以前中田さんがホームルームで紹介されていて、気になっていた「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」を読みました。
両学長もお勧めしていた本ということで、期待値が相当高い状態で読みましたが、期待通り面白い本でした。
ここから本のレビューです。
「お前はバカか?はした金を貯めやがって」
著者のビル・パーキンス氏がウォール街で「雑用係」として働いていた頃、上司に言われた言葉です。
当時著者の年棒は1万8000ドルでした。
生活を切り詰め、1000ドルを貯めた話をしたところ、冒頭の言葉を言われました。
上司は続けて言いました。
「この業界に入ってきたのは、大金を稼ぐためだろう。
ちまちま節約なんてするな。
一生、年収1万8000ドルが続くと思っているのか。」
これが筆者にとって
人生が変わる瞬間になったといいます。
僕も中国で働き始めたころ、同僚から同じようなことを言われて衝撃を受けた経験があります。
当時2004年で、中国はオリンピックや万博を目前にしてイケイケでした。
「月光族(毎月の給料を全部使ってしまう人)」が流行語になっており、同僚たちの多くが月光族でした。
日本人は将来のため、老後のために貯金するという話をしたとき、
「これから何倍も何十倍も稼げるようになるのに、今のやっすい給料を貯めて何になるんだ。全部使っちまえよ」
と言われました。
すごく楽観的ですが、「なるほど」とも思い、
その後は、語学、武術、MBA、バンジージャンプ等初めての体験事等、身ぐるみ剥がされても自分に残る知識や経験にはお金を使うようになりました。
「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」では、人生の喜びを先送りしすぎてお金を節約しすぎている人が多いと主張します。たしかに、日本では特に多そうです。
節約ばかりしていると、その時にしかできないチャンスを失ってしまいますよ、ということですね。
余命を予測して、自分の一生にどの程度の生活資金が必要になるのかを計算すること。
それが決まると、そんなにお金のために働かなくてもよいことに気づき、より充実した人生が送れるようになる。
中田さんもホームルームで、自分が何歳まで生きるか、本当にやりたいこと、それに必要なお金は考えればわかること、と人生を豊かにするお金の使い方の重要性についてお話されていました。
大切だなと思いました。
数字にして見える化することで、これからの生き方を考えるきっかけになります。
一方で、「FIRE」という考え方があります。
「Financial Independence, Retire Early(経済的に自立し、早期リタイアを実現)」のことです。
例えば、1億円を年4%で運営すれば、年収400万円が得られるので、400万円以内で生活すればFIREできるということになります。
ただし、多くの場合は運用資金がたまるまでに寿命がつきてしまいそうです。実際に達成できても、1億円を残して死ぬのももったいない気がします。
FIREの考え方も重要なので、
FIREとDIE WITH ZEROのバランスをとった生き方ができるとよいのかなと思いました。
野中まさし(じゃんす)
@PROGRESSnonaka
?これまでの本紹介
幸福論とPROGRESS(中田敦彦)
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『PRIDELESS』と藤森さんとWinWinWiiin(藤森慎吾)
https://pgpub.space/2749/
中田さんのシンガポール散歩で感じた第一印象の大切さ
(『日本の面影』ラフカディオハーン)
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ひろゆきさんとアンパンマン
(『凡人』ひろゆき)
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『猫を棄てる』と祖父の戦争(村上春樹)
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