PROGRESSと僕

執筆者 | 22/11/22 (火) | コラムコンテスト

 

入学から半年経った頃、僕は病魔に襲われました。
TV配信中に異変が起き、その後廊下をお騒がせしました。
日本人の死因の上位にはいるその病で、一命を取り止める事が出来たのは、単に幸運だっただけです。
最悪の事態は免れましたが、それから様々なものを失う事になります。

記憶や認知を司る高次脳機能は幸い無事でしたが、左片麻痺という後遺症で左半身の運動機能が失われてしまいました。
また発音に関しての機能が低下し、日常生活には支障ないものの、声量や滑舌が以前より遥かに弱くなりました。
結果として、それまで持っていた音楽をする力はほぼ全て失いました。
もう歌う事も、ギターを弾くことも出来ません。

そしてもう一つ。家族を失いました。
退院後しばらくして、パートナーが以前から起こしていた事業が軌道に乗り、自立して生活を出来る様になったのです。本人のやりたい事で生きていく転機を迎えたのだと思います。
退院後しばらく、社会にぽつんと一人置かれた状態でした。
これは病気のせいというより、困難を共に乗り越える絆を作る事ができなかった、僕の人としての欠点だと思っています。

結果、僕にはpgだけが残りました。
辛い時、助けてくれた友達がここにはいます。

僕は元々人間関係を作る事が苦手でした。人を愛することすらまともに出来ない人間です。
しかし今は、『ここで出会えた人達と人生を積み重ねていきたい』とすら思えるようになりました。
あっちゃんやメンバーの夢が叶っていくのを見届けたい。そう思います。

今僕は、作曲家を目指し日々修行に励んでいます。
退院後から作曲の勉強を本格的に始め、最近は楽曲提供も出来るようになってきました。
この1年半必死に音楽の力を取り戻そうとし、沢山の人が背中を押ししてくれたお陰です。
『pgを代表する作曲家になる』と宣言をし、それに邁進できる最高の環境にいると感じています。

「pgは、僕の居場所。」そう胸を張って言えます。


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