こんにちは!アリスカーナ所属の野中まさしと申します。ニックネームは「じゃんす」です。
『猫を棄てる』村上春樹
タイトルが気になり買った本です。
面白かった。。
私的「村上春樹ランキング」で上位に食い込んできました。
せつない思い出話かと思いきや、戦争を中心とした父親のエピソードでした。
村上春樹は父と確執があったこともあり、成人してからはあまり交流がなかったそうです。
父を亡くしてから、5年かけて父の軍歴を調べ上げ、ここに記しています。
とにかく壮絶でした。
私も同じこと(軍歴調査)をしたことがあります。
父ではなく、祖父のです。
以前、自分の先祖をどこまで遡れるかチャレンジしていた時、そもそも身近な先祖(祖父母)のことをあまり知らないことに気づきました。
父方の祖父は、私が小学生の時に亡くなりました。孫の数が多かったので、あまり話した記憶はないのですが、穏やかで優しいお爺ちゃんでした。
祖父は、シベリアに抑留されて苦労したという話は聞いていましたが、詳細は知りませんでした。
「2等兵だった。」
「いや、結構偉かった。」
「飛行機に乗ってた。」
「いや、軍艦だった。」
「南方で戦った。」
「いや、満州だった。」
などなど、身内の記憶もまちまちでした。
先祖調査の過程で、三親等内の親族(孫はOK)は「軍歴証明書」の請求が可能であることを知り、早速請求してみました。
旧陸軍の軍歴は各都道府県、旧海軍は厚生労働省が保管しています。
履歴書のように、実に詳細に軍での履歴が記されています。入隊時期、転籍時期が日付まで記されています。部隊名も分かります。
祖父は、19歳で陸軍に入り、近衛歩兵第1連隊に配属されていました。
この時期、『天皇皇后両陛下、成子、厚子両内親王陛下が那須御用邸にいらした際に儀仗兵として駐留した』というような具体的な任務についても記載されています。
階級は二等兵で始まり、最終階級は「伍長」。
所属していた部隊名で調べれば、大体どこでどんなふうに戦っていたのかが分かります。
全部で3回応召されていました。
なので、身内の記憶もバラバラだったようです。
私の父が産まれて、すぐに出征したと聞いていましたが、記録を見たらこれは3度目の出征で、正確には産まれてから5日後でした。
そのまま戦後もシベリアに抑留されたので、出征時には赤ちゃんだった父も、祖父が戻ってきたときには物心がついていて、なかなか懐かなかったそうです。
当時小学生高学年くらいだった叔父にその時の気持ちを聞いたら、何度も出征して戻ってきてたので「また行って、そのうち帰ってくると思っていた」ということでした。
僕も長男が産まれた時、中国に単身赴任していていました。帰国したときには物心がついてて、なかなか懐いてくれませんでした。
祖父もこんな感じだったのかなあと思いを馳せました。
野中まさし(じゃんす)
@PROGRESSnonaka