「残念ですが打ち切りです」
編集からの連絡。これで何度目?
ふがいなさに、自分への怒りさえ湧かない。
小説家デビュー8年目。ヒット作なし。
それがprogressと出会う前の私。
出版社の新年会が苦痛だった。
夢を見ている新人作家。
いつのまにか「売れた」同期。
名前を憶えてくれない大御所の先輩。
彼らを妬み、嫉妬する自分に失望する。
そんな時、あっちゃんが同い年だと気づいた。
YouTube大学で世に才能を見せつけたあっちゃん。
敗北感を覚えると同時に、知りたくなる。
何度も立ち上がってはブレイクする。
その原動力は一体なに? 見えているものは一体なんなんだ。
pgに入ってからは驚きの連続だった。
HRの熱量に興奮し、才気溢れるメンバーに圧倒され、自分にできることを模索した。
MVの世界観や、アート動画のシナリオ、演劇の脚本。
やっぱり、物語を書くことくらいだった。
記憶に残っているのは、去年の学園祭で生放送したドラマ。
企画会議で演者は皆、好きにドラマのアイデアを出していく。
「学園モノがいい」
「遠くから出演したいからzoom使って」
「はせっちなら書けるでしょ?」
……学園ドラマにzoom?
どう考えてもムチャぶりだ。
でも――やってやろうじゃないか。
自分の中に火の玉が生まれるのを感じた。
誰かを見返してやる――そんなの、褒められた考えじゃないと思っていた。
でも、ありとあらゆる人を見返していくあっちゃんを見ていたら、そんな気持ちも悪いものじゃないと思えてくる。
そしてpgには活躍を期待してくれる仲間がいる。
それは時にムチャぶりでしかないけど、応えられたら本当に嬉しいし、成長できる。
ムチャぶり、ムチャぶられることで知らない自分に出会える。
それが私にとってのprogressだ。
デビュー10年目。ヒット作なし。
でもpgに入る前と同じじゃない。
今に見とけよ。あっと言わせてやる。
人は何者にでもなれるんだからな!