「あっちゃんのどこが好き?」と聞かれて、
プレゼン能力、分析能力、表現力、価値観、将来の展望…
色んな答えを、色んなところで目にする。
Twitter、HR終わりや授業終わりのおしゃべり、コラム。
みんなが口にする「あっちゃん」は、どれも共感できるところばかりで、
自分の気持ちを代弁してくれているかのように、いつも思っていた。
だから、自分の感想を述べたことがない。
そこで、今回はこれを伝えようと思う。
僕が、『中田敦彦』に惹かれた瞬間、
それは2021年1月26日、RADIOFISH新曲プロジェクト「7th color」の歌詞が決まった時だった。
それまでの僕は、中田敦彦に対して、特別な思いは何もなかった。
確かに、Youtube大学やPROGRESSのコンテンツに対して面白さは感じていた。
でも、「同じ内容を提供してくれるコンテンツが他にあればそっちに行く」
その程度の感じ方しかしていない、そういう風に思い込んでいた。
つまり、自分は情報コンテンツの情報に興味があり、演者には一切興味がない、
自分はファン活動など一切しない、そういうことだ。
そもそもファン活動しない男が、「PROGRESSになぜいるのか?」と問われれば、
入会当時の2020年11月、Youtube大学の更新数が減ったからだ、と答える。
Youtube大学は、作業しながら1日8時間以上聞きたい自分に、実にフィットしていた。
あっちゃんの声は聞きやすく、内容はライトかつうっすら興味がある者で、しかも長尺、毎日更新。
ニュースは内容を追うのに気を取られるし、ラジオは内容が薄い、音楽も聞き飽きるし、他の動画は短期間で消費してしまう。
しかし、Youtube大学の毎日更新も途絶え、再生リストを日替わりで再生させる中、
自民党の歴史を10回くらい聞いたあたりで、
「知っとるわ!」
と心の中の何かが叫んだ。
そして、動画終わりのCMで散々聞いたPROGRESSの扉に自然と手をかけることになる。
「7th color」プロジェクトは、PROGRESSへ入会してまもなくの2020年12月4日から始まった。
その日のHRで、5年後のオリラジ10周年記念ライブの夢が語られ、その第一歩としてRADIOFISHの楽曲制作を共有しないか?というあっちゃんの提案で始まった。
まずはタイトル、次に曲、そして歌詞の順に決めていくというロードマップが提示され、その日のうちにタイトル募集スレッドが立ち上がった。
実は、 この募集のとき、決まったタイトルは佐藤幸美さんの「僕たちは世界を変えることしかできない」の方だった。
「7th color」は、楽曲募集の際、カトウリョウタさんの作品が大変優れているということで、この曲に合うタイトルとして伊藤郁磨さんの「7th color」が、後になって決定されたという経緯がある。
この決定が、2020年12月25日、奇しくもこのコラムのちょうど1年前。
当時を思い出して、劇場型コンペの味わいを書きたくなるが、コラムが終わらなくなるので、またの機会にしたい。
もし、まだ見ていないという方がいれば、ご覧になっていただきたい。
発掘調査隊のご尽力で、大変見やすいアーカイブが出来ている。
発掘メンバーの方々、本当にありがとう。
そんな中、年が明けての2021年1月10日、歌詞の募集が開始。
HRで、「応援し合う関係性を表現する」、「困難という雨模様の後に出る希望の虹のような印象」、をコンセプトに考えているとの説明がなされる。
そして、2週間の募集期間を経て、運命の1月26日、いよいよ歌詞が決定されることになる。
応募総数60案。コメント182件。
あっちゃんが、どれに決めるのだろうと興味があり、全部目を通した。
しかし、カラオケにも20数年行っていない自分には無縁の世界過ぎて、判断基準がまるでないまま、自分なりの答えを決めきれずにHRに臨んだ。
(あっちゃんはどれに決めるんだろう?)
最初30分弱、『選考基準について』が語られ、いよいよ結果発表の瞬間を迎える。
結果は「フル採用はありませんでした!」
(嗚呼、やっぱりプロじゃないと難しいんだな…
選考基準は2次選抜のための追加説明だったんだ。)
これがその瞬間の僕の感想。
そして、あっちゃんはこう続ける。
「でもね、それぞれにすっごく輝いている人がいたんですよ…。」
(わかる)
「ちょー大変でした、昨日。」
(わかるわかる。僕も4時間かかった)
「もう、どうしようって…」
(2次選考か)
「…これ、組み合わせれる?!」
(ファッ?!)
できるわけないだろ。全部作詞のバックボーンが違うんだから。
正直、「何を言い出すんだコイツは。」と思った。
僕からすれば、
「みんなで月までいけるロケットを作りましょう!」
「ロケット集まったけど、どれもこれも使い物になりません。」
「でも、バラしてよく見たら良いとこもあるので、組み合わせてロケット作りたいと思います。」
と、同じ話に聞こえたからだ。
部品の寸法自体、全然違うものを組み合わせて、
飛ぶ飛ばない以前に、そもそも組み上げられるのか?
そして、あっちゃんは各パートの歌詞採用の理由を説明し始めた。
そこから40分、「はい、これで完成です。」の一言を聞き終わったとき、
僕は、虚空を見上げ拍手していた。
(よくぞ、最後までやり遂げたな…。)
普通、出来損ないは捨てるぞ?
出来てないから、ハイ、もう一回、なんてざらにある出来事じゃないか。
それを、ひとつひとつ拾い上げて、ホラ、こうやればちゃんと出来る
なんて言うヤツを僕は見たことがなかった。
(なんだ…この男は…)
「あっちゃんのどこが好き?」と聞かれたなら、
『他人が捨てるところを拾い上げる、好奇心と探求心』
『簡単にあきらめずにゴールにたどり着く、忍耐力と実践力』
『必ず自分の持ち味を付加させる、オリジナリティー』
これが『中田敦彦』に惹かれるようになった理由だ。