おじさんになりたい私の話

おじさんになりたい私の話

 私はおじさんの好きになるものが好きだ。  ラーメン、野球、お酒…。  もしも私がおじさんだったら、知らない街のディープな居酒屋や定食屋にフラッと一人で立ち寄ってみたい。そこで瓶ビールを注文して手酌でコップに注ぐ。スポーツ新聞や週刊誌に目を通しながら、店内テレビで流れている「アッコにおまかせ」や「ミヤネ屋」を横目に「チッ。くだらねーな」とぼやいてみたい。  もしもおばさんの私がそのような行動をしたら、「あの人ちょっとやばい人だから近寄るのはよそうかな」「あのお客さんなんか怖いから早く帰って欲しいな」と思われるに違いない。あるいは、もし...