progressと私 ~ムチャぶられて生きていく~

執筆者 | 22/11/22 (火) | コラムコンテスト

「残念ですが打ち切りです」

編集からの連絡。これで何度目?

ふがいなさに、自分への怒りさえ湧かない。

 

小説家デビュー8年目。ヒット作なし。

それがprogressと出会う前の私。

 

出版社の新年会が苦痛だった。

夢を見ている新人作家。

いつのまにか「売れた」同期。

名前を憶えてくれない大御所の先輩。

彼らを妬み、嫉妬する自分に失望する。

 

そんな時、あっちゃんが同い年だと気づいた。

YouTube大学で世に才能を見せつけたあっちゃん。

敗北感を覚えると同時に、知りたくなる。

何度も立ち上がってはブレイクする。

その原動力は一体なに? 見えているものは一体なんなんだ。

 

pgに入ってからは驚きの連続だった。

HRの熱量に興奮し、才気溢れるメンバーに圧倒され、自分にできることを模索した。

MVの世界観や、アート動画のシナリオ、演劇の脚本。

やっぱり、物語を書くことくらいだった。

 

記憶に残っているのは、去年の学園祭で生放送したドラマ。

企画会議で演者は皆、好きにドラマのアイデアを出していく。

 

「学園モノがいい」

「遠くから出演したいからzoom使って」

「はせっちなら書けるでしょ?」

 

……学園ドラマにzoom?

どう考えてもムチャぶりだ。

でも――やってやろうじゃないか。

自分の中に火の玉が生まれるのを感じた。

 

誰かを見返してやる――そんなの、褒められた考えじゃないと思っていた。

でも、ありとあらゆる人を見返していくあっちゃんを見ていたら、そんな気持ちも悪いものじゃないと思えてくる。

 

そしてpgには活躍を期待してくれる仲間がいる。

それは時にムチャぶりでしかないけど、応えられたら本当に嬉しいし、成長できる。

ムチャぶり、ムチャぶられることで知らない自分に出会える。

それが私にとってのprogressだ。

 

デビュー10年目。ヒット作なし。

でもpgに入る前と同じじゃない。

今に見とけよ。あっと言わせてやる。

人は何者にでもなれるんだからな!


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