執筆者 大谷 和也 | 6月 14, 2022 | コラム
喉の炎症で発熱し、寝込みつづけて3日が経った。喉の違和感。痛み。苦痛。水でも食べ物でも何かをのみ込むと、圧倒的な存在感を持った痛みが首の内部にどくんと走る。その度に自分の精神が狭い空間に徐々に押し込められていくのを感じる。のっそりベットから這い出すと自分の体の輪郭がグラリと揺れて二重、三重に、ぼやける。発熱による目眩。「まあ、風邪には色んな種類がありますからね。とりあえず9割のウイルスに効く薬出しときます。」医者から処方された薬を朝夜の食後に飲み、なるべく清潔に心がけながら回復を待つが、それでも喉の炎症は熱と腫れを両腕に携えて鎮座する...