かつて私は、声優になりたくて老舗の養成所に入った。
そこでは、火の玉を持った講師や同期たちと日々舞台の訓練を行う充実した日々だった。
その後私は養成所を卒業し、とてつもない大きな壁にぶつかった。
人と交流するのが下手だった。
一緒に営業周りをしていた同期の女の子は私を残してディズニープリンセスの声優になった。
彼女は人と交流するのが上手だった。
舞台に出たときもチケットを売るのが下手だった。営業が下手で、「煩わしいからもう宣伝しないでくれ」とも言われた。
そして私は役者を諦めた。
その後私は一般の仕事についた。だがその会社はモラルが欠如した時代遅れの会社だった。
私は日々社長と口喧嘩をして会社をクビになった。
役者も駄目。社会人も駄目。そして私は宙ぶらりんのまま日々を過ごしていた。
PROGRESSと出会ったのはその時だった。
「自分を変えたい」・・・そう思っての入学だった。
だが、元来交流ベタの私は、やはり中々馴染めなかった。
しかしある時、昔役者をしていたことを恐る恐るカミングアウトしたら、そこから交流が広がっていった。
ZOOMでお芝居をする企画に参加したり、かつてのクラス特番のMCを任されたり、大型MV企画のオーディションで選んでもらえたりと、全て自分の「演技」のスキルが活かせる舞台ばかりだった。
PROGRESSで、初めて私は気付かされた。
私にとっての「演技」は言葉であり、「舞台に立つこと」は交流なのだと。
だから私は舞台に立ち続けたい。
私にとって舞台に立てないのは、「喋るな」「交流するな」と言われるのに等しいのだ。
今の私の目標は「中田さんと交流すること」だ。
勿論、私にとっての交流は「舞台に立つこと」。
中田さんに、舞台に立つ自分を見ていただくこと。
そして、中田さんと同じ舞台に立つこと・・・
それが、私のPROGRESSである。