こんにちは。
PROGRESS歴約10か月、ウォルクス所属の森田 一花(もりた いちか)です。
はじめてコラムを書きます。
改めまして、簡単に自己紹介させてください。
私は男性の身体を持って生まれました。
生きていく中で、”男性的な扱い”に違和感を持って、ひょんなことから生適合手術を受け、戸籍を変更して今は女性として生活しております。
いわゆる”トランスジェンダー”です。
最近よく聞く単語!って思う方もいらっしゃるかもしれませんね!
PROGRESSでは、入会二日目に撮影した自己紹介動画で早速カミングアウトして、それが朝の会(現HR)で取り上げられたりして。
その際のPROGRESSメンバーの反応もとっても肯定的なもので、ああ、素敵なコミュニティに出会うことができたと感銘を受けました。
あの時の気持ちはきっと今後も忘れないと思います。
今では素敵な恋人もいて、悩みを話せる友だちもできて、そのうえでやりたい仕事をして、たくさんの趣味に時間を使って、ほんと幸せな生活ができているなあーって感じています。
それでも、ついこの前まで絶望の連続でした…
今日はそんなお話を少しだけ…どうか最後までお付き合いください。
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幼少期~大学生のころまで、自分が何なのかまったく分かりませんでした。
テレビ番組から得られる情報は、いわゆる”オカマ”とか”オネエ”などの言葉を使用して、合法的に差別してもいいような対象として描かれていた記憶です。
あれ?もしかして自分はこうやって生きていかなければいけないのか…?
親からも当然、”気持ち悪い”とか、”病気”とかそういう言葉を日々浴びせられていて、勇気を出してカミングアウトしたこともあったんですけど…受け入れられるどころか、”早く治しなさい!”や”あんたは男なんやから!”とか言われ続けておりました。
自尊心なんて底辺通り越して地面に埋もれちゃっていたし、なんで生きているのか、なんで生きていかなきゃいけないのか…息を吸うだけで苦しい…そんな日々でした。
戸籍変更の条件として生適合手術は必須なんですけど、痛いし怖いし、それだけは絶対やだ!って、そういう理由で身体は男性のまま生きていこうと考えておりました。
男性扱いされるのはとっても苦しいけど、中性的な感じの立ち位置で、お洒落なお洋服を着て、マイペースでいようと思いました。
自分らしく生きていこうと。
でもそれは、世間が許さなかったんですね…
おーい、重い荷物運びたいから男の人集まって~
なんや、男ばっかりかいな、華が無いなあ~
どんな女の人が好みなん?
男だったらこんな服着れらないよね~
…?男性か女性かに分けなければ気が済まないのか…?
戸籍が男性である以上、私は男性であらなければならない…
一つひとつは小さな引っ掛かりでも、それをずーっと受け続けていると、だんだん蓄積されていくんですね…不思議なことに、排出されないんです…
わかりました、私はこの世界を生きるのに向いてないですね。
さようなら。
そうやって、人生をやめるための行動に出ました。
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次の瞬間、病室で目が覚めました。
生きてた…生きてたのか…
その時の感情はあまり覚えていませんが、どうせ生きてるんだったらもう自分がやりたいことするか!って、何かが吹っ切れるまではとても早かったように思います。
うまいこと行かなければ死ねばいいし、とにかくなんでもやってみようって。
で、めちゃくちゃ端折りますが(笑)、手術をして、名前を変えて、戸籍を変えて、今に至るという感じです。
戸籍が女性になると、世間の扱いも変わってくるし、今まで引っ掛かってきた言葉がむしろ心地よくて、ずっしりとした何かが取り除かれたように、前を向くことが出来ました。
世間からの扱いが変わるだけでこんなにも見える世界が変わるんだって、本当に、すっごく素敵な体験をしたと思います。
と同時に、何気ない日常で苦しんでいる人がいることを心から理解しました。
この世界に生まれたら、たまたまトランスジェンダーだった。
それだけの話ですが、幼少期から悩みに悩んでここまで生きて来て、世間的にはあまり認知されていないことをひたすら考えてこられたのは、本当に特権だと感じています。
だからこそ、気づきにくい問題に気づくことが出来たり、社会的に弱者だといわれている人たちのそばにいることが出来たり、私の”大丈夫”に説得力を持たせることが出来たり、本当の意味で分かり合える仲間に出会うことが出来たり…
いいことばっかりだなと最近思うわけです笑
そんなわけで、今は前向きに生きています。
PROGRESSにおいても、私なりに、私のペースでここにいようと思っています。
今後も楽しむ気満々でございますので、これからもいちかさんをどうぞよろしくお願いいたします!
最後までご覧いただいてありがとうございました。