progressと私

執筆者 | 22/11/22 (火) | コラムコンテスト

「あなたが欲しいものは、これではないですか?」
「そうです。私はこれが欲しかったんです!」

そう喜ばれてお作りしたものを手渡せたときは本当に嬉しくて。

私は作家性というより商業的な特性が大きいタイプのグラフィックデザイナーでありイラストレーターです。
決まった作風はなく案件内容も多様で、そこに必要とされるテイストで成果物をつくるので、「This is me」を貫く作家に強い憧れを持つとともにそれがコンプレックスでもありました。

中田さんをもっと観たくてprogressに入学すると、たくさんのコンペがあり制作の機会がありました。
突如として足元のマラソンマシーンが作動しはじめ、中田さんに届きたい一心で走り始めました。

そんな中、HRのメンバーとのおしゃべりタイムで私のコンプレックスを吐露すると、中田さんは「どんな役でもこなすカメレオン俳優のように、いろんな色を持つ自身の特性を家本さんは貫いてください」と伝えてくれました。
とても救われました。

それからprogressでおなじ心のかたちをした沢山の仲間と出会うことができました。
自身の鏡として答えあわせをしながら、自分がもっていた火種がまだこんなにも燃えたのかと、肩を組みあい、目まぐるしくすくいあげることができた日々。

これまでクリエイションに携わる職業の方とまったく繋がらず、いつもひとりで決めて、ひとりで技術を研磨し過ごしてきました。
果てしない自問自答を繰り返すような孤独で地味な作業の毎日です。

progressで私の人生にかかわってくれたみなさん、ほんとうにありがとうございます。
中田さんやみなさんの「人生の物語の登場人物」になれたことがとても嬉しいです。
同じ気持ちでいてくれたなら尚、こんな喜びはありません。
私の中にいるあなたがいつも笑っているように、あなたの中の私も笑っていますように。

大好きです。これからも笑って、ずっと心を繋いでいてください。


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