フルーツ大福 市場調査

執筆者 | 22/02/09 (水) | コラム

 

この手の調査が好きなので、勝手にフルーツ大福市場調査。

 

【2021】フルーツ大福お薦め8選!(https://aumo.jp/articles/1389304)に載ってるお店の運営会社を帝国データバンクで調べました。

企業概要のみなので1件500円。個人利用なので信用情報は手に入らず。

せっかくお金払ってデータとったので、シェアしたいと思います。

 

データがあったのは、『弁才天(愛知)』、『養老軒(岐阜)』、『仁々木(京都)』の3社。

 

 

ざっくり市場規模自体は30~40億円くらいでしょうか。

どことも「冷蔵販売」で賞味期限は、到着後当日か翌日までです。

おすすめサイト上で「冷凍販売」をしているのは1社『仁々木』だけ。

以下、詳細。

 


市場調査詳細

 

名称 設立 従業員数 資本金 売上高 当期純利益
弁才天 令和1年 10名 9百万 5.6億 1.5億
養老軒 昭和22年 35名 3百万 8.7億 データ無
仁々木 平成22年 52名 1千万 13.6億 1.5千万

※売上高、当期純利益は令和3年度のもの

弁才天は、3年前に設立された会社。FCのロイヤルティー収入メインなんでしょうね。もしかすると直営店は本店だけかもしれませんね。FCの見本用に。従業員数も10名と少なく、当期純利益は1.5億円。ビジネスを売る今どきの会社の印象を受けました。

 

養老軒は、データがあるなかで最も老舗の昭和22年。デパートに出品しているので、店舗数の割に売上高の規模が8.7億円。利益情報無しですが、当期純利益で10%程度はあると予想。

 

仁々木は、滋賀県に製造工場を持つ、この中で一番大きな会社。唯一、冷凍販売の技術を持つ。

当期純利益率が1.1%と低調ですが、おそらくコロナで贈答品需要が減ったため。贈答品市場で固定費の大きいメーカーは軒並み同じような打撃を受けています。前年の令和2年決算は△7.4千万と比べれば回復の最中といったところ。

 

この中でどれを目指すかというと『弁才天』なんだろうけど、ブランディングの真っ向勝負になりそう。

でも売りに出されている和菓子屋は、養老軒や仁々木の系統なんだろうなぁ。

それにしても、あっちゃんの嗅覚すごいね。

数ある中で、弁才天を見逃さないとは。

 

それとこんな記事も

「ホットペッパーグルメ外食総研」の『今後食べてみたいおやつ以上食事未満の軽食』アンケート調査(2021年6月18日)

1位は「フルーツ大福」45.5%

2位が「マリトッツォ」45.2%

3位が「フルーツサンド」43.0%

https://lab.kutikomi.com/news/2021/06/18/rikuru-to-ga-kon/

 

こわっ!こわっ!!

何このトレンド嗅覚。


感想

けっこう先行企業が足場固めし終わった感じ。贈答品市場っぽいから市場の急拡大もあまりないのかなぁ。ブランディング戦略をどう打ち出せるか。

それと気になったのが、どこも海外に出してませんね。

冷凍もやってないし。難しいのかな。

贈答品なんだし、シンガポールの富裕層向けに輸出した方が売上取れそうなのにね。

シンガポールの後も、マレーシア、フィリピンとこれから市場育ってくるし。

東南アジアで当ててから、『南国フルーツ大福』とかいって逆輸入されないかな。

僕が住んでいる京都の宇治市でも、地元じゃ誰も知らない茶メーカーを、アメリカ向けの茶葉輸出会社に再生してました。

 

海外に売るんだったら、輸出の仕組みを作れば手離れよさそうだしね。

考え得る「あっちゃんの失敗シナリオ」としては

①あっちゃんの宣伝効果に生産体制が追い付かない

②あっちゃんの宣伝に依存しすぎてて、事業売却後も宣伝しなければならない

があるかなぁ。

まぁ、売れてさえいれば何かしら解決できるだろうけど。

 

 

徒然、思いつくままに書いてしまいました。

昨今じゃビジネスデザイナーなんて肩書もでてきました。

糸井さんじゃないけど、ビジネスもアートです!

ここまで、読んでくださった方ありがとうございました!

 


おまけ 会社の数字の見方

①利益の見方

会社は普通、原価、人件費、家賃、経費の4つを日々支払っています。

売上からこの4つを引いたものが、営業利益です。

 

この営業利益の中から、借入利息と税金を支払います。

これが、純利益(税引後当期純利益)です。

 

この純利益(あれば減価償却費も足す)の中から借入の返済をします。

純利益が黒字でも、返済額に満たないと黒字倒産します。

 

②利益率の見方

普通のお店屋さんで、営業利益率10%は優秀です。

ここから利息と税金を差し引いた純利益率は、単純に5%と思っといて大丈夫です。

傾向として、大企業になればなるほど利益率は落ちていきます(固定費の割合が上がるから)、逆に中小企業の利益率が20%を超えても、まぁ不思議ではありません。

まぁ、10%いかなくても中小企業で営業利益が黒字なら、だいぶ頑張っていると思います。

 

③従業員数の見方

従業員1名で年間売上高1000万、年間営業利益100万、これで営業利益率10%の優良企業になります。

なので、従業員10名なら年間売上1億、営業利益1000万、純利益500万。

これで毎年500万返済できるので、債務金額と見比べて何年で返済できるのか考える。

返済原資が足りない場合、リストラしなくてはならない。

人数を減らしても売上が維持できるとするなら、1名あたり人件費は400万(社会保険等含む)

1名減らせば営業利益は400万増える、税金も増えるので純利益は200万増える。

これで500万+200万で700万の返済原資確保。

 

④純資産のマイナスとは

中小企業で金になる資産なんて不動産のみ。

決算書に載るのは、工場用地の土地しかないと思う。(担保の住宅は決算書には載らない)

つまり純資産マイナスとは、土地売っても借金が残るということ。

ならば誰かに事業を肩代わりしてもらえるなら、担保の住宅は守れる。

なので1円で売るケースもある。

例え純資産マイナスでも、販売方法変えるか、コストカットして返済原資確保できるなら全然問題ない。

マイナス1~3千万だったら、しっかり利益出せば3年くらいでプラスに転じる。

プラスになったら廃業して土地売ると手元に資金が残る。

そこまで頑張る気力がなくなったんだろうなぁ…。残念。

 

以上、おまけでした。

詳細資料がないとき、こんな感じの物差しでざっくり考えています。

業種業態関係なく、ひとまずこの指標に当てはめてみて、ここから大きく数値が外れていたら、なんでだろう?と考えたり、儲かる業界なんだなぁと感心したりします。

今回、弁才天は高収益体質を実現しているのがわかって面白かったです。

 

 


【筆者略歴】

大学、大学院と会計学専攻

一部上場メーカー、ITベンチャーの財務・経理を15年経験

妻が経営する会社の財務担当としてお金のことばかり考える日々。


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