今、ダニエル・カーネマン氏の「ファスト&スロー」を読んでいます。著者はノーベル経済学賞を受賞した認知心理学者です。
私は、なぜ心理学者がノーベル経済学賞を?と思いました。それは、心理学者であるからこそ経済学を新しく見ることができたと言えます。古典経済学が仮定してきた合理的経済人なんて心理学者からしたらいなかったのです。人間について観察していくと目先のことに一喜一憂して非合理的なことをよく知っていたからこそ、経済学に別の視座を与えました。
私は現在、下巻の100ページ程まで読みすすめています。その中で、システム1とシステム2の働きで意思決定なされるという部分が面白かったです。
システム1は直感に頼り認知的バイアスがかかりやすいが迅速に判断を進められる。日常生活のほとんどはシステム1のみを稼働させていれば成り立ちます。
システム2はシステム1の判断が危険だと思うと熟慮して検討します。慎重な判断を要する時にはシステム2の決定が必要になります。
意思決定の流れとしてはシステム1→システム2の順番です。システム2は怠け者でありあまり働かないため、日常生活のほとんどはシステム1のみで判断しています。
ここが人間が愚かな意思決定を犯すポイントだと言えます。
重要な意思決定のタイミングでもまずはシステム1が判断します。システム1はバイアスがかかりやすいため、物事を自分の好きなように解釈して判断を進めて誤りを犯します。その時、怠け者のシステム2が機能しないことにより、慎重な判断を下していないのに結論を出してまいます。
このように、自分の意思決定について無意識に気付かされてくれる本を読んでいることが本当に楽しいです。
下巻は残り約200ページ程あるので楽しんで読みすすめたいです。