「自分の強みって何もない」人は何者になれるのか

執筆者 | 21/07/07 (水) | コラム

地球の裏からこんばんは!

ブラジル在住のあらいのぶほです。

初めましての方もそうでない方も、10分ぐらいお話聞いていきませんか?

入会から9ヵ月、以前のコラム(https://pgpub.space/5307/)から3ヵ月が経ち、時の流れを感じます。

今、ブラジルは冬に入り、私の住むリオデジャネイロでは長袖で過ごすようになりました。(真冬でも、日本の冬のように気温は下がりません。イメージ的には沖縄の冬に近いです)

本日は、FRE-TIGHT(フレタイト)というアロマスプレーのリリースを機に、僕のプログレス活動を振り返りたいと思います。

全部を振り返ると長くなるので、FRE-TIGHT(フレタイト)に関わる話を軸として書きます。

私なりに大切なことをギュッとまとめようとした結果、前回以上に散らかった文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

 

  1. プログレス入会時の話

    プログレス入会当初、僕は「自分の強みって何もないな」と感じていた。

    フリーランスをされている方も多く、デザイン、音楽、プログラミング、絵画などお客さんに近い場所で働いている方々が羨ましかった。

    なぜなら、自分の専門分野の発信が人に届きやすいため。

    私は、それなりに学校の勉強をして、普通に大学を出て企業に就職。

    現在の仕事は、石油関連設備のエンジニアで、ほとんどの仕事が国家プロジェクト規模、かつ、専門性が高すぎて赤の他人が話を聞くには退屈すぎる内容だ。

    ちなみに、今やっている仕事の一つは「海に浮かぶ石油生産・備蓄設備の電気設計」の中で、「油圧式オフスペック油の昇圧ポンプ故障による当ポンプの電気駆動への変更」というものである。

    ほら?何のこっちゃ? この説明で3時間の講義となる。。。 そして、これはごく一部という(笑)

    世の中に必要な仕事だし、社会で重要な役割を担っている仕事という自覚はあるのでネガティブな気持ちはない。
    ただ、仕事を生かすというところではプログレスに向いてないな、という意識を持つ事にはなった。

    (そりゃそうだよな、僕みたいな特殊なサラリーマンは大人しくしておこう)

    こうなる気持ちも理解していただけただろうか?

  2. 特殊な経験

    そんな中、仕事以外の経験で何かないか、と考えた際に、僕の頭に浮かんだのが、「娘(1歳)の出産までに夫婦でとても苦しんだ」という経験だった。

    結婚から出産までの歴史を以下に簡単にまとめてみる(重い表現を含むため、軽い気持ちで読まれたい方は次の段落まで飛ばしていただいて構いません)

    ①結婚してから数か月後、お互い子供を希望することを確認。

    ②2年の妊活・不妊治療を経て妊娠するも、妊娠5ヵ月で死産(詳細は省きますが、流産とは異なる)

    ③不妊治療を再開して2年間授からず、不妊治療を一時休止

    ④不妊治療を休止した直後に自然妊娠。

    ⑤そのまま日本で出産の予定が、私の海外赴任の話が上がり、相談の上でブラジルでの出産を決意。

    ⑥何事もなく出産に至ると思いきや、逆子が治らず、予定日前倒しでの帝王切開。原因は、赤ちゃんの首にへその緒が絡んで定位置に戻れない状況であったとのこと。

    ⑦娘が元気に生まれる。

    * 誤解のないように追記させていただくと、結婚や出産が良いことという事を前提に考えている事は全くなく、結婚や出産のない人生も全肯定の立場です。

    この5年間、妻と自分、また似たような経験をされている方の苦しみを、これでもか、というほど感じた。

    今でも思い出すと心臓を掴まれたように苦しくなり、涙がこぼれ落ちそうになる。

    プログレスの大所帯であれば、このような事を進行形・もしくは未来形で経験される方がいるかもしれないと思い、僕の経験が少しでも役に立たないか、と考えた訳だ。

    僕の中で色々と思うことはありますが、それらは以下の3つに分けられると思います。

    1- 事前に妊娠についての知識を得ておきたかった

    2- 周囲の理解がついてこない

    3- つらい状況をパートナーと乗り越える手段が少ない

    どれも、なかなか発信が難しいセンシティブなトピックをずっと心に抱えながらプログレス活動が進んでいった。この中で”3”に関わるアイディアとして生まれたのがFRE-TIGHT(フレタイト)となっていく。

    自分の下に広がるブラジル最大級のスラム街(Rocinha=ホシーニャ)  ↑

     

  3. Wolxで話し合ったパートナーとの良好な関係と幸福について

    みなさん、どういう人生を良い人生だと思いますか?

