今回の来日における、あっちゃんの八面六臂の大活躍に感動している。
『混沌を泳ぐ』に書かれた「得体の知れない不安と焦燥感」に対して、思いつく限りの対策、予防策を、地道に、丹念に、仕掛けつづけたことの、大いなる成果が、今まさに現れようとしている。
なんと美しいことだろう。
中田敦彦の混沌を泳ぐ挑戦は、ついに、中田敦彦単体がTV業界全体と対比しうる存在にまで、巨大化するであろうと、強く感じさせる領域に入った。
その上で、中田敦彦はけっして「孤独」でも「孤高」でもない、というのが素晴らしい。
お笑い業界時代の先輩、同期、後輩とも連携し、さらには若きユーチューバーとの共同戦線まで樹立している。
しかも、中田敦彦という核を失わずに、真っ直ぐに生き抜いている。
右顧左眄の結果ではないのだ。
そして、オリラジアカデミーのOP映像は素晴らしい。
オリラジの歴史を駆け足で登っていく。螺旋階段をぐるぐる周りながら登っていく。これもまた、混沌を泳ぐ、ことの変奏であろう。
混沌を泳ぎ、螺旋階段をぐるぐるまりながら上を目さして駆け足で登ってきた中田敦彦が、はじめての茶会で完全に「茶」の本質を理解してしまう、というのが、もう本当に「出来過ぎ」なくらいですらある。
混沌を別の言い方にするとカオスになる。これはだれでも知っている。
元々はギリシャ語で、宇宙誕生以前の状態を意味する。なので、無秩序な状態、混沌となる。そして、対義語はコスモスである。コスモスは宇宙であり、つまり秩序なのである。
つまり、
茶道ってコスモスじゃん。
カオスからコスモスに、中田敦彦はたどり着いたのである。
おしまい。