プログレスと私

プログレスと私

 興奮して熱気を持った肌に夜気が気持ちいい。授業観覧を終えて乃木坂駅へ向かうわずかな時間、PGメンバーと語らいながら歩く至福の時間であった。 彼とまともに話したのはその日が初めてだったと記憶している。 その彼が言った。『末永さんのことを親友と呼んでも良いかな』 照れくさそうに破顔したその表情に彼の実直さを見てとったぼくは、すぐさま『もちろん』と答えていた。 普段生活しているとなかなか親友と呼べる相手には巡り会えない。これは良い相手がいないのではなく、自分が傷つかないために親友という領域まで踏み込めない防衛本能が働くためではないだろうか...
【号外】中田氏撮影中に入眠か

【号外】中田氏撮影中に入眠か

 21日月曜日、シンガポール在住の中田敦彦氏(39)の主活動であるYouTube大学(登録者数458万人:3月22日現在)撮影中に事件は起きた。同日午後7時頃(シンガポール時間午後6時頃)、珍しく定刻通りに始まった撮影は、一日で勉強したとは思えない中田氏の驚異的な読解力により、観客を熱狂させ順調に終了するかに思われた。 異変が起きたのは撮影開始から52分ほど経過したあたりだ。観客に動揺が広がる中、中田氏は何事もなかったかのように授業を続けたが、明らかにその瞬間入眠していたのだ。 当時その授業をフェイスブックのグループ内配信で観ていたH...
【小説】朝焼けの空に

【小説】朝焼けの空に

2019年11月入会、アリスカーナの末永浩です。読書の秋ということで、小説など需要あるかなって思って、以前に書いた小編を投稿します。感想などいただけてモチベーション上がったら、新作なども書くかもしれません(笑)ではどうぞ。    「朝焼けの空に」 一日の大半を高温多湿の調理場で過ごす島袋にとって、既にクリスマスムードに沸き返る世間の季節感は全くの他人事であった。 今日は珍しく客引けが早く(たまには早目に店を閉めるか。)などと過ぎった考えを打ち消す様に、カウンターからオーダーが通る。「ラーメン一丁。」 島袋は忌ま忌ましそうにでっぷりと太...
読み切り小説

読み切り小説

以前に書いた実験的掌編です。終始ひとり語りで構成されているので、少し変わった読み口が楽しめます。3000文字程度の手軽な読み物なので、リラックスしてお楽しみください。Brandy...