中田敦彦と筒井康隆 その②

中田敦彦と筒井康隆 その②

中田敦彦がYouTube大学によって、別次元の成功者となり始めた頃に、フジテレビの『ボクらの時代』に出演した。この時期には珍しいTV出演である。神田伯山、瀧川鯉斗、中田敦彦による鼎談だが、瀧川鯉斗はあまりどうでも良く、藝能大好きしーちゃか(私のことね)にとっては、中田敦彦と神田伯山との邂逅は「藝能史的事件」になりうる「一大事」だった筈なのである。それは、ほとんどその存在を忘れられていた伝統藝能である「講談」を、現代に通じうるエンターテインメントとして「復活」させた「天才」神田伯山と、おそらくTVが時代遅れになり始めたという雰囲気が漂う...
中田敦彦を文藝界のドンにする為のロードマップが生まれる連載その①

中田敦彦を文藝界のドンにする為のロードマップが生まれる連載その①

一般的に文藝の歴史はどう語られるのか? 例えば、14世紀頃からはじまる古代ギリシアの文化、文明を再評価=ルネッサンスを経て、16世紀のシェイクスピア演劇の誕生、スペインを中心にしたピカレスクロマンの隆盛、そのピカレスクロマンのメタ的(批評的)パロディであるセルバンテス『ドン・キホーテ』を濫觴として「近代小説」の概念が生まれ、18世紀イギリスの産業革命によって小説の流通が飛躍的に広がり、18世紀末のフランス大革命から19世紀初頭のナポレオン時代を通過し、スタンダール、バルザック、ユゴー、フローベールといったフランス近代文学が生まれる。 ...
黒澤明と山本周五郎

黒澤明と山本周五郎

黒澤明は所謂、文藝映画、すなわち、小説や戯曲などを原作とした、あるいは下敷きにした、あるいはヒントにした、ものが多々ある。以下、特に目立つカテゴリーを作ってみた。シェイクスピアからの翻訳黒澤明作品名               シェイクスピア作品名      『蜘蛛巣城』               『マクベス』      『悪い奴ほどよく眠る』          『ハムレット』      『乱』                  『リア王』ロシヤ文学からの翻訳黒澤明作品名               ロシヤ文学作作品名      『...
しーちゃかの藝能ネタ!!(日本の女性デュエット・最強はどのコンビだ?)

しーちゃかの藝能ネタ!!(日本の女性デュエット・最強はどのコンビだ?)

日本最強の女性デュオはどのコンビか? そりゃあピンクレディーで決まりだろ? と、思ったそこの紳士淑女たち!! ちょっと待った、待った。 物事はそんなに簡単ではないのだよ。 例えば、PUFFYとピンクレディーを比較したときに、明らかにPUFFYがピンクレディーを凌駕するポイントが少なくとも2ポイントはある。 すなわち、四半世紀に渡る活動年数の長さと、米国でアニメ化されたことによるガチの海外進出感である。 とまあ、こんな感じで、そう簡単にどのコンビが最強だよね、とは決められないのである。 決められないけれども、グダグダとだべってみようと思...
不定期連載・歴史小説の総て・その②~城山三郎『冬の派閥』~

不定期連載・歴史小説の総て・その②~城山三郎『冬の派閥』~

城山三郎という作家がいる。戦後の作家で直木賞受賞者である。若い頃から文学、特に純文学に夢中になってジェイムズ・ジョイスを熟読したほどである。ジョイスは20世紀前衛文学の極北といえる作家である。要するに一般読者を寄せ付けない「難解な文学」である。 しかし、城山は文学青年には珍しく経済についての造詣があり、初期には経済をテーマにした作品を書いて、純文学の畑ではなく大衆小説の畑で活躍したため、芥川賞作家ではなく直木賞作家となったタイプである。(大衆小説で活躍する作家の多くに純文学どっぷり作家はいっぱいる) 直木賞受賞後、経済小説から歴史小説...