「メンバーシップを爆破します!」
それは申し込んでひと月も経たないある日のことだった。
あれ?あっちゃん、つい何日か前まで、メンバーシップに来いよって宣伝していなかったっけ?あまりにもびっくりして、モニタの前で「えええ~~!!」と声が出た。
普通はこのくらいの事、それほど驚く話ではないのかもしれない。でも私にとっては一大事だった。なぜなら私は「推しに課金しない女」。ファンクラブには入らない、CDだってレンタルショップ、配信時代に入ってからは無料のYouTubeのみ。GOODボタンを押しただけで応援してます!と言っちゃうのだから面の皮が厚い。
そんな私が珍しく課金したコンテンツがトークチャンネルのメンバーシップだった。勝手に推しに近づいたつもりで悦に入っていたのに、あっさりと袖にされ。この気持ちの持っていき場はどうしたら……。
人間とは、追われれば逃げる、逃げられれば追いかけるもの。
それがプログレス入学のきっかけだ。
そこからしばらくはトークチャンネルの代わりにHRを聴くのが日課になった。正直聴くだけで大満足だった。だってトークチャンネルより絶対お得!毎日推しの話を聴けるんだぜ。
でも毎日熱いトークを聴いているうちに、だんだんと自分も参加したい気持ちが高まってきた。Tell-usに登録し、filesに顔出し動画を投稿。この行動は自分でも説明がつかない。普段だったら絶対にやらない事じゃないか。
そして今私は観念している。ついにZOOM背景に課金したのだ。
私は生まれ変わった。
推しに少し課金する女に。
やってみて思う、意外とこういうの悪くない。