば誰かに事業を肩代わりしてもらえるなら、担保の住宅は守れる。
なので1円で売るケースもある。
例え純資産マイナスでも、販売方法変えるか、コストカットして返済原資確保できるなら全然問題ない。
マイナス1~3千万だったら、しっかり利益出せば3年くらいでプラスに転じる。
プラスになったら廃業して土地売ると手元に資金が残る。
そこまで頑張る気力がなくなったんだろうなぁ…。残念。
以上、おまけでした。
詳細資料がないとき、こんな感じの物差しでざっくり考えています。
業種業態関係なく、ひとまずこの指標に当てはめてみて、ここから大きく数値が外れていたら、なんでだろう?と考えたり、儲かる業界なんだなぁと感心したりします。
今回、弁才天は高収益体質を実現しているのがわかって面白かったです。
【筆者略歴】
大学、大学院と会計学専攻
一部上場メーカー、ITベンチャーの財務・経理を15年経験
妻が経営する会社の財務担当としてお金のことばかり考える日々。