天職を見つけるべきか、今の仕事を天職にすべきか

執筆者 | 21/04/18 (日) | コラム

こんにちは、武田です。

 今日、FIRE(最強の早期リタイア術)を読み終えました。最高でした!とってもおもしろかったです。この本の中で『(まだ)自らの情熱に従うな』という章があります。

 情熱に従って生きるのは、FIRE(経済的独立を果たした)後で良いのではないか。まずは年収を追いかけて、経済的独立を果たしてから情熱を追いかければよいのではないかというわけです。

 これはなるほどな、、と思いました。どちらのライフスタイルもありということですね。面白いなと思いました。

1. 天職を見つけるべきか、今の仕事を天職にすべきか

FIREに出てくる話の他に、

「好きなことを、仕事にするのがよいか、今の仕事を、好きになるのがよいか」

 これも議論になることが多いように思います。シンプルにいえば、天職を見つけるのか、今の仕事を、天職にするのか、ということですね。

 好きなことを、仕事にすることを薦めている人たちは、次のようなことを言われます。

 

  1. 好きなことをしているのだから、仕事のパフォーマンスが、著しく上がる。
  2. 好きなことを、仕事にしているのだから、ストレスが少ない。
  3. 好きなことを探す過程で、自己分析がされ、自分が、良く見えるようになる。その結果として、自分軸がしっかりしてくる。

 

 一方、今の仕事を好きになることを、薦める人たちは、以下のように言うことが多いです。

 

  1. そもそも、好きなことをして、全員が飯を食える可能性は高くない。
  2. 好きなことを見つけないうちは、今の仕事が合っていないのではないかと、迷いを生じながら働くことになり、仕事がつまらなく感じてしまう。
  3. そもそも好きなことが見つかりにくい。好きなことが見つかるまでは、止まってしまう。

 

 どちらも一理あるように思いますし、どちらの方法でも、うまく行った人がいるのですから、両方正しいといえます。

では、僕の場合はどうだったのか、と振り返ってみました。

 

2. 20代のとき

 僕は、20代のころは、「好きなことを仕事にする。」に心頭しており、好きなことを、捜し求めていました。ただ、好きな事を仕事にしようと思うと、今の仕事が、天職ではないように思えてきて、苦しかった記憶があります。

 うまくいかないときでも、天職でないから、うまくいかないんだ、と考えていました。かといって、では何が天職なのかもわからず、迷いの日を過ごしていました。

 今になって、考えてみると、好きなことを探している時点で、それほど、好きなことは当時なかったんだと思います。好きなことって、探すものじゃなくって、好きなものは何?ときかれて、0.1秒で答えられるものでしょう。

 

 死んでもよいから、好きなことをやりたい、というくらい、好きなものが見つかっている人は、幸せです。ただ、そういう人は少ないような気がします。

 個人的には、好きなことを無理して、見つけようと思わなくても良いと、思っています。職業なんて、星の数くらいあり、その中から、本当に好きな仕事を、見つけるのは大変な場合も多いでしょう。

 

 天職が見つからないから、スタートを切れないというのでは、いつまでたっても、スタートが切れなくなってしまいます。それはそれで、困ることも多いと思います。

 

 逆に言えば、好きなことが見つかっていないから、自分はうまくいかないというのも思い込みかもしれません。好きでなくても、得意だというものは、誰にでもあると思いますし、逆に好きなんだけど、得意とまでは言えないということもあると思います。

 

 英語なんて、まさにその典型ですよね。けっして、ネイティブ全員が、母国語が好きだとは思えませんが、英語が好きな私たちよりも、ずっと得意です。

 

 だったら、今の仕事を好きになれば、よいのかと言えば、もちろんそうなれば、ベストですが、現実的には、どうしても好きになれない仕事もありますね。

 

 私たちは、その中間をとって、最低限これはやりたくない、ということをリストアップして、やりたくないことを避ける会社に入るほうが、現実的だと思います。やりたくないことさえ、避けてしまえば、まずは仕事に関しての及第点は、取れるでしょう。

 

3. 会社で自由に泳ぐために意識することは何か

 職場や仕事、起業をして思うのは、それぞれ、いいところもあれば、悪いところもあるということです。

 この職種じゃなくちゃダメ、この会社じゃなくちゃダメというのではなく、気に入らなかったら、転職すればよい。というくらいの軽い気持ちでいいと思います。

 

 それよりも大切なのは、会社から、いつでも飛び出せるようにしておくということだと思います。会社にしがみつかないほど、心の自由度が増すのは、間違いありません。

 

 会社から、いつでも、飛び出せるようにしておくために必要なものは、自分の目指すゴールが、何かによって異なるので、一概にはいえません。

 

 これをやったらいいよ、といわれて、やるのだったら、それは他の人との差別化にはつながりませんね。

 ただ、今は、会社で昇進することを、意識するよりも、会社を辞めたとしても、生きていける力やスキルを、身に付けようと意識したほうが、良いように感じます。

 

 昇進は、平均点を取る人が有利ですが、スキルを身につけるには、むしろ必要のないものを捨てていったほうが、スキルを身につける時間を投下できます。

 昇進を目指すのと、会社から飛び出せる能力を、身に付けることを目指すのは、方向性が異なることがあるのです。

4. 孤独の選択

 しかし、これは同時に、孤独な道でもあります。他の会社の人たちは、会社の評価的な総合点を狙って、何でもやろうとする中で、一人だけ、ココだ!と思うものを、ひたすらやるわけですから。そのほかの必要性を感じないものは思い切って捨てている。

 しかも、自分が信じているものに対して、芽が出るのは、ずっと先かもしれないのです。

 

 僕は、そういう、ひたむきに日陰かもしれない道を、進んでいく人が好きですね。一見、人にはすぐに認められないかも知れないけど、長期的な視点で、自分の進む道を信じていく、という人を応援したくなります。

 

 まあ、この記事は、自分自身を励ますために、書いているっていうこともあるんですけどね。

執筆者 | 21/04/18 (日) | コラム


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