価値観は簡単に崩される

執筆者 | 21/05/04 (火) | コラム

価値観や考え方、物の捉え方は人それぞれだと頭では分かっていながら、やはり気付かされて衝撃を受ける事がある。

自分が絶対にそうだと思い込んでいた考えを、他人にいとも簡単に崩されてしまう。僕はそんな衝撃を目の当たりにした。

先日、メンバーの方波見さんと昼食をした後にカレスに向かう流れとなった。すでに腹はパンパンまで膨れていたものの、やはりデザートは別腹である。いや、むしろデザートなら無限に食べられるのではないかとすら感じていた。

そんな気持ちを抱きながらカレスで何を頼むかという会話で盛り上がっていた。カレスにはさまざまな種類のデザートがある。特に人気なのがプルプルに仕上げられたあのフレンチトーストであろう。

僕はあのフレンチトーストを食べるために山口県からわざわざ片道5時間もかけてカレスに行ったことすらある。それくらいあのフレンチトーストには中毒性すら感じるものがあった。

もう、頭の中はあのプルプルのフレンチトーストでいっぱいだ。正直、道中に方波見さんと何を話したのかすら覚えていない。方波見さんごめんなさい。

初めから僕の心はフレンチトースト一択だ。もはや迷うことすらなかった。そして僕はこう伝えたのである。

「僕はやっぱりフレンチトーストにしよう」

そう口にした瞬間だった。身体を雷に打たれた様な衝撃が走る。ある方波見さんの一言で僕の価値観は完全に崩壊させられた。

「あれ、パンだから主食ですよ。飯食った後にあんぱん出されたらどう思います?デザートじゃないでしょ」

衝撃だった。

言われてみれば確かにその通りだ。

あれはまごう事なきパンだ。食パンだ。

僕はずっと勘違いをしていたのかもしれない。いつからフレンチトーストがデザートだと思い込んでいたのだろう。

そういえば以前、方波見さんはおはぎについても糾弾していた。「米のくせにデザートみたいな顔をしてる。あいつは米だ」

忘れていた。

彼はデザートのフリをした主食を許さないことを

そして、その日僕はカレスでこう伝えた。

「紅茶とおからのシフォンケーキください」


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