progressと私

執筆者 | 22/11/14 (月) | コラムコンテスト

この世界には2種類の人間しかいない。中田敦彦と、それ以外である。

日本一の漫才師を目指す場で武勇伝、演芸の場でPERFECT HUMAN、Tシャツは一万円。

“それ以外”の人は思う。彼はおかしい。

ただし”異物”と弾くか”異質”であると捉えるかが過渡期と言えよう。

私は後者であるが故に彼が眩しかった。

眩いが故に2018年の11月、彼が発足したコミュニティに入る事を拒んだ。

正直思っていた。何バーベキューしてんだって。なに皆と走ってんだって。マラソン始めた頃のF森さんをいじってたくせにって。

でも初めからわかっていた。あれもこれも実験だということ。彼に失敗はないということ。

我々の思う”失敗”とは彼にとってはデータとサンプル、経験値なのだということ。

私には外からでしか彼を観る勇気がなかったということ。

私はただ怖かったのだということ。

中田を真に追い続け入会した兵たちは、ギラギラと彼と同じ眼をして私を淘汰するのではないか。

ステージを降りた彼もまた”それ以外”となんら変わりないのだしたら落胆してしまうのではないか。

入会したそのとき私もまた”異物”だと思われるのではないか、と。

そんな私がprogressに入ったきっかけは妻の言葉である。

『あなた 何でそんなに好きなのに入らないの?
私はあっちゃんが苦手だけど凄いと思ってる。』

隠し切れぬほど余計なお世話で、大変失礼で、嘘のない言葉だった。

そして昨年度末、入学した私はこの世界の住人に出会って至極真っ当なことに気づかされることとなるのだった。

私のように怯えていた人。誰かを支えたい人。夢を追いかける人。自分を探している人。

たくさんの個性に囲まれた彼は誰よりも”それ以外”であり”それ”そのものであった。

ここでしか観られないドキュメンタリーを前に落胆する暇などあるだろうか。

あるはずはない。

彼を囲み、皆んなに大好きと言えるこの場所が私のprogressなのだから。

 


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