動画作家と名乗る〜人は何ものにもなれる いつからでも〜

執筆者 | 22/11/11 (金) | コラム

これまでわたしは、依頼される動画制作とは別に、案件ではない、自分の作品も作ってきました。これらはPGTVやPGTheatreでもアップしているので、ご覧になった方もおられるかもしれません。

https://progress.salon/pgtv/?search=%E7%95%94%E4%B8%8A

みなさんの「いいね」やコメントはいつも大きな励みになっています。

それらは1分から2分、短いもので15秒くらいの尺で、なんらかの心理的変化を観る人に与えることを眼目に置いた作家性の強い作品です。

動画を、絵画のようなアートとして楽しめないだろうか?

と、「新たな動画の活動領域」をぼんやりと考えていたわたしは、当然、動画だけの展覧会も模索していました。映画祭のような上映形式ではなく、絵画のように動画が展示されている展覧会です。

たくさんのディスプレイと再生機を置き、そしてわたしの作る動画は「音楽」も重要な要素になるので、音を観覧者に届けるにはどうするか・・・たとえば、特定の位置に立った人にしか聴こえない超指向性スピーカーでとばす・・そんな構想もありました。

ただ、そのやり方だとコストがべらぼうにかかってしまい、わたしの経済リソースの甚大な負担をかけます。

で、一時断念。

その後、昨年のNOOMで、わたしは音楽枠でライブトーク&演奏をしたのですが、同時にバーチャル美術館の体験版ダイジェスト動画も作成させてもらいました。

「これを動画でやればいいのか?」

と、プチ天啓を受けた気がして、メタバースプラットフォーム 「cluster」でテスト的に作りかけました。

ちょうどYOUTUBE大学でNFTの授業があったりして、これも組み合わせればいいのか、などとモヤモヤ考えたりイジったりしましたが・・

これも断念。

ひとつは難しい、というか面倒というか、工数がかかりすぎて、結構なリソースを持っていかれそう。

もうひとつは、NFTでマネタイズを考えた時、それに対する税金のスタンスが流動的で、仮想通貨の時のように「アルトコインの売買を重ねた主婦があるとき数千万の課税をされる」みたいなことも生じかねない気もして、それも躊躇した一因です。

そしてある日、妻のために購入した骨伝導イヤホンを使ってみて、また天啓を受けます。

 Bluetoothなのでコードレス。つまり離れて聴けるのです。しかも「その人にしか聴こえない」のです。なおかつ、周囲の音も聞こえるのです。さらに、耳穴に突っ込まないので、複数の人の使いまわしも抵抗がありません。さらにさらに、値段も数千円で購入できます。

「これだ!」

そうです。高額な超指向性スピーカーはいらないのです。ひとつ光明を得た感じでした。
つまり、市販のデジタルフォトフレームに動画を入れて飾り、音はイヤホンジャックから Bluetoothでとばす。そこにおかれた骨伝導イヤホンをすれば音も聴ける。ざっと、こんなデザインです。

アーチスト活動をどうマネタイズするか

動画といえばインターネット、たとえばYOUTUBE、TIKTOKなどですが、短尺動画で広告収益は現実的ではありません。ではダウンロード販売? 最初は無料? 

いや〜、あまりピンと来ません。

自分の中に毒を持て 岡本太郎
NFT超入門 クリプトキャット
専業画家 中島健太
絵描きを志す人のための本 岡靖知
現代アート投資の教科書 徳光健治
学校では教えてくれないアーティストのなり方 いたみありさ

その頃、こんな本を読み散らかしてましたが、この中のどこだかにこんなことが書いてありました。

「30人のよき顧客との関係が構築できれば、画家は生きていける」

これには、ハタとひざを打つところがあって、というのも、以前、ウインドサーフィンショップを立ち上げた時にも、「30人の太客がいればなんとかなるよ」と言い合ってたからです。その時も根拠となる数字とか経験もあって言っていたので、その本に書いてある文句もすっと入ってきました。

30人という人数はともあれ、「100人と仲良くなれればなんとかなる」とかは、あっちゃんも授業やHRで言ってましたよね(原典はわすれた)。

と考えると、想定されるお客さんは、インターネットでダウンロードしたい人ではありません。

「やっぱり個展だ」

そこで人に会おう。観てもらおう。額に入ったわたしの動画を。そして気に入ったら購入してもらおう。

ともあれ、個展やグループ展、企画展などで実際のお客さんと会って話す、聞く、ということが大切になります。インターネットの時代、音楽がサブスクで聴き放題の時代、動画も書籍もダウンロードし放題の時代に、人に会って、コミュニケーションをとって、物理的な額に納まった動画を届ける。なんとも不思議な航路が定まりました。

個展ではありませんが、8月、サリーさんたちが開催した「のうみそん展」に行きました。

とても刺激になりました。

その時の会場の広さ、ロケーション、そして箱のレンタルコストなども参考になりました。

場所は千駄木のホワイトギャラリーでしたが、あのエリアは芸大や都美術館なども近く、芸大生を意識したかもしれないレンタル費もそれなりのこなれていて、なかなか惹かれます。

