牛乳と代用乳

執筆者 | 21/11/01 (月) | コラム

先日よりオーツミルクが話題(もう古いかも…)になっているので、牛乳と代用乳についてまとめてみました。

前回のコラムはこちら

I.牛乳編

I-1.分類

牛乳をざっくり分けると下図のようになります。

①:生乳…乳牛から生産されて何も手を加えてない状態の乳のこと

②:牛乳…生乳を加熱殺菌したもの。成分無調整牛乳とも呼ばれています。

③:成分調整牛乳…生乳から脂肪分、水分、ミネラルなどを除いて調整されたもの。

③-1:低脂肪牛乳…生乳から脂肪分を除いて0.5〜1.5%にしたもの。

③-2:無脂肪牛乳…生乳から脂肪分を除いて0.5%未満にしたもの。

④:加工乳…生乳を主原料とし、脱脂粉乳やクリームなどの乳製品を混合したもの。特濃牛乳やローファットミルクなどがこれに当たります。

⑤:乳飲料…乳固形分が3.0%以上で乳製品以外(鉄分、コーヒー、果汁など)を混合したもの。

※乳牛から生産されたものは「牛乳」ではなく、「生乳」です。生乳を加工して様々な製品へ変化させます。

I-2.生乳から成分を抜くとは?(余談です)

生乳は面白い事に足し算と引き算で考えることが出来ます。例えば下記のようになります。

 生乳 = バター(乳脂肪分) + 無脂肪乳(バターミルク)

 無脂肪乳 = 脱脂粉乳 + 水分

 脱脂粉乳 = 乳タンパク質 + 炭水化物 + ミネラル + ビタミン

必要な成分を生乳から抜き出して乳製品を製造するので、残ったものを如何にして使用するかも重要な問題なのです。

参考:日本乳業協会 https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_018_468/

上記は理論上は可逆的です。つまり、正しく混ぜ合わせれば元通りになります。ただし、チーズやヨーグルトは細菌や酵素の化学の力を用いて加工するので、混ぜ合わせても元通りにはなりません。

 生乳 + レンネット(酵素) ⇛ カード(チーズ)+ ホエイ

 生乳 + 乳酸菌 ⇛ ヨーグルト + ホエイ

II.代用乳編

話題になっている(なっていた?)オーツミルクは代用乳と呼ばれる種類に分類されます。

代表的な代用乳は以下のようなものがあります。

・豆乳…大豆を潰して水を加えて濾したもの

・オーツミルク…オーツ麦(えん麦)を砕いて水を加えて濾したもの

・アーモンドミルク…アーモンドを砕いて水を加えて濾したもの

・ココナッツミルク…熟したココナッツの種子内から得られる乳状の液体

・粉ミルク…牛乳や生乳を粉状にして必要な栄養素を加えたもの

これらは母乳の出ない親が子ども(家畜や動物園の動物も含む)を育てたり、乳製品アレルギーや宗教、倫理上の都合で乳製品を摂取できない場合に対応するために用いられます。非常に重要な役割ですよね。

ただ植物性ミルクは子どもの発育に必要な栄養素が欠けているいる場合があります。個人的な意見ですが、特に赤ちゃんには赤ちゃん用の粉ミルクを与えるのが良いと考えます。

それを補うために植物性代用乳の一部はミネラルやビタミンを添加しているものもあるようです。

植物性代用乳は牛乳よりも脂肪分やたんぱく質の含有量が低い傾向があるためカロリーが低いです。また植物由来のため動物乳に含まれるラクトースを含まないことから、牛乳を飲むとお腹を壊してしまう乳糖不耐症の方でも飲むことが出来ます。

III.終わりに

このコラムはスタバでオーツミルクに変更したラテを飲みながら書いてます。初めて飲んだのですが、オーツミルクって全然クセなくて美味しいですね。

牛乳も植物性ミルクも一長一短があってどっちも美味しい。それだけで済めばいいんですが、難しい問題が潜んでいるのも事実。正しく知識を得て視野を広く持ってみんなが良い方向に進めたらと思います。

執筆者 | 21/11/01 (月) | コラム


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