曼荼羅東京のアニメは現実作れるのか?

執筆者 | 22/04/12 (火) | コラム

初めまして。2020年1月入会の久藤(くどう)です。

自分は普段、アニメーションディレクターの仕事をしています。

https://express.adobe.com/page/4pg0MDbC1W8Ey/

今日のHRを見て、アニメ屋から見る現実的な目線と、提案があったのでこのコラムを書いております。

曼荼羅東京はアニメ化できるのか?

曼荼羅東京をアニメにするにあたって、おそらくアニメを作る最大の障壁となっている、低予算+少ない人数でそれなりなクオリティーのアニメを作ることは・・・結論で言いますと、可能です。

アニメはそもそも凄いお金と時間がかかる

今の日本のアニメの99%は全てを手描きするか3Dで作られていて、これはもう莫大なお金がかかります。(TVアニメ1話数でかかる金額は今ですと大体3000万円とか)

それにプラスして実写ドラマ等と違い、一枚一枚絵を実際に描いて映像にしているので、それはもうかなり時間がかかります。(TVアニメの企画ができてから放送終了まで大体2〜3年)

こんな作り方をできるのはかなりの予算を思った大手企業しかないんですよね・・・

なので、従来の作り方で曼荼羅東京のアニメを作るのはかなり難しいのでは、と思っています。

アニメにイノベーションは今起きているのか?

日本ではほとんど起きていない状況です。が、実は海外の作り方でならイノベーションは起こせるかも・・・と思っています。

海外(ディズニーなどの一部の企業)が使っている「カットアウト」という手法なら、比較的少ない人数と予算で作ることが可能だったりします。

一枚の絵を歪めたりして動かす方法です。

(3DとLIVE2Dを合わせたような作り方)

■その手法で作られている作品

アグレッシブ烈子

https://youtu.be/sCILqmEd93A

スヌーピー

https://youtu.be/vf8CUE8FCbU

見ていただいた通り、普通にアニメーションしていると思います。が、実はほとんどが1枚のイラストから動かしています。

曼荼羅東京のようなデザインをテンションで進んでいくような作品ならば、この作り方はマッチしている気がしました。

 

ただ、これにはいくつか問題点がありまして、

①日本では手描きが普及しすぎて、新しい技術に手を出すのが苦手なアニメーター、クリエイターがほとんどいないこと。(みんな手で描いて動かしたい。)

②低予算で作れてしまうのが製作が(スポンサー)わかっているので、制作者(クリエイター)に入ってくる利益も少ない。ので、新規参入に踏み込めないでいる。

③日本の今のトレンドのキャラクターは身長の高い作品ばかりで、この手法と相性が悪い

などなどの理由から、ほっとんどの日本の会社がやってないやり方です。

 

ですが、このPROGRESSと今回の曼荼羅東京でなら上記の結構な部分をクリアできているので、一から準備に時間が正直かかりますが、可能な方ではあるのかなぁと。

この作り方なら

・ディレクター(絵コンテ描くのも含め)

・少しのデザイナー(漫画の絵をアニメ的に調整してくれる方)

・アニメーションを作ってくれるスタッフ

・背景描いてくれる人

・コンポジット組んでくれる人

・グレーディングしてくれる人

がいれば、音響関係を除けば可能なので

 

「人件費」と「PCなどの機材費」と「音響関係の費用」があれば基本的にはなんとかなり、従来のアニメの1/3くらい?(作り方によってはもっと安い)の予算では済みます。

誰もやっていない手法ではあるのでマニュアルも少ないし、外注できることが難しいのですが・・・

これなら中田さんの理想になんとか向き合えるのかなぁ・・・?などと思ってみたり

 

今自分が仕事をたくさん持ってしまっているので直ぐに「任せてください!やります」とは言えない状況なのが正直なのですが、

漫画の進み方次第では自分も何か協力できることがあるのかな?思いコラムにしました。

執筆者 | 22/04/12 (火) | コラム


189 ビュー
70いいね!
読み込み中...