人種問題を通してジェンダーについて考えてみる!

執筆者 | 21/11/03 (水) | コラム

PROGRESSのみなさん、こんにちは!

カリフォルニア州最北でネイティブアメリカン”ユロック族”と生活しています

亜希ダウニングと申します。

初めてコラムに挑戦してみようと思います。

タイトルは【人種問題を通してジェンダーについて考えてみる】

先日のHR、ハロウィン当日だったためバタバタしていて参加できず。

Twitterでたくさんの方が意見交換をされていたのを拝見し、

そして昨日のHRにも参加させて頂いた後、

たくさん考えてコラムを書く決断をしました。

マイノリティとして生きている私。

先住民”ユロック族”に嫁いだ私。

このコミュニティに生粋の日本人は私1人だけ。

”日本”と聞いても場所も分からなければ、中国の一部だと思う人もいます。

(TOYOTAやゴジラなどはアメリカのものだと思っているアメリカ人は多い)

私を見て、両手を合わせてお辞儀する人も後を経ちません。

 

このコミュニティでは

私という存在が認められないのです。

 

日本人であるが故に部族の神聖な儀式には参加できず、

狩りには行けず、ドレスは作れず、武器には触れることも許されません。

 

United Indian Health Service(以下UIHS)という

ネイティブアメリカン専門のクリニックに通っている為

病院に行くたびに

「Are you Yurok?」

「No. I’m a Non-native」

このやり取りを必ず繰り返します。

受付で確認され、ナースとドクターにも確認されます。

採血をする時にも、必ず。

ただの確認事項だと分かってはいても

「あなたは私たちとは違うのね」という現実を突きつけられます。

 

医療だけでなく

教育に関しても同じです。

日本人の私には受けたいレッスンも受けられない。

もちろん投票権もない。

 

書類の記入をするにも【Japanese】という項目もない。

ただの【Asian】となるのです。

(私は確かにアジア人だけど日本人なのに)

モヤモヤする瞬間がたくさんあります。

 

マイノリティを支える私。

そんなネイティブアメリカンも、アメリカでは立派なマイノリティ。

 

アメリカ国内で人種分けをする表も

【白人・黒人・ヒスパニック・アジアン】の4つ。

ネイティブアメリカンの存在はないものとされます。

 

アメリカで生まれ育った人の中では

”ネイティブアメリカンは絶滅している”と考える人もいます。

アメリカ国内には679万人の先住民がいるのですが

社会的に存在を認められていません。

 

ネイティブアメリカンというだけで、仕事に就くことができません。

パスポートを持てるようになったのもつい最近のこと。

女性や子どもたちは誘拐・殺害の対象となります。(他人種の10倍)

2013年まで、ネイティブアメリカンを殺しても罪にはなりませんでした。

そして今現在も

アメリカ国内では1日に15人以上のネイティブアメリカンが行方不明となっています。

そのほとんどが事件化はされません。

ニュースにもなりません。

 

Facebookやインスタグラムで情報を拡散しようとすると

たちまち削除されてしまうのです。

 

【ネイティブアメリカンは存在を認められていない】

 

私の旦那と子どもと、家族は

社会から存在していないことになっています。

 

人種とジェンダーの問題

ネイティブアメリカンの中で認められない私。

アメリカで認められないネイティブアメリカン。

 

みなさんは、存在を認めてもらえなかった経験はあるでしょうか。

”自分”という存在が、個人からではなく

社会から、国から、制度として認められなかった経験はありますか?

恐らく大多数の方が、そんな経験がないと思います。

 

私は、この場所で、ユロックと共に生きていくと自分で決めたからいいんです。

今畜生精神でやっていけるんです。

でもそれはマッチョだからではなく

日本を離れるまで”マジョリティ”として生きた経験があるからだと思うんです。

 

では、生まれながらにしてジェンダーギャップを抱えた方はどうでしょう。

もちろん人種とジェンダーを同じように扱うのは違う!

ということは理解していますが

抱えている問題はすごく似ているのでは、、?と感じたのです。

 

まず大多数のマジョリティは興味がない。関心もない。

声を上げたところで、届かない。

苦しみを理解してもらえない。

 

特に、同調圧力が強く、固定概念に縛られやすい日本では

マイノリティとして生きることは

想像以上に辛く、苦しい生活だと思うのです。

 

圧倒的に足りない”性教育”

日本では性について話をするのはタブーとされる傾向がありますよね。

アメリカでは4歳から、キンダーに入る前までには

子どもが嫌というほど親は性教育をします。

4歳児検診でドクターからしっかりめに話があります。

4歳向けの絵本だからといって曖昧な表現もしません。

 

そしてお風呂も大人とは別。

私に娘はいませんが、

もし仮に女の子が生まれてきたら

旦那が娘をお風呂にいれることはありません。

息子の前で娘のオムツ替えなんて絶対にしません。

着替えも男女別。兄妹であっても。

息子が裸で妹の前に立つこともさせません。

 

【あなたの身体を触っていい・見ていいのはあなただけ】

ということを幼い頃からしっかりと教育します。

男女の姓について教育をしっかりしないと

その先の”個”の教育をするのは難しいと思います。

 

アメリカでは未就学児から性教育をするので

ジェンダーギャップを抱えた方への理解があるのかなと思います。

(すべてのアメリカ人ではないですが、そういう傾向があるということです)

 

今、お子さんがいる方

性について真面目に話し合ったことはありますか?

もしかしたら、お子さんと話し合いをすることで

ジェンダーについて少し理解ができるかもしれません。

 

まとめ

当事者の方が声をあげようとすると

強い思いが全面に出すぎて、威圧的な言葉を使ってしまうこともあります。

でも、それには理由があって

今まで感じていた悲しみや絶望、怒り。

マジョリティに混ざろうと押し殺していた気持ちが

溢れ出てしまった結果です。

攻撃したかった訳ではなく、自分の心を守りたくて出た言葉です。

もちろん完全に理解することは難しいですが

寄り添ってあげてほしい。

マイノリティの中で、マイノリティとして暮らしている私からのお願いです。

 

人種とジェンダーを同じように考えて書いた結果

違和感のある表現をしていたらごめんなさい。

もしご指摘があればコメントかTwitterで教えて欲しいです!!

長くなっちゃったぁ〜。。

最後まで読んでくれてありがとうございます!!

「生きてて、楽しい〜!!」

執筆者 | 21/11/03 (水) | コラム


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