子供のころから特に人間関係に苦労したわけでもなく、いじめられていたわけでもなかったが、なんとなく「人付き合い」というものが煩わしく、当たり障りのない人間関係を貫いて生きてきた。その場その場で友達はいたけれど、どこかクールでいつも何かを勝手にあきらめる、そんな生徒だった。
このままでもいいけれど、もっと何か違うもの、熱い何かが自分の中にあってもいいのかも、とうっすらと考えていた時に、YouTube大学のエンディングの映像が目に入ってきた。法被を着た人たちが餅をまき、ランニングをする女性たちがハイタッチをしていた。「私もこういうの、やってみたい!」と強く思った。
入会して数か月経った頃に「第1回学園祭」が開催されると聞いた。何かで出たいと思った。熱い思いを共有してハイタッチをし合う、そんな経験をしてみたいと思った。私は長年フラメンコをやっている、ダンスならできるかもしれない、そう思って大山あかねさんに「やってみたいです」と連絡した。それがPGダンサーズとしての活動のスタートだった。
メンバーに入れてもらってすぐに達成感が得られたわけではなかった。メンバーはみなキラキラ輝く魅力的なパフォーマーたち。学校で言えばスクールカーストの最上位であったであろう人たちだ。図々しくも入れてもらったものの、「私、ここにいていいの?」と迷う日々。でも、自分から遠ざかってしまったら、今までと同じことの繰り返しだ。やりたいのなら、ここにいたいのなら、図太く居続ければいい。そう自分に言い聞かせた。幸運なことに、メンバーは1番年上でダンスもたいしてうまくない、社交的でもない私をずっと温かく受け入れてくれていた。
11月20日。初めてのPGダンサーズライブが開催された。終演後、ハイタッチやハグをした。YouTube大学のエンディングにあったような世界を体験することができた。Progressに入学して、本当によかった。