突然のお別れから半年、父のお店を再開する事にしました

執筆者 | 21/03/28 (日) | コラム

はじめまして。
フラーシアに所属しているコウヤマ マリエです。

この半年間で生活がガラッと変わってしまってなかなか参加できていませんが、PG学園祭のロゴを制作させていただいたり、不定期でBLITZ inspirationというファッションの配信をしています。

この度、色々悩みながらもタイトルの通りお店を再開しましたので、この半年を振り返り気持ちの整理をしてみる事にしました。

(ただの日記的なものなので、長文の割に全く内容がなくて申し訳ないです?)

突然のお別れ

祖父たちの年齢を考えると、なんとなく父ともあと20年くらいは一緒に過ごせると思っていましたが、その日は自分が考えていたよりずっと早く、しかも突然やってきました。

心筋梗塞で運ばれて30分。
死に目にも会えず、入院生活があったわけでもないので心の準備は一切なし。
しかも同日、母がショック性の心臓発作で倒れICUに運ばれてしまいました。

「落ち着いて聞いてください。今日お父様のことがあって大変だとは思いますが、お母様も非常に危険な状況でして。現在心臓が通常の1/10程度しか動いていません。」

先生が言葉を選んで話しているのが伝わってきました。
前日にはみんなで一緒に夕飯を食べて平和な日常だったのに、なんで突然こんな事に

 

 

 

どこに何があるの?権限がないから何もできない?!

今回困ったのが、両親2人同時に何も聞けない状態になってしまったこと。

まだずいぶん先、なんならずっと来ないと思い込んでいたので、お別れ後の事を両親ときちんと話した事がありませんでした。なかなか話題にしづらい内容ではありますが、しっかり話しておくべきだったと、とても後悔しています。

面会が制限されているため、ICU内の母には何がどこにあるのか聞くこともできず、実家に戻り両親のスマホから情報を探すところから始めました。

最初に困ったのが、父の扶養に入っていた母は、父が不在になった事により宙に浮いた状態になり、保険証が使えなくなったこと。もちろん本人は手続きに行けないし、同意書も書けないので切り替えができず、全額負担はなかなかの入院費になっていきました (※後ほど戻ってきます)。

言われたものを用意しては年金事務所と区役所を何度も行ったり来たり。区役所では「事情が事情ですので」と対応してくださいましたが、それ以外の手続きは、

「こちらはご本人様でないと
「こちらは奥様でないと

ばかりで、全然進まない!!!
ご本人様も奥様もできないから私がやっているのですが?

様々な書類を記入していく中で、死亡届は特に辛かったです。
でも、この作業を母がやらずに済んだのはよかったのかもしれません。

いつ誰に何があるか本当にわからないので、身近な人とは「こうなった時はこうしよう」としっかり決めて、どこに何を保管しているかを予め共有しておいた方がいいと思いました。

 

 

 

選択の連続…そんなに追い込まないで!

母が入院してしまったので、このままでは父の葬儀に参列できない

「お見送りもしてあげられないなんて、最低な妻だよね。」と涙ぐむ母を見て、退院して再会した時に全く違う姿になっていたら、この先一生引きずるのではないかと思うと、どうしてもきちんとお別れをさせてあげたかった。

そんな状況で日取りを決められないでいると「葬儀はいつですか?」と、たくさんの問い合わせが。
ありがたい事ですが、コロナ禍でどこまで人を集めていいのか?母の退院の目処は?

「決まり次第連絡します」と返答をしても、「決まりました?」「いつですか?」と次々追い込み(とその時は感じてしまった)の連絡がやってきます。

同時に決めなくてはならないことがあまりに多過ぎて「なんでもかんでも聞かれても私だってわからないってば!」と、イライラが募っていきました。

 

 

 

お見送り

葬儀屋さんに相談すると、想像していたよりずっと長い期間父が母の退院を待っていられること、母の入院する病院の目の前に葬儀場があることを教えてくれました。

母の担当医にその事を伝え、葬儀の時間だけ外出許可をもらえる最短の日程を出してもらい、ようやく色々な事が動き出しました。

おかげさまで、母も父と直接お別れをすることができ、今では数値も正常に戻り日常生活を送れるまで回復しました。

病院、警察署(※自宅で倒れたため)、火葬場、納骨と何度も辛いお別れが続きましたが、実家を訪れると今でも父がフラッと帰ってくるのではないかと思ってしまいます。
気持ちはあの日のままなのに、周囲の時間はどんどん流れて、自分だけが取り残されていく感じがします。

 

 

 