    様々な答えが聞こえてきそうだが、

    「幸福を感じられる人生」

    のための答えになっているか、がポイントだと思う。

    Wolxの勉強会では何度かデータを交えてお話してきたのがだが、

    過去に世界最高と言われる高度経済成長を経験しておきながら、それでも世界幸福度ランキングで上位に入ったことがない日本。

    お金や仕事ではない、何か他のものであると考えるのが自然ではないか。

    (もちろん、心から純粋に好きである場合、お金や仕事という場合もある)

    ちなみに、私の住むブラジルの貧困率は世界上位で、5人に1人が月1万円以下の収入で暮らしている。

    全人口の20%が月1万円以下で暮らしてるブラジルに幸福度ランキングで負けているのが、日本である。

    (ブラジル35位、日本56位@2021)

    世界幸福度ランキング フィンランドが4年連続1位、日本は56位と出遅れ。コロナ禍での人との繋がり気薄化が幸福感に影響

    当時のWolx勉強会でも、夫婦やパートナーとの関係に悩む人が多く、スキンシップの重要性を理解しつつも「言えない」状況が多くあると確認できた。

    勇気を持って情報を公開するが、以下のようなグラフもある。

    https://honkawa2.sakura.ne.jp/2318r.html

    日本がガラパゴスのように孤立している事が見てわかる。

    月3回以上の性交渉のある人は幸福度が33%上がるという論文データもある。

    これらデータをそのまま信じる事は推奨しないし、因果関係とまでは言えない事も分かった上で書いている。

    でも、参考の一つにはなると思う。

    みなさんの自意識と照らし合わせたとき、

    「日本人はスキンシップが苦手な国民」であり、幸福度の低い国であるという仮説に強い異論がある人はいるだろうか。(こことは直接関係ないが、不妊大国でもあり・超高齢社会が世界で最も進行している国でもある)

  4. データから思う事

    このいくつかのデータを私情なしに客観的にみて、

    「多くの日本人に足りないのは、愛する人々との触れ合いからくる幸福である」

    と言えないだろうか?  もちろん、全員ではない。

    ブラジルの場合サンバに代表される音楽の影響も大きいと感じる。

    また、先進国で進んでいる芸術の力も、日本では不足しているように感じる。

    海外が正しい⇒日本はダメだ という話をするつもりは全くない。


    皆が興味を持つ、モテるための方法や結婚するための方法も重要でしょう。

    ただその一方で、身近にいる人(パートナー、家族、親友など)と良い関係を継続するための議論が、
    あまりにも今の日本には足りていないのではないか。

    後付け感はありますが、ブラジル人の動きを見ていると、

    ①セロトニン分泌に良い環境(自由、解放感、自然など)

    ②オキシトシン分泌に良い環境(家族・友人と過ごす時間、恋人と触れ合う時間)

    が整っているな、と思います。

    一方、日本を取り巻く環境を見ていると、

    ③ドーパミン的な幸福(一定以上の給与からの昇給、ギャンブルの身近さ、物質的な豊かさ)

    が整っている環境を感じます。
    仕事でアフリカ(ガーナ)、サウジアラビア、フランスに滞在していた時も、ブラジルほどわかりやすくはないものの、似たような感情を覚えてた。

    精神医学の分野かと思いますが、①、②を重視する事が幸福への近道です。(③は一時的なもの)

