ゆるふわ能楽語り1

執筆者 | 23/01/03 (火) | コラム

2020年5月入会の、とびながなおこと申します。

中田さんに「ゆるふわ能楽語り」の二つ名を褒められたので、これは語らねばと思い、コラムを書かせて頂きました。

ただ、私は素人で、かなりゆるい語りとなりますので、そこのところはご容赦ください。

能楽を観る上で一番大切なこと。それは「寝る」ということです。

「観劇前日に睡眠とっておこうね」ということではなく「観劇中に寝よう」ことが大切なのです。

「チケット代払ってるし、寝たら演者に悪いじゃん」と思われることでしょう。

四の五の言わずに寝てください。

しかし、NGな寝方があります。ふて寝です。

真面目な人は、前日に演目のあらすじを勉強するでしょう。

そしていざ能楽が始まると、多くの人はこう思うのです。

「何言ってるのかわからん」と。

能楽って本当に説明してくれないんです。謡、囃子の説明はおろか、誰が主役なのか、舞台や、時代背景の説明など皆無。事前に調べてきてもナンノコッチャ分からん、となるんです。わからないことが多いと人はイライラします。

そしてふて寝してしまう。そうなると「もう二度と能楽なんて観たくない」となる。

 

「絶対寝るぞ」と最初から心に決めてください。

そうすると、不思議と体の力が抜けます。何を言っているかわからなくても、イライラしません。不思議なお囃子に耳を澄ませ、瞼をゆっくり降ろしていきましょう。すると能面が不思議と笑っているように見えてきます。

目を閉じ、たまに目を覚まし、夢と現の世界を交互に体感する。

演目が終わり目を覚ますと、不思議と「いい夢見たな」となります。すると「また能楽観てみるか」となる。

 

起きて真面目に能を観る事も、とても素晴らしいです。

しかし、寝ていても能楽は楽しいのです。

能楽堂という特殊な空間で、能楽という不思議な世界に浸りながら寝る。最高の贅沢だと思いませんか。

 

 

 

 

 

執筆者 | 23/01/03 (火) | コラム


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