『100億円ほっすぃ祭り』と題して始まった音楽プロジェクトは、2022年2月10日から始まり、早3週間が経過しようとしている。
一見、“中田敦彦の我儘”に振り回されるようにも見えるこの現状、僕が感じた楽しさと学びを書き残しておきたい。
芸能界に通用した第一線のこだわり
小山健さんの一枚絵がみるみる良くなっていった。
元が悪かったという意味ではない。
あっちゃんのオーダーを受けるたびに「次々に良くなっていった」、といった方がより正確な表現だと思う。
見てくれる人の希望を叶えることほど、作家冥利に尽きることはないだろう。
ディティールも数多く追加され、絵がストーリーを語りだした。
あっちゃんの解説通り、絵のどこを見ても鑑賞に堪えられる。
ずっと眺めていられる、そんな一枚絵になったとつくづく思う。
もし自分があっちゃんの立ち位置だったら、あそこまでこだわってリテイクを要求できただろうか?
やはり芸能界で結果を出してきた第一線のこだわりは違う。
簡単には折れない、究極の硬度を持っている。
その試金石に砕かれることなく作品を磨いていった小山さんの実力も凄い。
本当に今回の創作ライブは楽しませてもらっている。
続く楽曲、歌詞、歌い手も楽しみでしょうがない。
「ダメ出し」は「伸びしろ」。それを示すのがリーダーの役割
一線級の作品を世に出す覚悟と、そのこだわり具合を一枚絵製作過程で見ることができた。
しかし、自分の渾身の作品にダメ出しされるのは、プロといえどもこたえることもあるだろう。
そして、あっちゃんも言う通り、ダメ出しをする方も辛い。
自分を振り返ってみると、僕はダメ出しリーダーをサポートする立場にある。
うちの会社は妻が社長で陣頭指揮をとり、僕は財務を中心にあらゆるバックアップを行う。
そんな妻は、幹部会議やいたるところでダメ出しをする。
そんなとき、聞いている従業員に向かって僕はいつもこう説明を加える。
「ポップやレイアウトや接客態度ができてないからダメ出ししてるんちゃうねん。
ずっと同じことやってたら、お客様から飽きられるねん。
物足らんと思われてたら、店続かんと俺ら全員死ぬねん。
物足らんとこ放置して店潰れたら社長の責任や。
だから、伸びしろがわかったんやから、もっちょいやってみよ。」
今回の音楽プロジェクトは、Youtube大学450万人の登録者の目に触れる大舞台だ。
Youtube大学のブランドを左右するばかりか、クリエイター自身のブランドにも相当な影響を与える。
そこに本気で全身全霊突っ込んだなら、例え思った通りの結果が出なかったとしても、得るものは必ずあるだろう。
しかし、生半可な状態なのだとしたら、大火傷じゃすまないかもしれない。
だからあっちゃんは、人事を尽くそうと心を鬼にしているのではないだろうか。
舞台に立つのはクリエイター自身なのだ。
クリエイターを守るためにプロデューサーがやるべきことは、市場の目に堪える作品だとの判断を間違わないこと。
あっちゃんのプロジェクトは本当に毎回戦いだと思う。
心からのエールを送りたい。
一番を目指すことはいいことなのか?と思う人へ
採用されるのが一作品だとわかっているのに、人はどれだけの努力ができるのだろうか?
正直、僕は競争自体苦手だ。
認められなければ辛いし、努力が無駄になる感覚はもっと辛い。
費やした時間がなくなって、年だけとったみたいに思う。
ちょうど僕らが子供の頃からか、徒競走で一等を作らない、とか、全員で一緒にゴールする、などといったことを、競争社会の弊害を感じた人たちが始めだした。
僕の小学校がそうだった。
これに反論する立場で、「競争が進化を生む、最たるものが戦争だ」との意見もある。
しかし、戦争礼賛にも聞こえてしまい言葉尻が良くないと思っている。
一番を目指すメリットは、一番になる方法を模索する過程で、様々なアイディアや技術が磨かれることにあると思う。
何か好きなことがあるなら、それがもっとうまく出来るようになりたい、と思うのが自然だと思っている。
それなら目指すのは一番じゃなくてもいいんじゃないの?とお思いかもしれない。
でも実際問題、一番じゃなくていいことって、途中でやめちゃわない?
完全自分のケースで申し訳ない。
なんかワンチャンあるかもっていう思いが突き動かすものって自分の中で相当デカい。
注意点は自分が選ばれなかったときのメンタリティの制御。
一番になった人と比べてしまうと、そうじゃない自分は消えるしかない。
でも、チャレンジする前の自分と比べることができたなら、積みあがっているものはかなりある、そう感じるのは難しいことなのだろうか?
今回の音楽プロジェクトで僕が得たものは、これまで散々チャレンジしては放り投げていたデジタルお絵描きツールを使えるようになったこと。
そして、作曲なんかしたことないのに、音楽ソフトを触り始めたこと。
出来ることが増えれば、活かせるところも増えるということは、これまでの人生で経験してきたことだ。
だからPROGRESSのコンペ祭りは、僕にとっては盛大な収穫祭だ。