    似たようなことを繰り返しますが、あくまで統計的な話なので全員がそうではありません。


    確率が高い、という話です。

  5. Wolx勉強会でパートナーや幸福についての議論を終えて

    まず、Wolxという集まりが「パートナーとのコミュニケーション」や「セックスレス」について、
    下ネタと区別してしっかりと話せるコミュニティである事に大きな魅力を感じていた。

    特に日本では、性とお金の話が苦手な人が多すぎると思っていた私にとって、その魅力は放っておけない存在だった。

    しかしながら、Wolxの勉強会やその後の雑談を聞いても「議論する場はあっても、実践する場がなければ少人数の自己満足で終わる」という気持ちもあった。

    “こういう考え方って重要だけど理解されないよね”
    と勉強会で参加者が納得したところで、意識の高かった10人程度が少し変わっても全体としての影響は少ない。

    もちろん、それで十分な学びも多くある。
    でも、僕がやってみたかった事は

    「パートナーや家族との苦しい時期を経験してる人に、役に立つ事ができないか」

    という事であり、可能であればできるだけ広くこの大切さを伝えていきたいという事だった。

    一言で言うと、パートナー・家族との関係改善ための社会貢献をしたい

    この目的の下、物販の実践という形でプログレスメンバーと協力して学びながらやりたい

    この想いがFRE-TIGHT(フレタイト)を生んだ。

    僕がこの類の議論でとても大切にしているのが、”学校、会社、日本など大きな集合体を変えたいなら、まず自分の周囲(目安としては1クラスの単位である30-40人程度)を変えられるか、という事である。

    逆に言うと、自分の周囲を変えられなければ、大きな集合体は変えられない、つまり自分の考えは集合体としては受け入れられない可能性がとても高い、という事である。

    飲み会で不満を言い続けても、世の中は変わらないし、自分の思う生きやすい社会にはならない。

    そうして、勉強会や雑談でふざけあって話す中で出たYes/No枕を参考にWolxで何か(後のFRE-TIGHT)新しいコンセプトの商品を作ってみよう、と先陣を切り、リーダーとして進める決意をしたという流れにある。

  6. プログレスというコミュニティ 

    フレタイトを作る際に、プログレスでないとほぼ不可能だな、と思った理由がある。

    ①価値観を認め合えるコミュニティ

    ②各分野のスペシャリスト

    ③協力・応援してくれる仲間

    これら三つが揃っているプラットフォームがプログレスという素晴らしいコミュニティ。

    せっかくある目の前にあるチャンスに、このコミュニティを利用しない手はない、と動いたタイミング、
    それが
    「何も強みがない」と活動を諦めかけていたサラリーマンがアロマプロジェクトを進める決意をした瞬間である。

    (ちなみに、アロマと聞いても何一つ説明ができない、ど素人からのスタートだった。)

    この後、タスクチーム内で製品の開発・プロジェクト遂行から、先日のフリマでの出品・PG-Publicでのリリースに繋がることになる。

    前半、背景があまりに長くなりすぎたので(笑)、タスクチーム発足後のストーリーは、次回に持ち越させていただきます。
    ここにこそ、プロジェクトの苦労や感謝といった、様々なメンバーと関わる中での感情の変化がありました。

    次回のコラムで自分自身からどんな言葉が出てくるか、楽しみです。

  7. 最後に

    FRE-TIGHT(フレタイト)のプロジェクトのリーダーをするにあたり、何度も頭をよぎったことがある。

    「それをして何の得になるの?」「もうあなたからしたら過ぎ去った話でしょ」
    妻や過去に似た経験をした人にもそう言われる事は容易に想像できる。
    自分の事だけを考えれば、こんなセンシティブな所に自ら頭を突っ込んでやっていく必要なんで何もない。

    それでも、ここまで進んできたという事は、僕に「この答えが知りたい」というモチベーションがあったからに違いない。

    もしかしたら、ただの自己満足に終わるかもしれない。何も変えられないかもしれない。
    そうなったらそれで良い。

    でも、結果が出る前から「無理」と決めつけない心で進んできた。


    まずは、このコラムでFRE-TIGHTに興味を持っていただくことから協力いただける方が増えればうれしい限りだ。

    ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました。

執筆者 | 21/07/07 (水) | コラム


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