父のお店

ずっと紳士服業界にいた父が、会社を辞め第二の人生に選んだのがカフェでした。
今年で10年を迎えるのですが、母は父との思い出のこの場所を残したいようでした。

しかし、私は飲食業界のことが全くわからないので「バリスタを雇う?」「でもそれで続ける意味ある???」と、とても悩みました。

開業を手伝ってくれた父の友人に大阪に相談に行ったり(※外出自粛要請前)、可能な範囲でカフェを巡ったりしながら、どうしたら一番良いのかじっくり考えました。

お店はそのままになっていたので、はじめは辛くて中に入る事ができませんでした。
徐々に掃除と片付けをはじめ、日々ひとりお店で過ごしていると、オープンした時のことや、毎日コーヒーを淹れてくれた父の姿が思い出され「この場所が無くなってしまうのはあまりにも寂しすぎる」と涙が出ました。

そこから、少しずつコーヒーを淹れてみたり、でもやっぱり「接客はしたくないなぁ」と悩んだりしながら(笑)、いつの日か「やってみようかな」と思うようになっていきました。

 

 

 

お店再開へ

はじめは、これまでやっていたデザインの仕事をどうするか考えたりもしました。

いつでも父が一番応援してくれていたし、それを諦めてまでお店を続けても喜んでくれないような気がして。
(これまでメンズ商品を手がけたことがなかったので、BLITZのシャツが出来上がるのを紳士服業界にいた父は心待ちにしてくれていました。ギリギリ手渡せなかったのも心残り?)

そんな時、中田さんが「ひとつの仕事だけに依存しない方がいい」「色々試してみればいい」とお話しされていたのを聞いて「状況に応じて色々やってみればいいか?」と思えるようになったのが今回決断するひとつのきっかけになりました。

とはいえ、夢に向かって新しいスタートを切る方が多い中、私の場合は悲しいお別れによる決断なので、「おめでとう」と言われるとありがたい反面ちょっぴり複雑な気持ちになったり、父の十年来のお客様に自分のコーヒーを出さなければならないプレッシャー、外食が厳しい状況の中で飲食店を再開させることへの不安、母の体調の心配など正直、希望いっぱいの明るいスタートとは違うかもしれません。

また、父の創り上げたお店を完全に再現するのは不可能なので、メニューも営業時間もかなり減らして、自分のできることから少しずつやっていくしかないと思っています。

 

 

 

さいごに

なんだかまとまりのないよくわからない文章になってしまいましたが、父との思い出の場所を残せるようにやってみますというお話でした。

初めてのことばかりで、ここまであっという間に半年も経っていました。法務局と区役所に一体何回行ったんだろう
気分の浮き沈みが激しく、何も手につかない日も多かったのでとても時間がかかってしまいましたが、ようやく手続きが終わり、お店を再開できるようになりました。

ここ数ヶ月、ひたすら作っては飲んでを繰り返し、豆の量や抽出時間を探りながら練習をしてきましたが…まだ自信がなかったので再オープンの告知などは一切しませんでした。

にもかかわらず、再開初日に遊びにきてくださるメンバーさんがいたり、お花やメッセージが届いたり、とても驚いたと同時に感謝で涙が出ました。

社交的でない自分には接客業はかなり苦手分野ですが、細々とがんばってみようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

✨✨Special Thanks!✨✨✨

【大混乱時に連絡を取り続けてくださった】
今栄 健さん
平見 愛弓さん
Masako Hashimotoさん

【コーヒーの基礎を教えてくださった】
Atsushi Ishimaruさん
Junichi Masudaさん

【珈琲豆について教えてくれたり、専門店に連れていってださった】
ヤギシタ ヨシカズさん

【エスプレッソマシンの使い方、ラテの淹れ方を教えてくださった】
滑川 源さん

【一緒に練習したり、前向きな刺激をくださった】
伊藤 郁磨さん
ひろせ ゆみさん

【父の生前たくさん遊びに来てくださった】
大竹 将義さん(8BOYZ)
小原 匡博さん
久藤 瞬さん
上新 淳史さん(8BOYZ)

【ご自身の経験をシェアして寄り添ってくださった】
池本 幸大郎さん
岡本 裕樹さん
久郷 裕子さん

【父の葬儀にお花をくださった】
今栄 健さん
大竹 将義さん
久郷 裕子さん
久藤 瞬さん
くわはら まりほさん
佐藤 めぐみさん
上新 淳史さん
菅 茜さん
関谷 宗一朗さん
永野 剛さん
尾藤 朋美さん
平見 愛弓さん
古谷 浩子さん
ヤギシタ ヨシカズさん
安江 陽香さん
山崎 航平さん
ユーゴ ラブさん
吉田 慈さん
Ayano Ujiieさん
Junichi Masudaさん
Masako Hashimotoさん
Shota Sodenさん

【父に素敵なお花をくださった】
守田 矩子さん

【再開の日にお花をくださった】
遠藤 淳也さん
鈴木 喜代美さん
古谷 浩子さん
望月 和弘さん
望月 友子さん
Fuko Takeiさん

【再開の日に遊びに来てくださった】
今栄 健さん
大西 成美さん
佐藤 幸美さん
佐藤 めぐみさん
尾藤 朋美さん
森田 英介さん
ヤギシタ ヨシガズさん

それぞれ五十音順

執筆者 | 21/03/28 (日) | コラム


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