竹村公太郎氏
“地形と気象“で解く!日本の都市誕生の謎–歴史地形学への招待–
「バカの壁」著者である、養老孟司先生のYouTubeで紹介されいたのがキッカケで読み始めました。
著者の竹村公太郎氏は、生活を支えるインフラ関係の仕事に従事していた経験から、学校の授業で学んだ歴史を「地形」という視座から考察しています。
著者曰く、インフラは地形を活かして構築されるとのこと。
地形を上手く利用したインフラを構築した例として、豊臣秀吉が挙げられます。
豊臣秀吉時代に原型が造られた太閤下水は、令和の現在でも大阪府の下水道として実際に運用され続けています。
本書では、桓武天皇や徳川家康が“なぜ”遷都したのかについて等考察しています。
例えば、徳川家康は征夷大将軍に任命されてから天下統一を急ぐのではなく、当時、湿地帯であった江戸の発展に取り組んだのかという章です。武力による天下統一を急ぐのではなく、自らを支える地盤作りを優先したことが印象的でした。
私は、今の東京の姿を想像していたため、江戸が手付かずの湿地帯だったと知り驚きました。歴史は現在の姿からでなく、過去の背景を踏まえて解釈しなければ真の姿が見えてこないと感じました。