が、わたしは銀座でスタートしたいと思いました。

で、銀座のギャラリーのことを何度もリサーチしましたが、やっぱり高い。6日で20万、30万は当たり前です。でも、さがすと10万円くらいのところもないわけではありません。わたしは印刷したグーグルマップにそれらの位置をマークして、出かけました。昨日のことです。

妻と庭の花壇&菜園を耕しなおし、鉢の小さくなった「金のなる木」を株分けし、ランチ後にでかけました。時間的に丸々半日もないので、目星のギャラリーを実地で見聞して、夕方三越の地下でなにか買って帰ろう、的なノリもありました。

でも、数日前から、なにか大きな変化の兆しに「無意識」が気づいたように、震えるような怖さに襲われたりしていて、わたしはそれを「吉兆」と捉え、名刺やサンプル作品も手にしていました。

一軒目、フラッグギンザギャラリー。

ここは住所は銀座ですが、有楽町線・新富町が最寄り駅。昭和通りのさらに東で、ちょっと僻地感があります。入ってみると、想像以上の狭さ・・。オーナーの大西さんはもともと写真家で、その活動の一貫としてのスペースだそうです。

わたしは趣旨を伝え、サンプルの作品をお見せしました。

すると、ギャラリーガイド銀座という冊子をくれて

「このあたりのギャラリーを回ってみたら?きっとうちよりもいいところがあると思うよ。ただ、1月か〜、どこの画廊ももう埋まってるんじゃないかな」

「こちらのご予定はどうですか?」

「うちは空いてるけど、たぶんもっといいところがあるよ。このOギャラリーさんが力になってくれると思うから行ってごらん」

というやりとりをしました。

そして、途中の小さなギャラリーの看板を見ながら、Oギャラリーさんを探します。銀座柳通りと外堀通りの交差点近くの3階でした。

わたしよりも結構大先輩であろう女性オーナーの方は、最初、とまどっている感じでしたが、しばらく考えたりスタッフ(?)の方と相談しながら、何件か電話をしてくれました。そして紹介されたのが、松屋銀座から少し入ったところのギャラリー・シアカさんです。

ギャラリー・シアカさんに入ってみると、ちょうど「ほんやら洞70年代京都写真展」が開催中でした。すでに電話での話しが通っていたので、入るとすぐに「あぜがみさんですか」とオーナーのシアカさんは椅子をすすめてくれました。

わたしは自分の額装動画アートの趣旨を説明し、そしてAmazonKindleFireに入れたサンプル動画を観てもらいました。

それを観たシアカさんは、こう言いました。

「12月14日〜20日まで、東京駅の丸善丸の内4階でアートフェアがあるのだけど、それに出展してみませんか。公式の締切はもう過ぎているのですが、90cm枠ならば確保できます」

ええ!いきなり日本の最中心とも言える東京駅丸の内丸善ですか!そうか、Oギャラリーさんも、こういうルートがあるをの知っていて、こちらを紹介してくれたのか。

「それと個展の件ですが、1月はもう埋まっていて、最短で空いているのが2月27日からです。前もって個展が決まっていれば、丸善でのフェアでその告知宣伝もできます」

わたしは、値段を聞くのを忘れて「どっちもやります!」と答えていました。

そして机上の契約書を前にした時、「そういえばおいくらですか?」と聞いたのですが、これ、最初に値段を聞いていたら、ひょっとして躊躇していたかもしれません。まあ、銀座としては良心的ですが、個人的に考えていた予算の倍です。でも、ここは「跳ぶ」ところでしょう。わたしは大きな賽を振りました。

「この数時間で自分の人生、大きく変わったなあ」

このことを誰に伝えよう・・。

わたしはPGのTellUsに最初に書き込みをしました。
https://progress.salon/app/tellus/azeakito
まず、PGのみんなに伝えたかったからです。

わたしは以下の3つを宣言しています。

●PGで民族音楽系のバンドを作って学園祭に出演する
●PGイベントやビジネスに動画制作や動画作品で参加する
●PG発の動画作家として日本中に愛と感動と癒やしを届ける

この3番目では「PG発の動画作家として」と記しています。

つまりこれを実現するために、わたしはPGとの関わりの中で成長する必要があるのです。

なので、今日も、真っ先にこのコラムを書いています。
どうかこれからも叱咤激励してください。

大きな賽は投げましたが、どんな目が出るかは、これからです。

頑張ります。どうか見ていてください。

毎日のHR、あっちゃんの言葉に勇気と気付きをもらっています。
日々、みなさんからの「イイね」やコメントに励まされています。
いつも、みなさんのつぶやきや発信から元気をいただいています。

本当にありがとうございます。

あっちゃん大好きだよ。

「人は何ものにもなれる いつからでも」

って本当だね。美大も出てないわたしが62歳から模索をはじめ、
そして12月、東京の真ん中のアートフェスに展示され、
個展までできちゃうんだ。

そしてみんな、大好きだよ。
いつもありがとう!

 


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